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2話「出発」
その日の朝食は、実にいつも通りだった。
使用人たちも特に2人に気を使っている様子もなく、
逆に不思議になり、ひょっとしたら
今朝のことも夢だったのではないかと思ってしまう。
しかし朝食が終わると、本当にすぐに出発のときが来た、が、
見送りも何もなく、実にあっさりとしていた。
姫が王宮から出るのだから、派手に騒ぎ立てても得はしないが。
「シェル、庶民服って飾り気はないけど、なかなか動きやすいのね」
「そうね。でも、なんかスースーしていて落ち着かないわ」
護衛なしで外を歩く、ということ自体
初めての2人は、森へ続く道を鼻歌交じりに歩いていた。
恐ろしい魔物が住み着いているような森でも、
昼間は青々とした葉や茂みがきれいな、すてきな場所だった。
きらきら輝く湖に、ゆらゆら揺れる花たち……。
どれも素晴らしく、双子姫はうっとりとしてしまった。
しかし夕方になると昼間のような輝きは消え失せ、
不気味さだけが増していった。
更新の間がかなり空いてしまってすみません。




