表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
98/132

攻防戦②。


第一高等学校の生徒玄関まで辿り着いた栄太と山本君の二人は、扉の陰から外の様子を伺う。


玄関にある門のせいで中央広場の詳しい様子までは目視が難しいが、イスロ兵達の注意がおおよそ、こちら側に向いてないことは察した。


栄太は、生まれて初めて手にする実銃………しかも軍用の機関銃M4A1の重さを感じとっている。


M4A1は人間工学に優れ比較的使いやすい銃とされているが、銃弾装填で約3.2kg〜3.5kgあり。

素人の成人男性でもズッシリとした重さを感じるレベルには違いない。

それが決して豪傑とは言えない体格の素人の少年、栄太にとっては予想以上であることは当然だった。


ただ幸運とも言えたのが、この銃を所持していた兵士が使用最中で麻衣に倒されたことにより、従来の射撃までのプロセスである安全確認・銃弾装填・安全装置の解除とモード選択といった手順を全て省くことが出来。

後は素人の栄太でも引き金を引くだけで、フルオート(連発)で銃撃可能な状態にあったことだ。

そもそも、栄太自身も"引き金を引く”ことしか思い浮かばない。


背後に控える防具姿の山本君とアイコンタクトする栄太。


「………よし!

突撃だ!!」


意を決して玄関の扉から飛び出す二人。


背中を向けているイスロ兵達は、まだ、こちらに気付いていない。

ひた走る栄太と山本君。

中央広場でうずくまる皆と、取り囲む兵士達の光景が迫って来る!



機関銃を構え走りながら、鉄兜姿の栄太は叫ぶ!



「みんなぁ〜ッ!!

どいてくれ〜〜〜ッ!!」



イスロ兵達が一斉に振り返る。

彼らは二人に気付いたが、不意を突かれた形となり銃を構えるタイミングを損ねる!


栄太は重い機銃を渾身の力で持ち上げながら雄叫びを上げ、鬼神の形相で兵士達に銃口を向け引き金を引いた!!


「ウォォォ〜!!」


ガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!



射撃の反動は思いの他強く、栄太はその場にひっくり返る!

辛うじて銃は放り出さなかった。


それでも

"下手な鉄砲、数撃ちゃ当たる”

であった!


「Aahhh!!!」


10名居たイスロ兵のうち、1名の左腕と1名の右脚に銃弾が命中!!

苦痛に顔を歪め、兵士は倒れる。


残りの兵士達が、ひっくり返った栄太に対し銃撃を開始しようとした、その時。

すぐさま黒い樽のような物体が兵士達に迫った………


山本君だ!


「突きィ〜〜〜〜ッ!!」


「!!!」


1人の兵士の喉元に、山本君の突き出した鉄パイプの先端が突き刺さり。

声も出せずに倒れる!

残る7名の兵士も、既に至近距離の山本君の素早い動きに照準を合わせられない。


「小手ェ!!」


「面ッ!!」


「胴ォ〜〜〜ッ!!」


山本君の鉄パイプが唸りを上げる!


1人は強打された右手首の骨が折れ、たまらず銃を落とし。

1人はヘルメット越しながら渾身の力で額に打撃を受け悶絶。

1人は銃を持つことによりガラ空きとなっていた右脇腹……正確には右肋骨下部を強打され呼吸が止まり、もんどり返る。


栄太と山本君による、この文字通り"急襲”によって6名のイスロ兵達が一時的ではあるが戦闘不能に陥った。

広場の生徒・学生達に悲鳴と歓声が同時に湧き起こる!


「な………なんなんだ!?

あのガキどもは!?」


本当に想定外の"伏兵”にセルピエンテが気をとられた隙を逃さず。

エリック=ティーチャーは彼の拳銃を持つ右手を蹴り上げる!


「くッ!」


セルピエンテの手から離れた拳銃・ジェリコ941は宙を舞い、遠くの地面へと落ちる。


「Good job!!!

エイタ!!!

イソノシン!!!」


エリックは親指を立てて二人を讃える。


セルピエンテは逃げるように場を離れ、トランシーバーで軍用トラック内のオペレーター兵に指示を出す。


「(戦闘ヒューマノイド達を稼働させろ!

今すぐ!!)」


麻衣の同席している軍用トラックの室内で備え付けのトランシーバーが鳴り、オペレーター兵の顔が青くなる。


隣りで麻衣が睨み付けている!


「(ダメだ………もう間に合わない!

命令に逆らったら、射殺されてしまう!!!)」


オペレーター兵は急いでPCに向かい、戦場型戦闘ヒューマノイドを稼働させようとする。

そうはさせじ!

と阻止しようとする麻衣とオペレーター兵は揉み合いとなった。

その最中にオペレーター兵の指が、画面上の「Active mode」ボタンを故意ではなく押してしまった!



ギー、ガシャン!



それまで沈黙を守っていた、40体のイスロ戦場型戦闘ヒューマノイドが一斉に初期動作を開始した。


ほくそ笑むセルピエンテ。


中央広場に、再び戦慄が走る!!



〈攻防戦②・完〉

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ