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俺が排除した

 「ドラゴンキングはついさっき俺が倒しました!」

「あら、そうなのね!」

「なにっ、それは本当か?ヤツはどこに居たんだ!」


二人とも俺の実力を認めてくれているようで、倒したという事はすんなり受け入れてくれた。


「なんと雲の上に居た。オウマの森に死体が落ちてるから後で見て来い。あっ、でも今は普通のドラゴンに戻ってるのか」


エイダが消滅した影響で禁断の果実の効果も無くなり、ドラゴンキングじゃなくなったんだよな。証拠としては不十分だけど、生息域じゃない森に居たってだけで信じてくれないかな?


「雲の上って……!どうりで探しても見つからないわけね」

「くっ、オレも雲の上まで飛べるようにならないと!」

「いや、別に上まで行ったわけじゃ無いからな。降りて来た所を倒したんだ」

「貴様は、何でそこに降りてくるとわかったんだ?」

「えーっと……まぁ、(かん)だな」


まさか、「エイダが襲ってきた時に呼び出した」なんて口が裂けても言えないよな……。こんな凄惨(せいさん)な真実を聞いたら、シェーナさんきっと深く悲しむだろうし黙っておこう。


「勘でもスゴいわ!ありがとね!」

「あっ、いえいえ」

「なら、調査団は解散かー。まだみんな居るし打ち上げに誘うか。あっでも、なんかさっきティエスカでなんか事件があったんだっけ」

「事件?」


なにかまた、俺の居ないうちに別の事件が起きたのか?別のマオウグンが来てたら厄介(やっかい)だぞ!?


「なんでも、夕方ごろに白い布を被った謎の物体が触手を伸ばして街の中を移動して森まで逃げていったらしい」

「それが通った地面をみると、等間隔に穴が空いていたらしいの。大きな歯車かなにかかしら?」


なんだそれ……?大きなプロペラとかが通っていったのかな。まてよ、触手って言ったか?まさかエイダの事だったりして……。

どうやって森まで行ったのか不明だったけど、両腕を枝の様に伸ばした上で先端を(かま)の様に(とが)らせて、その姿勢でクロールして手を回せばできなくもないか……?短時間でここからオウマの森まで行く手段なんてこれ以外に思い付かないぞ。


「ドラゴンキングの件は解決したが、今度はその異変を解決しに森を探す事になりそうだな……」

「なら、私も手伝おうかしら」

「待った!」


事件ではあるけど、犯人はもうこの世に居ないんだから見つかる訳がない。シェーナさんと会う機会が減るのは嫌だし、それも俺が解決した事を伝えよう。


「その事件の原因は…………俺が排除(はいじょ)した。ぐすっ」

「どうしたの?」

「貴様、泣いているのか?」


そうか……。今度マオウグンの存在を国に報告しなきゃならないが、エイダの事をいうわけにはならないから、「俺が戦って殺した」という事にしなきゃならないのか……。あぁ、今日はダメだ。まだ気持ちの整理が付かないから話せないや。


「詳細はまた今度話す。……今日はこれで失礼する。ぐすっ」

「えっ、ええ。さようなら。ドラゴンキングの事はありがとう!」

「今度貴様に何かお礼をしなくてはな。そうだ!今から俺達の打ち上げに参加し」


シュンッ


まだマーレスから何かお礼を提案されたが、どうせ行かないから聞くだけ無駄なので最後まで聞かずに家に帰った。


「戻ったぞー。あれ、居ない」

「こっちでーす」


店内に行くと、エオルは会計を終えて店の掃除をしていた。黒曜の鎧を脱ぎつつ結果を報告しよう。


「どうでした?」

「話を聞いたところ、思った通り禁断の果実は黒い煙になって消えたってさ」

「良かった……!なら、泥棒は入っていなかったんですね。お金も無事でしたし」

「なら、今日は早く帰ってゆっくり休めよー」


コンコン


「こんな時間にお客様でしょうか……?」

「ヤバいヤバい早く鎧脱がないと!」


見られるわけには行かないので慌てて鎧を脱いでポーチに仕舞う!


ガチャ


「こんばんはー。あら、エオルちゃん!」

「シェーナさん……!会いたかったです……!」


ムギュッ


ワープで早速店の前まで戻ってきたシェーナさん。……の顔を見るなり、いきなりエオルが抱きついた。


「いきなりどうしたの?エイダちゃんの看病は……あっ」


シェーナさんはエイダの安否を確認する為にこの店を訪れたのだろうが、エオルの態度を見てなんとなく事情を察したようだ。


「エイダちゃん……故郷に帰っちゃったのね……」

「…………はい」


エオルもシェーナさんを気遣い真実を話す事はしなかった。それでも、自分から何か話せるまで落ち着けていないようだし、俺が代わりにそれらしい嘘を付いて誤魔化そう。


「実は、今日の昼頃に故郷に帰っちゃったんです。最後まで、シェーナさんやマーレスの事を心配していましたよ」

「……そう。見送れなかったのは残念だけど、きっとまた会えるはずよね!」


うぅ、信じてくれたようだけど、シェーナさんを騙すのは心苦しい……。それでも、真実を伝えるよりはずっとマシなんだけども。


「あら?……二人とも、ご飯は食べたかしら?」


シェーナさんが俺の目をしばらく見たあと、そう提案してくれた。何か目に付いてたのかな……?違う、泣いたから腫れてたのに気付いたのか。それですぐに(はげ)ます為にディナーに誘うとか、流石できる女は違うぜ……!


「僕もムクロンさんもまだですよ」

「なら、三人でレストランに行きましょうか!」

「マジですか!行かせていただきます!あっ、そういやマーレスは?」

「調査団の皆さんと打ち上げに行ったわ。私はエイダちゃんの様子を見る為に断っちゃった」


出会った時からそうだけど、マーレスってコミュニケーション能力たけぇんだな。パーティー好きで実力のあるイケメンか……スゴく陽のオーラを感じるぜ。


「僕も行きます」

「おっ、珍しい。いつもは家族と食べるのに」

「今日くらいは友人と食べたいんです!」

「エオルと夕食を食いに行くのって始めてだなー」

「うふふっ。店の掃除が終わったらみんなで行きましょうか」


その後、三人で店の清掃をして戸締りをしたあとにレストランに向かった。

一十万文字を目前にしてようやく自分の作品を見返せるようになりました。いろいろ反省点はありますが味として加筆修正はしません。誤字は直しますけど。

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