228.新たな任務
「破戒の囚人院について……かい?」
「はい」
「あそこは、犯罪者や殺人鬼たちの集まりである、監獄と言っても差し支えないかな」
翔太はヘクセに言われ、休暇を終えた翌日にクリフに質問した。
クリフはコーヒーを口にしてそっとテーブルに置いた。
「監獄、ですか?」
「そう、あそこの知覚者たちは囚人と呼ばれている……看守と呼ばれる上司の知覚者の命令に従わないと一定の罰や処刑とかもあるそうだね」
「え!? そ、そうなんですか!?」
「秩序の維持のためとはいえ、犯罪者や殺人鬼でも、モネーレの情報を勝手に情報開示されるのはごめんだからね」
「……大変なんですね、囚人院の知覚者たちは」
「まあ、規律を守るなら最低限の安全はあるだろうからね……それで、なんでそんな話を急に?」
「あ、え、えっと……」
「……あの魔女からかい?」
ギクッ!! 思いっきり肩を揺らしてしまった。
「……何を頼まれたんだい?」
「ある知覚者、えっと、囚人にあってほしいってヘクセさんに。これ、クリフさんに渡すようにって」
「……何?」
クリフさんにそっと机に箱を置く。
小さい箱で、片手で収まるサイズだ。ドラマとかで見かけた三か月分の給料を叩いたとかって謳い文句の詰まった結婚指輪の箱みたいなサイズだとは思う。流石にヘクセさんが囚人の人になぜ渡すのかが理解できないから、そうじゃないとは思うけど。
「これの中身は開けたのかい?」
「い、いいえ。まだ開けてないです。開けたら地獄に両足突っ込まされて戻れなくなってもいいなら、って」
「……的確な脅し文句だな」
「え?」
「いや、なんでもない……とりあえず、これはもらうよ」
クリフさんが小声で何か言ったのがうまく聞き取れなかったが、彼は箱を受け取ってくれた。
「大切な物、なんですか?」
「……あの魔女の持ってる品は碌な物がないってだけだよ」
「そ、そうなんですか?」
「話はここまでにしよう。とりあえずシュネ君は仕事に戻っててくれるかな?」
「わ、わかりました。それじゃ、俺は午後からの任務に向かうので!」
翔太は席から立ち上がって急いで午後からのサブ任務に向かうことにした。




