ポテチ戦争
短い掌編です
くだらない日常
「やっぱポテチはうすしおだよね~」
絶好の行楽日和な初秋の日、私達は少し遠出をして、湖畔のある森林公園へ出かけることにした。その前にコンビニに寄ってお菓子を買い込むことになり、当然の事スナックコーナーに移動したら、海藤が即座に私の手にした「うすしお」を「コンソメ」に変えてしまった。
「ばかじゃねーの。コンソメ一択だろ」
「えー!?何その一択!!普通はうすしおだよ、定番は」
「お前の定番アテにならねーからなぁ」
「そうかな、みんなうすしおだよ、絶対!女の子は!」
なんだか行く前から不毛な争いになって来た。
「大体女はアレだろ?味より、食った後にニオイが強いもんはヤダとか言う理由だろ」
「うっ」
「図星かよ、つくづくつまんねー女だな」
「なによぅ……」
た、確かにそれはあるんだよね、コンソメって、美味しいけど食べた後のこと気にしちゃって……。
「美味いもん食いてーのにつまんない事気にする必要ないだろ。定番から外れてみろ、たまには」
「うーん一理ある。……じゃあフレンチサラダ味!」
「なにそのオシャレ味。バカ?」
「バカじゃないって!じゃあ醤油バター!」
「及第点」
もはや何の会話なのか分からなくなってきた……。
それを、通りがかったコンビニの店員さんが見ていたらしく、クスクス笑われてしまった。
2人して気づいて気まずくなったので、とりあえず選んだものは全部買うことにした。
当分ポテチは買わずに済むだろう。
「ちなみにんまい棒は明太子だろうな?」
名残惜しそうに買った袋を見ながら海藤が言うので、
「それは明太子」
と即答しておいた。
そこはなんでだよ!と突っ込む海藤を笑っていなして、私はパリっとうすしおのポテチに舌鼓を打ったのだった。
ポテチ戦争・了
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