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〜STORY 73 5月19日 十 〜

「「いらっしゃいませ。ではこちらへどうぞ」」


店内に入り簡単な受付を済ませると中からそれぞれ黄色と白色のチャイナドレスを纏った女性従業員に連れられ店内を進んでいく

優希の横を璃玖はホクホクと満足気に進んでいく

その後ろをいまだに納得していない様に渋い顔を浮かべる飛香と不貞腐れ顔を使用人の小鳥遊にからかわれる晴菜と興味なさそうに持参した本を読む友梨が付いてくる


「滝川さんには申し訳ないから他の班と合流しても良いよ?」


と言う優希の意見に友梨は「監視だから」と冷たく言い放ちいまだに付いてきてくれる

今度何か埋め合わせしないといけないかなと優希は考えるがこのお堅い学級委員様にどんな事をすれば埋め合わせになるか皆目検討もつかなかった


「こちらが更衣室になります。それぞれの部屋にスタイリストが待機しておりますので何かお申し付けがありましたらそちらにどうぞ。ではごゆるりと…」


そう言って一礼すると店員達は奥へと下がっていった

流石写真館に勤める女性とあって美人でスタイルも抜群であった

先程案内してくれた黄色のチャイナドレスを纏ったアジア美人の店員の【リン】さんは漫画で見たことしかないくらい細いウエストに不釣り合いなほど大きくしかし張りのある胸が特徴だった


白色のチャイナドレスを纏った日本人従業員の【サヤ】さんは【リン】さん程胸は大きくないが優希よりも高い身長からなる長い脚にパン!と出てる大きなお尻がついつい観てしまう美しさを誇っていた


そんな綺麗な店員達の後ろ姿を優希はついつい見惚れてしまった

それに気づいた飛香は見惚れるなバカと言わんばかりに頬っぺたを抓るのだった


「見惚れるなバカ…【グニィ!】」


「あてててて!痛い痛い!!強く引っ張らないでよ!」


実際に言いながら抓る飛香に続いて晴菜ももう片側の頬っぺたを抓るのだった


「優希様の頬っぺたは以前口づけをした時以来ですわね…とても柔らかくて良い匂いがしますわぁ〜」


「ちょっと!あんたがなんでそんなにべったりくっついてんのよ!?」


抓るのを辞めたかと思うと晴菜はうっとりとした表情を浮かべながら頬を頬擦りするのだった

ジャンケンに負け続けてまるで優希とスキンシップが取れていなかった反動が来たのか時と場所をまるで考えずに優希の頬っぺたの感触を楽しんでいた


「いや、大体勝者の僕を差し置いて何しているのさ君たちは…ほら行くよ優希?」


「あっ、うん。それじゃあまた後でね?」


店員に案内された更衣室にはたくさんの衣装と数人の女性店員が待機していた

テーブルには普段見たことがない様な化粧道具やウィッグが沢山並んでいた


「うわぁ…なんか芸能人の人とかが使いそうな所だね。僕みたいな一般人が使うのがなんかおこがましいなぁ〜」


「大丈夫ですよ!寧ろ一般の方の方が使用する方が多いですから緊張する事はありません!もっとリラックスしてくださいね!」


「そうそう!こういうのは楽しんだもの勝ちだよ?」


隣ではすでにメイクが始まっている璃玖が不安になる優希の背中を押す

こういう優しさが優希をいつも救ってくれる

なのに何故会うたびに飛香と喧嘩腰になってしまうのか優希には理解できなかった


「それにしてもお客様肌綺麗ですね?普段からお手入れをなさってるんですか?」


「え?毎日顔を洗ってるくらいで特別な事は何もしてませんよ?」


「(可愛い顔に女の子以上に綺麗な肌とモチモチとしたこの肌触り……やりがいがあるわね!!)」


その瞬間優希は店員さんの眼がきらりと光った様に見えた

すると店員さんは他の店員の方に話すとさらに大量の化粧道具を持ってきた


「ありがとうございますお客様。私もこの仕事をして長いのですがこんなにも良い素材を持たれた方は初めてです。」


「は、はぁ……」


店員さんは目を瞑り深く深呼吸をして呼吸を落ち着かせると目を思い切り開いて手に持った化粧道具を武器の様に構えた


「それでは全力で行かさせて頂きます!!私の腕によりをかけてお客様を可愛く仕上げてみますわ!!」


「え?あの、僕一応男なんですけど……?」


「全力で仕上げて見せます!!」


「だから、その僕は男で……」


その後も優希は男だと主張したのだが店員は一心不乱に作業を施していった

ちなみに横では璃玖は早々にメイクが終わり衣装合わせをしていた

読んでいただき誠にありがとうございました!


もし良かったら高評価、ブックマーク頂けたら幸いです!


あと感想や作品についての意見など頂けたら作品力向上に繋がるので是非お願いします!!


では次回もお楽しみに!!

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