黒いドラゴン
久しぶりの投稿です
ここは夢の中。
真っ暗な空間に私が立っている。
「ザーク...おいでよ...」
「誰...?」
「僕だよ...」
呼ばれるままに声のする方へと向かう。
何もない黒い空間を抜けると、そこは今日遊んだ海だった。
白い砂浜に青い海が広がっていて、初めて海を見た感動を思い出しそうになった。
「綺麗...」
私砂浜に打ち上げられている貝殻を拾おうとすると、突然海が真っ赤に染まった。
空は黒く染まり、持っていた貝殻は髑髏に変貌していたので投げ捨てた。
そして、どろっとしたような粘液が私の体にまとわりついてきたので、思わず彼女の名前を叫びながら声を上げてしまう。
「アオ!助けて!」
私の情けない声を聞いた何かは、がっかりしたような声で私を嘲笑していた。
「残念だよザーク...、君はもっと強くて悍ましい人だったのに...、どうしてこんなに弱虫になったんだい?」
そんな事を言われてもわからない。
怖いものは怖い、当然の反応をしているだけでなのに、なぜこんなに笑われなくてはいけないのか私にはわかるはずもない。
「どうしてこんな酷い事をするの?」
私は涙をこぼしながら声の主に問う。
「それはね...、君がどれだけ成長しているか確かめる為だよ...、そして君はまだ僕が思っているだけの成長を遂げていないみたいだからね、ちょっとだけ力を貸してあげるよ...」
震える私の心情など御構い無しに話を進めてくる存在の姿が露わになった時、私は驚愕した。
「黒いドラゴン...?」
そう、声の主の正体は黒いドラゴンだったのだ。
と言ってもなぜか顔以外の部分は霧のような物がかかっていて目視できないので、本当にドラゴンか曖昧だがおそらくドラゴンだろう。
だが彼の声を聞いていると、どこか懐かしい雰囲気を感じるので、恐らくだが初対面ではないのだと思われる。
彼は自分の名前を訪ねてくる。
「ねぇザーク、僕の名前覚えてる?」
私は首を横に降る。
「ううん...ごめんなさい覚えてない...」
「そうか...」
彼は悲しそうな声で俯いたが、数秒後にある提案をしてきた。
「じゃあさ、今ここで僕に新しい名前をつけてよ、君がつけてくれる名前なら僕は喜んで受け入れるから」
「名前?」
私は考える。
「...、クロとかどう?」
「クロ?」
「そうクロ」
「クロかぁ...、とりあえずそれでいいか、今の君は年相応の経験しか無いみたいだしね、早く成長して僕を解放してよね」
「貴方を解放?」
「そう、大陸の守護龍を殺して僕にかかっている呪いの楔を外して欲しいんだ、まだいっぱい楔があるせいで僕はここから出られないんだよ、君の心から...」
「私の心...?」
「そう、ここは君の精神世界で、僕はその中に囚われているんだ」
頭がこんがらががる。
なんで私の中にクロがいるのかもわからないし、私が彼を助ける必要もないのではないのかとさえ思っていると。
「あっ、今僕を助ける必要がないとか思ったでしょ?、僕を助けないと君の未来がどうなるか教えてあげるね」
彼がそう言い終わると、急に閃光がほとばしり、世界が白に包まれた。




