竹の子から新商品?
数日後。
「クルークお嬢!」
声をかけられた。
振り向くと、そこには調理人のリヒトがいた。
「どうしたの?」
「竹の子が来ましたけど」
「おー!」
来たか!待ってました!
私はすぐにリヒトのところへ向かう。
そこには、何本もの竹の子が置かれていた。
……というか。
「長い!」
普通に想像する竹の子より、かなり伸びている。もう竹になりかけているようにも見える。
「しかし……」
リヒトが竹の子を見ながら首を傾げる。
「こんなに伸びた竹の子というか……竹を、どうするんですか?」
「実験よ!」
私は胸を張る。
「手伝って!」
「はぁ……」
リヒトがいつものように、少し困った顔をする。まあ、そうなるよね。
四歳児から突然「実験を手伝って」と言われるんだから。
「まず、一センチくらいの幅で切って!」
「縦に?」
「そう!」
リヒトが包丁を入れていく。
ザクッ。ザクッ。
しばらくして。
「切りましたけど……」
細長い竹の子が、何本も並んでいる。
「これをアク抜きして茹でて!」
「はあ……」
また、その返事。
でも、ちゃんとやってくれる。
さすがリヒト。私は横でじっと作業を見守る。
◇
しばらくして。
「いいわね!」
茹で上がった竹の子を見る。
「アク抜きは出来ましたが……」
リヒトが不思議そうに私を見る。
「これを天日干しして乾かす!」
「分かりました!」
リヒトは竹の子を持って外へ向かう。
「干したら声かけますよ」
「お願い!」
私はその背中を見送る。
よし。第一段階は完了。
これで上手くいけば――長く伸びた竹の子にも、新しい使い道ができる。
今までなら、そのまま竹として使うか。
あるいは、特に気にせず処理していたかもしれない。
でも。
「使える物は、使い切らないとね」
私は干されていく竹の子を眺める。
パンパ領には竹が大量にある。
なら。竹そのものだけじゃなく。
竹になる前の物まで利用できれば――
新しい産業になるかもしれない。
「ふふふ……」
また一つ。
パンパ領の商品が増えるかもしれない。
私は期待しながら、乾燥していく竹の子を見つめていた。




