↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
140/157

野営

海辺に沿ってしばらく歩いていると、次第に日が傾き始めた。

「今日は、ここまでかしらね?」

フランネルが空を見上げ、太陽の位置を確認しながら言った。

「そうね。今日は、この辺りで休みましょうか」

グラッドもフランネルの意見に頷く。

「皆もいいわよね?」

振り返り、俺たちにも確認を取る。

「うん」

「ああ」

「そうしよう」

スピレア、俺、ルドベックが、それぞれ異論なく頷いた。

ふとナルシサスを見る。

ナルシサスだけが、肯定も否定もせず、こちらを眺めていたからだ。

「うん?」

視線が合うと、ナルシサスが不思議そうに首を傾げる。

「ああ、フランちゃんが言うことなら、俺様の意見も同じだぞ」

どうやら、俺の視線の意味を察したらしい。

何を当たり前のことを確認しているんだ、と言わんばかりの様子で答えた。

どうやら、異論はないようだ。

「じゃあ、野営の準備を始めよう!」

スピレアが嬉しそうに声を上げると、率先して準備を始めようと皆へ声をかける。

こうして俺たちは、六人で初めての野営の準備を始めた。


大人数になったことで大変かと思われた野営の準備は、拍子抜けするほどあっさりと終わった。

何より、ナルシサスがあまりにも器用だった。

そして、フランネルの指示も的確だった。

「ナルシサス、薪はある?」

「そう言われると思って、歩きながらちゃんと集めておいたよ!」

「ナルシサス、火を起こして」

「分かったよ、フランちゃん」

「ナルシサス、食材は?」

「一応、持ってきたけど…足りるかな?」

「私が持ってきている分も合わせて、食材を切ってちょうだい」

「任せてよ、フランちゃん。食材まで持ってくるなんて、本当に優しいんだね」

「…いいから手を動かす!」

「ごめんよ、フランちゃん。怒らないでよ」

二人のやり取りは、まさに阿吽の呼吸だった。

薪集めから火起こし、食材の下ごしらえ、料理、そして配膳まで、驚くほどスムーズに進んでいく。

もちろん俺たちも手伝った。

しかし、気がつけば作業の大半をナルシサスがこなしている。

「…凄いわね…」

その光景を眺めていたグラッドが、感心したように呟いた。

俺も同じ気持ちだった。

そんな野営準備だった。


食事を終え、皆で焚き火を囲んでくつろいでいた。

何気なく顔を上げると、スピレアと目が合った。

スピレアは嬉しそうに笑顔を向けてくる。

しかし、俺は慌てて視線を逸らした。

未だに、スピレアの目を見るのが怖かった。

「なあ、フランネル。どうして、アインシュ族と行動していたんだ?」

俺はスピレアの視線から逃げるように、フランネルへ話題を振った。

「あっ…」

スピレアが、小さく声を漏らす。

その切ない声が、胸をチクリと刺した。

「やっぱり気になるわよね…」

フランネルはそう呟くと、しばらく黙って考え込んだ。

そして、焚き火を見つめながら、真剣な表情で口を開く。

「仲間になったんだもの。フランちゃんとナルシサスの過去を教えてあげる」

唐突ですが、本日17時よりナルシサスの過去を描いた短編小説『僕の幸せな未来へ』を投稿いたします。


奴隷だったナルシサスが、フランネルと出会い、自分自身の未来を選択していく物語です。


もしナルシサスに興味を持っていただけましたら、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。


また、フランネルの過去を描いた短編小説『私がフランちゃんになった日』も同時に投稿いたします。


こちらは、フランネルがナルシサスと再会し、新しい人生を歩んでいく物語です。


二人の過去を知ることで、本編でのナルシサスとフランネルの見え方も、少し変わるかもしれません。


最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。


不定期ではありますが、これからも短編小説を書いていきたいと思います。


「このキャラクターの過去も読んでみたい!」というキャラクターがいましたら、ぜひ教えてください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。