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音を立てないように細心の注意を払いつつ、三体のうちの一体の背後に回り込む。
地面にあった大きめの石を拾い、向かい側に遠投の要領で投擲し、注意を向ける。
素早く飛びだし一体の首を狙い居合切り、返す刀で2体目を袈裟斬りにする。素早く後ろに飛びのき、3体目から距離をとる。
自分の膂力と耐久力がいまいち掴めない現状、仕方がない措置である。
3体目が腰から粗悪なショートソードを引き抜きそのまま油断なく構える。
お互いの間に会話はない。無駄に口を開いて集中力を切らしたくないのだ。
3体目がジリジリと滲みよりつつ視線を麻袋の方へ向けた瞬間に駆け出し、突きを繰り出すもショートソードで払われ、狙いがそれ、かするだけにおわる。
ぱっ、と武器を手放し倒れ込むように前転、首を狙った斬撃を回避する。ゴブリンは舌打ちしつつも落ちている刀を遠くの方へ蹴飛ばした。もうこの戦闘では使えないだろう。
だが問題はあるまい。自分には各種武道の心得もある、そんな確信に基づきボクシングの構えをとる。
呼吸を整えつつ、飛び跳ねるような動きで近づき右ジャブ、鬱陶しげに切り払ったショートソードをしゃがんで回避し右アッパー。
脳天が揺れた所に左フックから右ストレートのコンボを決め、KOする。ゴブリンの近くに落ちているショートソードを拾い上げ、心臓があるであろう左胸に突き刺し、息を吐く。
なんとか勝てた。




