202.合同訓練 シルバーウィンドVSグラビティフォーゲル 再試合
オークション会場でモネーレの討伐を終えた夜、翔太はぐっすり寝た。
翌日、クリフさんに呼び出され合同訓練の再試合を始めることになった。
バディは前回組んだバディで、それぞれ試合をして最後の試合、俺とグラビティさん、リアナさんとカッターさんの試合を執り行うことになった。
「仕切り直しですね、カッターさん」
「ふん、安心して負けろ」
「お断りします!!」
俺はグラビティさんを背に、俺なりの自然体で構える。
クリフさんの宣言が響いて、俺たちの試合が始りを告げる。
『第六訓練、開始!!』
「――――――行きますよ!!」
翔太はカッターに向かって駆け出した。
カッターは構え、翔太に向かってカマイタチで切りつけようとした。
翔太は、ジャンプして空中を回し蹴りをしようとすると、カッターさんの追撃の風でグラビティさんの方へと吹き飛ばされる。
「うわ!! とっとと!!」
翔太はグラビティと間の空気を蹴って、なんとか地面に着地した。
「シュネル様、大丈夫ですか」
「な、なんとか……いけると思ったんだけどなぁ」
翔太の作戦としては、二人とも範囲攻撃もできる二人の視界を塞ぐことができれば一番いいと思い、先にカッターさんの目を軽く蹴飛ばしてしまったらいいかな、と思って飛び出してみた物の……逆に裏目に出たようだ。
「カッター、油断しないで」
「わかっている」
リアナさんが銃で俺たちを牽制しつつ、カッターさんに近づけないようにして来た。
翔太たちは防御盾で銃から身を守っているが、いつまでもこのままの状態ではいけないだろう。
初手で一発と思ったけど、やっぱり無理か……!!
でも、この案ならいけるか……!?
「グラビティさん、俺に考えがあります。合図を送るので、そのタイミングでカッターさんを拘束してください!」
「……わかりました」
翔太は防御盾を構えたまま、カッターたちの方へともう一度突っ込んでいく。
リアナさんも銃の弾も無限じゃない。タイミングを計れば、隙ができるはずだ……!!
俺の足なら、スピードならいけるはず!!
グラビティさんへ合図を送るまで、カッターさんとリアナさんの間に飛び込む。
「……っ!」
リアナさんが銃をリロードするのを見て、俺は走るスピードを高める。
――――よし!! このタイミングだ!!
俺は防御盾を構えたままリアナさんを押し倒した。
「シルバー!!」
「グラビティさん!!」
「はい、シュネル様」
カッターさんが俺のスピードに対応しきれなくて、リアナさんが倒れたので生まれた隙を使ってグラビティさんはカッターさんの首輪をナイフで破壊した。
俺も続けて、リアナさんの首輪を破壊しようと彼女と取っ組み合いになる。
「くっ……!!」
「やらせない!!」
防御盾は横に投げ捨てられ、リアナさんは俺を馬乗りにして俺の首輪を破壊された。
「しまった!!」
「後は……!」
「お覚悟を、シルバー様」
けど、グラビティさんはリアナさんの首輪を後ろからナイフで切り付けて破壊する。
『第六試合、終了!!』
「や、やったぁあああああああああああ!! 勝ったぁあああ!!」
翔太は両腕を上げて喜んだ。
カッターさんたちに、リアナさんたちのバディに勝てた!!
「……ッチ」
「風切り、不貞腐れては駄目よ」
カッターさんは不快そうに舌打ちをすると、リアナさんが注意した。
俺は勝利の余韻に浸っていると、リアナさんから手を差し伸べられた。
「すごかったわ、青年」
「あ、ありがとうございます」
彼女の手を掴み、俺とリアナさんは立ちあがる。
『今回の合同訓練はこれにて終了だ、後はみんな着替えたらそれぞれ休暇や任務に向かってくれ』
「えー? マジかよぉ、クリフぅ。もう少し余韻って物をだなぁ」
「ダメだってブーちゃん!! こういう時は、きっちりしっかりしないとさ」
「へーい」
ブークリエさんが休憩スペースで愚痴っているとドールさんに諭された。
クリフさんの指示に従って、俺たちは着替えるために着替え室に向かうことにした。
「青年、今日の夜は空いてる?」
「え? はい」
まだ着替え終わる前にリアナさんに質問される。
今日の夜、空いてる……って、なんでだ?
「そう、じゃあ後で貴方の部屋に行くわね」
「え、あ、はい……?」
カッターさんの冷めた視線が身体の全身にチクチクなんて花の棘のような優しさじゃなく、ハリセンボンのように突き刺される感覚に陥った。
とりあえず、今日の夜までに翔太は色々準備を済ませておくことにした。




