雑魚を蹴散らす話
「さて、何から触れるか」
迷宮からの帰り道、六架をあそこから出す方法を思案する。
入口の厳重な封を完全に再現すれば許されるかもしれない。いや、そもそもコトリバコの怒りに触れたのかも分からないし、そもそも封をしてしまったら六架が出てこれないし。
なら、今考えられる中で一番有力なのは、入口にあった呪法百禁っていう本について調べるって所かな。
「戻ってみるか」
そう独り言を呟く。
その瞬間に、目の前に矢が飛んでくる。
「っ!?」
弓を射た相手側が目測を見誤っていたお陰で当たっていなかったが、全く気を張っていなかったので死んでいてもおかしくなかった。
相手の方向を向く。そこには一体の弓兵ゴブリン、十体のこん棒ゴブリンが立っている。
来た道では全く出会わなかったのに、この一刻でも早く動きたい状況でモンスターが出てくるか。
もしかしたらあの箱からの瘴気を受けて出てきたのだろうか。
だとしたら自己責任だ。運が悪いとかではなく、完全に自分が引き起こした事なのだから。
「……仕方がないか」
何もかも、予定通りにいかないのが迷宮だ。
「グギャアアアア!」
こん棒を持ったゴブリンが雄たけびを上げながらこちらへと突っ込んでくる。
ただ、どこかの漫画で読んだが『百人相手でも四対一だ』とかなんとかあったし、十対一くらいならどうにでもなるか。
早く終わらせよう。
一体目の心臓を千枚通しで刺す。
二体目から四体目は三方向から一斉に飛び掛かり攻撃を仕掛けてきたので、一匹は袈裟斬り。もう一匹は頭を真っ二つに。もう一匹は首を刎ねる。
モンスターが五級のゴブリンで良かった。もしこれが三級のモンスターの群れだとしたら、まともな武器があっても勝てるかどうか。
ちょっとだけ運が良かったのかもしれない。
ただ、鋸は錆びているせいでのこ身、まぁ刀で言う刀身が折れてしまった。
こういう時に普通の幸運なら鋸が折れなかったりするんだろうな。こういうときは幸運が羨ましい。
「あー、まぁあれだけ錆びてればそうなって当たり前だよな。仕方がない」
「グギャギキィ!」
のこ身が折れたタイミングを見計らい弓兵が矢を放つ。
先は不意打ちに反応することができなかったが、戦いに集中していれば全く問題はない。
集中していればウィンディフォックスに比べれば遅いし。
放たれた矢を掴むことで止めて、洞窟内に散在する細長い空洞へと僕は逃げる。
ただ、そんな僕をゴブリンたちは追ってくる。しかし単純な身体能力は僕が上なので、どんどん距離が離れていく。
ある程度の距離が離れたところでいったん振り返り、手に持った弓矢を空中で静止させ、それをゴブリンから奪ったこん棒で野球のように振り抜く。
かっ飛ばされた矢は細い道を一直線に飛んでいき、三匹一列に並んだゴブリンの頭を貫く。
「ギャグァ、ガァアァァ……」
生命力の高いゴブリンと言えど、流石に完全に絶命したようだ。
「あー、疲れた」
少し落ち着く。それと同時にどっと疲れが体から溢れ、今まで感じていた疲れと重なり体が石のように重く感じる。しかし、こんなことで今はへばっていられないのだ。
さて、早く戻らなければ。
僕には六架を助けるという責務、というか責任がある。
誠心誠意お話描きます。
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なのでよろしくお願いします。
たのむ~




