11話
「なんかこの家って不思議な形してるなー」
はじめてうちに来て家の中を見た織部がそう言っていた。開口一番言うことじゃないだろ絶対。まぁでも確かに、二人の家にはじめて行ったときから思ってたけど、確かになんか変わってるんだよなこの家。別に面白おかしいとかアトリエとかジャングルみたいだとかそういうわけではないけど、多分普通でもない。
「俺は面白いと思うけど」
「そうだよねぇ~私も初めて来たときは子供の遊び場って感じで、すごく盛り上がってたんだよねぇ~」
「面白いと使いやすいかどうかは別なんだよ…」
そんな話をしながらワサビの先導で2階にある俺の部屋に向かった。俺の部屋は、ぱっと見だと特に変なものはないと思う。
普通にベッドと机、椅子、棚が置いてあるだけだからな。あとはクローゼットと、外のバルコニーに出られるドアがある。強いて言うなら、机の上にデスクトップパソコンがあるのは一般的って意味では普通じゃないかもしれない。
「なんか思ってたより物少ないな。テレビとか置いてそうだと思ってたけど」
「ふっふ~ん、それには理由があるんだよねぇ~」
「芽彩が自慢するところじゃない」
それはそう
「ぱっと見何の変哲もないこの部屋~実は不思議なところがあってねぇ~」
「それってロフトのことか?」
「え、何で分かったのぉ~!」
「いやだって天井の形が明らかにおかしいし、よく見てれば誰でも気づくんじゃないか?」
「まぁ織部なら気づくとは思ってた」
気づくのは早かったけどな。多分部屋に入る前から気づいてたんじゃないか?それはいいとして、この部屋が謎なのはロフトがあるってことじゃない。別にロフト自体はそこまで珍しいものじゃないだろうし。
「変なのは、階段やはしごが無いのに、どっから上に行くのかだよなー。さすがに外から行くわけじゃないだろうし」
「実はねぇ、”クローゼットの中”なんだよねぇ~」
少しもったいぶった様子で芽彩が答えを教えていた。そう、それがこの部屋にある違和感というか一番変なところ。なぜか俺の部屋のロフトへの階段は”クローゼットの中”にある。
なんでこんなに不思議な構造をしているのかは俺は知らない。ちなみに、ちょうどその階段の上る場所は隣の部屋の方から入れるドアもクローゼットの逆側の壁についている。つまり、俺の部屋から見たらロフトへ入るところが見えないけど、隣の部屋からは普通に入口があるということ。
「でもそれのおかげで、犬たちにいたずらされることはないんだろ」
「結局さみしがってるときは上まで連れてくんだけどな」
「それ意味ねえじゃねぇか」
まあ秘密の部屋みたいな感じで気に入ってはいるけどな。完全なる趣味部屋です。
「ゲーム機とかテレビとかはロフトにあるからそっちに行こう」
「漫画とかもある~?」
「ライブのビデオとかも」
「あるよある、全部ちゃんとそろってるし残ってる」
お前らが昔、結局うちで遊ぶことが多いからって置いてったものも全部ちゃんと残ってるよ。
いくら家が近くて兄弟たちに狙われないからって、全部置いておく奴がいるかって話だけどな。おかげでこの部屋だけは全然物が減らなくて困ってる。
「お前たちの物だけで結構場所取ってるんだぞ?しかも全然回収しに来る気配もなくて、数年間ずっと管理してるこっちの身にもなれよ」
結構管理って面倒なんだからな…
「まぁまぁ、絶対いつか取りに来るからさぁ~」
「本当にここしか置いておける場所がないんだ、頼む」
分かった。でもほんと俺が家を出るまでには取りに来いよな。
四人でロフトの方へ行く。
ワサビとサンゴさんもついてきて、ずっと彼らのそばにいる。うちの犬たちには、ロフトで暴れたら追い出すようにしているから、よほどのことが無ければ何もしないと思う。
さすがにロフトで暴れられると危ないからな。最初は入れてなかったけど、そしたらサンゴさんがすごく寂しがってしまったから、いろいろと対策をした上で入れられるようにした。
「とりあえずゲームしようぜ」
織部の言う通り、せっかく集まったんだからいろいろ遊びたい
それぞれソファやクッションに座り、いろいろなゲームをして遊んだ。
咲弥や芽彩は俺がよく誘って一緒にしているから上手かった。織部はやったことのないゲームもいくつかあったが、どのゲームも上手く基本競い合いでは1位か2位、他のも結構勝っていた。
勉強も運動もできて、ゲームも上手いってなんだよ
アナログゲームもいくつかやったが、織部がヒトとの読み合いと相手の思考を予測するのがうますぎて圧勝していた。逆に運ゲーはボロボロで、そのバランスのおかげで全体で見ると結構いい勝負をしていた感じがした。
あとは芽彩のリクエストでホラーゲームもやったが、普通に怖かった。芽彩はその雰囲気に対してホラー系が好きで、普段もたまーに三人でやることがあったが、ジャンプスケアは嫌いらしい。(よくわからない)
俺はホラーは全般苦手だけど、みんなでやると面白いとは思う。好きではない
たまにホラーを一人でやるときは、犬を近くに配置してやっている。好きではない
ジャンプスケアも無理だし、リアルというか人間味の強いタイプのホラゲーは本当に無理。普通に怖い
ちなみに、咲弥は声や表情には出ないがびっくりはしている。前本人に聞いたら、和風のホラーや対抗手段のないタイプは苦手だと言っていた。普段は俺の方がビビってるから、それ見てたらあんまり怖くはないけど、グロは無理らしい。
織部は…今日見てた感じたまに驚いてたけど、ずっと余裕な感じが残っていて俺をビビらそうとしてきたから個人的にはうざかった。ホラーの急に来る感じといつ来るか分からないゾクゾク感は好きらしい。俺には到底理解できない




