202.プレゼント
翔太は今日は奮発して、リアナさんが好きなメーカーのチョコレートを買って来た。
後、アールグレイの淹れ方とか、念入りに再確認したり、部屋の中を徹底的に数回掃除した。
念のため、リアナさんが晩御飯を食べているかの確認もラインで済ませたし。
……後は今回も大丈夫! のはず!!
一応リアナさんに聞いておきたいことがあるし。
コンコン、とノック音。
「はーい」
「お待たせ、青年」
「いらっしゃい、リアナさん」
翔太は玄関へと歩いて行き、扉を開ける。
リアナさんは私服姿で立っていた。
白いシャツとブルー系のミニスカートに白のパンプスを着ている。
俺は特別何も言わずに彼女を部屋に招いた。
俺は彼女に手で部屋を示して彼女のために用意したアールグレイを入れる準備に取り掛かった。
「どうぞ」
「ありがとう」
コトリとリアナさんの紅茶のカップとソーサーをテーブルに置く。
そのまま俺はリアナさんと向かい合うようにソファに座る。
静かに彼女は紅茶のカップの取っ手を指で触れるとゆっくりとカップの口元に唇を触れる。
……なんだろう、緊張してしまう自分がいる。
今回だけなんでスカートなのか、とか気になるところではあるけど。
「青年、これ受け取ってくれる?」
「え? あ、はい」
リアナさんは紙袋を俺に手渡した。
俺はリアナさんに、今開けてもいいですか? と尋ねると、ええ、と言った。
俺は紙袋の中にラッピングされた物が数個入っていた。
恐る恐る俺は一つ一つテーブルに並べて、一つを開封した。
「……これって、ドリンク?」
「ええ、コーラよ」
「ありがとうございます! ……でも、なんでコーラなんですか?」
「ドイツ発祥のコーラなのだけど、青年はコーラを好きだって知っていたからドイツ発祥のコーラがあったら気になると思って、嫌ではないと思ったのだけど……重かった?」
「いえ! ありがたいです!」
ドイツ発祥のコーラとか、そういうところはドイツに来る時に調べてこなかったからなんか嬉しい。
「ちなみにコーラの消費量が多いのは意外とアメリカじゃなくてメキシコだったりするわ」
「え!? 俺、絶対アメリカだって思ってました……」
リアナさんの衝撃な真実に翔太は目を丸くした。
そっか、コーラってアメリカのイメージだったけど、そういうわけでもないんだ。
でも、先入観で色々とみたらよくないことがあるって学んだんだし、いいことだと思って受け取っておこう。
紙袋から取り出した本数的に六本くらいだから、後でじっくり飲むことにしよう。
「でも、どうして突然プレゼントなんて……?」
「……たまにはこう言う日があってもいいかもしれないと思ったのだけど、嫌だった?」
「いえ、そんなことはないです! ただ、その……」
「何?」
「色々とリアナさんと話す話題考えてたんですけど、実際に会ったら吹っ飛んじゃって……その、今日はリアナさんにドイツのこと、教えてもらってもいいですか?」
「……私のできる範囲でいいのなら」
「ありがとうございます!!」
例えば、ドイツで有名な作品のタイトルとか。
例えば、ドイツで親しまれている人物は誰とか。
そんなありきたりな話を飽きるまでは為した。
そうして翔太とリアナは深夜になるまで、ドイツのことで語り合ったのだった。




