組織。
………麻衣が学校生活を再開した、その頃。
所変わり、場所は海外の中米某国。
貧富の差の激しい大都市の外れにある、山中。
廃墟となっている病院の建物の一室で、恰幅の良い軍服姿の男が喜びの声を上げていた。
そこは廃墟化した病院の建屋でカモフラージュされた、複数のモニターと操作パネルのひしめくオペレーター室となっていた。
「プロフェッサー!
ヒューマノイドの量産ライン構築は
うまく行っているようだよ。
喜びたまえ」
堀の深い顔立ち、太い眉毛、グレー色の短髪に。
狡賢そうな笑みをたたえた、その男は。
プロフェッサーと呼ぶ者へ上機嫌に報告した。
「自律型戦闘ヒューマノイドの量産とは、人類史上初の偉業だ!
まったく、これも君の開発した1号機、2号機のデータ移植による成果だ。
ペイ(給与)を弾まねばなるまい、フッハハハハハ!!」
男は称えた。
その男の呼び名は、ドメニコ・マングスタ。
国籍・経歴共に不詳。
中南米を拠点とし世界各国に展開する、政治結社の総帥。
10カ国以上もの言語を操り、日本語も流暢にこなす。
噂される資金源は国際テロ組織へ各種武器をブローカー提供する他、地下組織と提携する等、不透明。
…………そして。
そのプロフェッサーと呼ばれる者こそ
日向武雅博士。
麻衣の父親だった。
「……………麻衣」
日向は。
その部屋の一角に安置された、生命維持カプセルに眠る少女へ呼びかける。
それは………あの日。
”改造手術”現場からヘリコプターで持ち去った麻衣の生身の身体、素体そのものだった。
〈組織・完〉




