ハリガネムシを導入しましょう
登場人物紹介
・近藤 由美
地獄に堕ちたいじめっ子。
いじめをしてた頃は本当に無自覚だった。
・川口
いじめられっ子。
約束を果たすもいじめ続行により更に苦しむことに……。
・赤松君
由美の元カレ。
由美より可愛い川口に乗り換えた男。
何気に諸悪の根源。
・上田&三木
不良コンビ。 クズ。
・シークス
地獄副将、焦熱童女。
由美との再会を純粋に喜んでいる。
・針金大蟲
地獄産のハリガネムシ。
全長約180センチ。
人間にすら寄生する危険生物。
〜地獄にくる少し前の話……。
「近藤さん……、私約束通り赤松君と別れたよ? だから……」
「よくできましたね、えらいえらーい!」
「えへへ、ありがとう……」
川口のやつ、何か期待した目で私を見ているな?
ひとまず、昨日のことから話そう。 私、近藤 由美は命じた。
私から赤松君を奪って、彼と付き合っていた泥棒猫である川口に別れろと。
私の忠実なしもべである不良生徒、上田に三木や彼らの取り巻きで彼女を囲んで脅すように迫った。
すると面白いくらい簡単に首を縦に振り、私の命令に応じた。
そして現在、川口は赤松君と別れ、私に報告にきている。
約束を守った川口に私は頭を少し雑に撫でながら褒めた。
約束守って別れたんだし、いじめもやめるか?
ふふっ、やめませーん♪
だって、いじめをやめるなんて一言も言ってないし、それに勿体無いじゃない。
せっかく私に無抵抗でされるがままの玩具が手に入ったのにそんなもの手放す、普通?
私は手放さないなー。
だから今回は……。
「川口?」
「は、はい! 何、近藤さん」
「バカかっ、お前っ!!!」
バチーン!
思い切り川口の頰にビンタを食らわせた。
思わず倒れ込んだ川口は何が何だかんだわからないといった表情をしている。
さて、ここからお楽しみのダメ押しタイムよ。
「えっ……どうして? 近藤さん?」
「はっ、私が何でお前に怒ってんのかわかる?」
「…………赤松君、近藤さんの元彼氏と付き合ったから?」
「ピンポーン!」
ドゴッ!
思い切り川口の腹に蹴りを入れた。 さて、無理難題とわかりつつも言うわよ。
「お前、ほんっとバカなの? あんたが赤松君と別れたからそれで終わり、許してください? はぁ? ふざけんなよ? こっちはお前のせいで彼氏居なくなってんだぞ? 夏はビーチに行ってキャッキャしたり、クリスマスは二人っきりで一つ屋根の下で、ちょっと大人な楽しみを堪能するつもりだったんだよ? それ、全部あんたのせいでパーになってんの。 あんたが赤松君と別れたからって、私があんたに奪われたものは帰ってきてないの。 わかるよね? 反省してるんだよね? 反省してるなら普通、奪ったもの返すよね? お前、ほんっと常識ねぇーよ!」
はぁ……はぁ……。
思い出したら段々腹たって、ついついいっぱい行っちゃったわ。
「………………」
まぁ、そうだよね。 黙るよね。 私だっていきなり目の前で長々まくしたてられたらビビって固まっちゃうもん。
「つまりさ、あんたがしなきゃならないことは、もう一つあるわけよ。 わかる?」
「………………」
だんまりかぁ。 まぁいいよ、要約したげる。 私は優しい女の子だしね。
「わかんないかー、あんたバカだもんね。 まぁ、教えたげるから感謝なさい。 もう一つしなきゃならないこと、それは赤松君の代わりを、つまり私に相応しい男子を私の前に連れてこいっつーことね」
「えっ……そんな……」
「えっ、じゃねーよ。 私から奪ったんだからちゃんと返せよ?」
我ながら無茶振りなのは分かるわ。 まぁ、ホントに赤松君の代わりが欲しいわけじゃないから、見つからなくてもいいんだけどね。
「ハイ、それじゃ今日の放課後までにみつけよー」
「…………はぃ」
「返事が小さい! もう一度!」
「はいっ!」
「よくできました、それじゃさっさと探してこい」
最後に川口の尻を蹴り、彼氏探しを始めさせる。
さて、出来なかった時はどんな目にあわせてやろうかな〜。 せっかくだから三木と上田も呼んで、集団リンチがいいかなー。
私はウキウキで放課後の制裁を考えながらその場を去った……。
———
はっ! 私ったらまた夢を……。
いや、ここに堕ちる前の記憶だわ。
…………そういえば、そんな酷いこともしたよね。
あの時はただ楽しかって全然川口の事考えてなかったよね。
私……。
「悪い子だー!」
!?
誰かが私の後ろで。 この声は前にも聞いたことが……。
「はぁい、私はシークスなんだよーん♪ お姉ちゃんは前にも一緒に遊んだよね? 今回は何をして遊ぶんだよ?」
この小さな少女は、前に私を火達磨にした地獄副将シークス。
子供ならではの残虐さを持つ彼女の拷問は特にキツかった……。
どうしよう……このまま逃げちゃう?
いや、無理だろうなぁ。 こいつが居るってことは相方的存在のおじいちゃん、地獄将セブンスが居るよね……。
くっ、今回もこのまま一方的に嬲り殺しになるの……?
「はいはーい、そんな怖い顔しないんだよ? 大丈夫だよ、お姉ちゃんはそのままじっとしてていいんだよ?」
ピーッ!
顔面蒼白な私を他所に口笛を吹く。
このパターンは何かを召喚するやつ?
ん? なんか、脚の辺りがくすぐったいよいな……。
私は下をそっと見る。 するとそこには……。
「ギャァァァァァァァァ!!!」
人間の背丈程の長さをした細長いニョロニョロした蟲が!
「えっへっへー。 これは針金大蟲だよ? 地獄産のハリガネムシだね、あのカマキリに寄生する虫なんだよ?」
いやぁぁ、気持ち悪いぃぃ!
って、ちょっと待って? 寄生する虫ぃ? 待って待って待ってヤバイやつじゃん。
「さぁ、ハリちゃん! お姉ちゃんに取り憑いちゃってー!」
ニョロニョロニョロニョロ……。
「ひぃぃ、やだ……きもちわるぃよ。 離れてお願いぃぃ」
針金大蟲は私の脚に絡みつきそのまま上へ、スカートの中に潜り込んだ。
ニョロ……ゴソゴソ……ニョロロ……。
「あん、やめっ……ひぎゃっ!?」
スカートの中に潜り込んだ蟲は次に尻の穴を目指して這い回る。
下着で覆われた尻のどこに穴があるのか探っているようだ……。
その間、邪魔な下着を容赦なく噛みちぎり、下着と一緒に下腹部の肉まで噛まれる。
「あぐっ……ぐぁ、やめっ……痛いから……痛い、いだっ!?」
ついに尻の穴の位置を発見した蟲は狭く小さな穴にも限らず容赦なく突っ込んでいき、そして深くまで潜っていった……。
「いぎっ! あがぁ、ギャァァァァァァァァ! イタイイタイイタイイタイイタイイタイ!!!」
針金大蟲の全長が入りきるまで、実に一時間の間私は激痛のあまり地を転げ回った。
次回、ハリガネムシに寄生された状態からスタートします。