敵だったキャラが味方に加勢する展開は知っているけど、アツいよね!
太宰マジで道外れたな・・・・。江戸川君がかわいそうになってきた。
いつのまにか気絶していた。
あの時、太宰の本性を知り、動揺で吐いて倒れてしまった。
ベッドに寝かされ、今起きたところである。
相変わらず手錠と足枷、首輪もついている。
今まで犯人を逮捕するために何回も目にしてきたこの手錠。
自分の手に付けられることになるなんて、皮肉だな。
動けるっちゃ動けるが、手錠がどうも面倒だ。
足枷は八畳はある部屋をどこでも動けるように鎖がつけられているが、腕はほんの少し動かすことが出来るだけで、かなり不自由である。
首輪はただの鉄製で、はめられているだけであり、鎖があるわけではない。
何の意味があるのか、何?逃げた時のための毒薬でも入っているのか?
「おはよう。」
「うわっ!!!」
聞き覚えのある声が鼓膜を通る。
黒のパーカーを羽織った包帯だらけの少女。
俺が追いやって拷問にかけた37人殺しの連続殺人犯であり、レイエ、いや彼女の捜査本部の副指揮官である太宰に操られていた少女。
――――夢野あぐりだ。
「お、お前!」
なぜかしらないが、お鍋とスプーン、とうふとネギとわかめの入ったスープ、からの茶碗を乗せたお盆を持っていた。
テーブルには大量の麦茶が入った筒とからのコップが置いてある。
「別に仕返ししようなんて思っていないわよ。逆にありがたく思っている、目が覚めたもの。」
「おい、おまえ・・・・、何を持ってんだよ。」
「あなたを看病するためのおかゆに決まっているでしょ。
38度の熱を出してたのよ、ほら動かないで、ベッドで寝て頂戴。
分からなかったかもしれないけど、あなた三時間ほどずっとうなされていたのよ、それで看病してたの。
レイエ様からのご命令だから。」
面倒くさいことになるのも嫌なので、潔く横になった。
彼女は慣れた手で冷やしたタオルを俺のおでこに付けて、暖かそうな毛布を掛けてくれた。
茶碗におかゆをたっぷり入れて、麦茶をカップに入れている。
盲目なのに、パターンとして動いているのか。
目には包帯を付けてくれているが、そのことに関してはあえて言及してくることはなかった。
「なあ、今もあいつに従ってんのか?」
興味本位で聞いてみる。
その言葉に俺のナイフを刺されたところの傷に当てた包帯を直そうとしたあぐりの手が止まった。
「―--・・--そうしなくちゃいけないから。あの時誘拐された時、洗脳されて人を殺すことに『はい』と答えてしまった時から、逃げられないのよ。
盲目なのをうまいこと使われて、性的な暴力もされたわ。
私とあなたの首についているそれ、電流が流れるようになっているのよ。
あの人の手の中に発動スイッチがある。何か嫌なことがあったりすると、私はいつも発動させられるの。痛いわよ、相当。あなたの拷問と同じくらい。でも、何も言えなかった。
貴方も気を付けることね、何か気に障ることを言ったら容赦なく電流を流されるかもしれないわ。
あの人にとっての拷問は、あなたみたいな仕事のためや自白の為とかじゃないの。
歪んだ愛情の為よ。
貴方に目覚めさせられるまでは、ストックホルム症候群のおかげで彼に妙な愛情を抱いてしまっていたわ。だから彼の言う事にはすべて従ってきた。
今考えたら―――――、私はただのバカだったわ。」
ただの13歳の少女を誘拐させたうえ、洗脳で人を殺させる。
ああ‥‥、なんで俺は彼女を拷問にかけてしまったんだろう。今解放されれば、直ぐに太宰を拷問にかけたいな。
それに、この首輪。電流か、気になってはいなかったが、だから首に少しのやけどがあったのか。
「あぐり・・・・、ひとつだけいいか。」
「何?」
ここは、潔くあやまらなくてはいけないな。いくら人を殺したとはいえ、本当に洗脳だったとは。
俺はベッドから出て、見えないと思うが、床に膝をついた。
そして、頭をしっかり下げた。
「あぐり、あなたの背景や事情を知らずに拷問してしまい、申し訳ございませんでした。」
あやまることに羞恥心なんてなかった。
俺が、間違えたことをしてしまったのだから。
「―--・・・ーーあの、えっと・・・してるかわからないけど、えっと・・・・
頭を上げてください。
私だって・・・・痛かったけど、よかったんです。
貴方に会えて、やっと洗脳から目覚めることが出来て!」
おどおどしながら、俺の顔を上げようとした。
目にはなぜか、涙がたまっている。
「ねえ、泣いてるけど――――大丈夫?
俺・・・・、こんなこと言うと嘘だと言われるかもしれないけど、お前の言ってること、同情するよ。
辛かっただろ?」
「大丈夫‥‥、私初めて自分の事をわかってくれる人に会ったの。
だって、だって、今まで私の両親でさえ盲目だからという理由で捨てられたし、レイエ様にも盲目ということを利用されていっぱい暴力を受けてきたの。
さっきだって、江戸川さんが攫われて起きるまでずっと、自白したことと殺しに失敗したことの罰ということでずっと蹴られて、殴られて、泣ける涙ももう無くなりそうなの・・・・。
できるのは殺しだけ・・・・、文字もかけないし、算数だってできない。
私だって、人なんて殺したくなかったよ!!」
泣きながら、音を感知して俺に抱き着いてきた。
これにはーーー、俺も彼女の頭を優しくなでることしかできなかった。
手錠がかかった手首が彼女の頭に触れる。
今やどちらも囚われの身というのにーーー、なぜか彼女が近くにいると安心できた。
「あぐり・・・・・、おかゆ食べさせてくれるか?それに、もう一回いうがアキラでいいよ。」
「・・・・・うん!」
彼女が俺から離れる。
右目だけから見える世界がなぜか濃く見える
「・・・・ったく・・、なんでこうすぐに信じるんだ?
さっきまでお前を散々痛みつけた相手を・・・なぁ・・・・。」
――――――――――
あーあ。
あぐりはもう脱落かぁ・・・・。いい感じだったんあけどなあ。
後でもっと厳しいお仕置きをしなくちゃな。もちろん、そんな風に勝手にイチャコラしてるアキラさんにも。
だけどなあ、アキラさん強そうだからなあ。首輪の電流だけじゃあ、肉体的にも精神的にも応えないかもしれない。
まあ、色々と考えてみるか。
それにーーーー
アキラさんの悲鳴、もっともっと聞いてみたいんだよね。
それで考えを変えてくれたらうれしいな。
だって、いつでも一緒にいたいじゃん?
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