㉚ 12番目の男
「はじめまして。私はサン・ジェルマン伯爵と申します。」
彼はクルマから降りて、キチンとした形で、女王に挨拶した。
爬虫類族のウアジェト女王は、ちょうど現場監督が一段したところらしかった。
「サン・ジェルマン…すると、貴方が12番目のメンバーなのね?」
「ああ、他の11人のサン・ジェルマンズから、あらかじめ聞いていたのですね?」
「ええ、そろそろ現れる頃だと、思っていました。すると貴方が、ここの管理担当のニンゲンという訳なのね。」
「はい。どうやら、私のチームで担当する事になりそうです。」
「こんにちは…。」
伯爵の様子を見て、他の者もみんなクルマから降りて来た。
「…伯爵のパートナーの村田京子です。」
「伯爵の友人のカグヤ・イシュタルです。鳥族の末裔です。」
「…そのパートナーの成雪です。今はまだ、ニンゲンの事を勉強中です。」
「私も少しばかり、テレパシーを嗜むのですけれど…どうやら貴方たちに、ココの管理を任せても大丈夫そうね?みんな、心根が真っ直ぐな方ばかり。」
女王は満足そうだった。
「まだまだ精神的には、未熟な者も居ますが、そこは協力し合ってという事で…。」
伯爵もそんな風に答える。
「…えっ、ちょっと待って。ここの管理?聞いて無いわよ。」
京子が今更のように言った。
「前に管理役だった大蛇たちを、私たちの友人に当たる方たちが、始末してしまったので、お引き受けしようと…いけませんででしたか?」
シレッと言うサン・ジェルマン。
「まったくもう、少しは相談しなさいよね?コレでも私は、貴方のパートナーなのよ?」
と当然の憤慨ぶりの京子。
「ああ、申し訳ない。いずれキチンと説明した上で、参加希望者を募るつもりだったんですが。今、女王からネタバレをされてしまったので…ソレを否定する訳にも行かず…ねえ?」
と、皆を見回す伯爵。
「私は寿命300年だから、参加しても構わないわ。ねえ、成雪?」
と、カグヤは言う。
「僕もカグヤが一緒なら…この空間に興味も有るしね。」
と成雪も言った。
「私も不老不死だから、暇は有るわよ。ただし、必ず貴方も一緒にね?」
ヤレヤレといった感じの京子。
「まあ…そういう事です。多分、今ココに居ないメンバーも、賛成すると思いますので…定期的に交代制という形で、やらせていただきます。」
そう言って、サン・ジェルマンは、女王の方を振り返った。
「皆さん、ありがとう。助かるわ。またナチスみたいなヤツラが来たら、頼むわね?あの時は大蛇が居たから追い散らせたけど…もう全滅してしまったから。」
女王は少し寂しそうに言った。
こうして、サン・ジェルマンのチームの女性陣を中心に、この地下世界の守護に就く事になったのだが…その活躍についてはまた、別の話なのである。
以上で23巻はオシマイです。
続く24巻も、どうぞよろしくお願いします(>ω<)




