オコジョだった少女。
「ボクがエリーを守らなきゃ」
うん!
エリーは危ない目に結構遭う
大丈夫、ボクが絶対守るからね
公爵家の採用が決まってから公爵に言われて護衛のみんなと戦って勝った、そのお陰でエリーは歩いて街を見る事が出来るようになった。
これまでは公爵が絶対に許可をしなかったけど、ボクが一緒ならとエリーと手を繋いでお出掛けだ。
お茶会もボクと一緒に行く
公爵が殆ど許可を出さなかったからエリーは友達が少ない、でも最近公爵夫人が公爵に何かを約束させたみたいで、色んな家のお茶会に参加していた。
その時はタチアナも一緒で、ボク達は仲良しだ!
「アラン様と婚約なさったのですね、おめでとうございます、本当にお似合いですわぁ」
と何回も祝福された、ボクは嬉しかったから
「ありがとうございます!」と答えて回っていた。
アランがどれだけボクを助けてくれたか、ボクもこれから沢山恩返しするんだってことを教えてあげた。
「そ、そうですか・・・」
そう言ってスグ離れて行く人が多かったけど、なんだったんだろう?
ん、レナ、皮肉が効かない人間って本当に強いわねってどういうこと?
1人だけ紅茶を掛けて来た女の子が居た
向かってくる紅茶をボクは空いたカップで全てを受け止めたから大丈夫だったけど
紅茶のシミ抜きは大変なんだよ
税金を使っているんだから、食べ物もドレスも大事にしない子は貴族として失格です!ってママに教わっていたから、ボクは女の子にその事を丁寧に教えてあげた、分かった?
「アンタ無意識とはいえ本当に敵に容赦しないわね、イヤミは効かないし、意図せず煽り倒して皮肉るし・・・」
「え?」
「何でもないわ」
レナはまた呆れた顔で言っていた
ボクが親切で言ってても相手がそう受け取るとは限らない
小さな親切、大きなお世話って言うらしいけど
親切が親切じゃないってことは、親切じゃない事が親切ってことになるの?
貴族のやり取り、まだまだボクには分からないことだらけだ。
やっぱり社交界も危ない所なんだね
エリーが紅茶掛けられたりしたら許せないし、火傷しちゃうからね。
「ボクがエリーを守らなきゃ」
うん!
ボクは手をぎゅっと握って心に決めた。
***
エリザベスはマロンを守ろうとしているが
公爵家の後ろ盾がある相手には早々危害を加えられる訳でもなく。
マロンがエリザベスを守ろうとしているが
公爵令嬢を物理的に襲う事件が何度も起きる訳もなく。
互いに無用の心配をしつつも2人は今後穏やかに過ごす事になる。
それぞれの婚約者が、格別に親密なエリザベスとマロンを相手に苦労するのはまた別の話。




