ともだちは、いいもんだ。
エリック=ティーチャーが補助コーチを務める、麻衣の通うD大付属第一高校のラグビー部は。
かつては花園=全国高等学校ラグビーフットボール大会を制覇したこともある古豪である。
そのシーズンも東東京の代表を目指して地区予選を奮闘したのだが、惜しくもベスト8で敗退した。
花園へ行けるのは…………
そして花園で勝てるのは、ほんの一握りのチームである。
多くの学校がそうであるように、悔しさを抱えたまま、D大付属第一高等学校ラグビー部もシーズンを終えた翌日から二年生を中心に。
次シーズンへ向けての練習が始まっていた。
補助コーチながら共にグラウンドで切磋琢磨してきたエリックには、そんな子供達の気持ちが良くわかっていた。
子供達が花園を目標として来たように………
自分自身にも目標があるからであった。
通常なら8人で組みながら押すスクラムマシーンを、たった一人で押してしまうエリック!
しかも、6人の部員達を乗せたスクラムマシーンをだッ!!
更に、一度球を持てば矢のごとく突進!
それは脚の速さだけではない…………
何人も、止めさせはしない気迫に満ちていた!!
付属大学のラグビー部に在籍するトンガの巨漢留学生さえも、エリックのタックルにはゲインすることも出来なかった!!
「…………スゲ!!
エリック先生、ッパネェ」
「ナンカなぁ…………
選手権敗退しちゃったけど、ヤル気出て来たわ!
オレ!!」
エリックのプレーを観る部員達から、そんな声が出始めた。
その日の練習の終わり。
エリックは部員達を集め、話をした。
「ミナサーン、オツカサマデース!!
キョワ、ミナサン二、ハナシアリマース!」
「花園、イケナク、ザンネンシタ!
But!!
ラグビー、ソレ Not Only!!
ナカーマ、トモダーチ、ダイジスル、Study Place!
It’s No1!!」
「ワターシ!
モスコシデ、ナカーマノタメ二、タタカウ!!
ラグビー、デ、ナクトモ、オナージ!!
ダカーラ…………ミナサン、二!
I tell !!
"One for all, all for one”
(一人はみんなのために、みんなは一人のために)
コレ、I learned(学んだ)!
ラグビー、デ、I learned!!
ニッポン、デ、I learned!!!
ミナサン、ワスレルナ!!
Don't forget that!!!
That's the most important thing!!!!!」
感極まり、号泣する部員達。
エリックの熱き思いは、若きラガー達の胸にも伝わった。
エリックの胸にも。
キッド三人衆、華裏那、そして麻衣。
母・美枝、栄太、由美香…………
自分を支えて来てくれた皆の顔が去来していた。
(………ミンナ、ノ、タメ!)
エリックは、闘うことを誓った!!!
〈ともだちは、いいもんだ・完〉




