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第1章 なぜ勇者より無職の俺が色々と格上なのか? 第8話 格上の相手

 この世界の魔物の中には神級という神の使い魔として存在する魔物がいる。それらを神獣と呼ぶ。彼らは規格外の強さ故に神獣どうしは互いに干渉せず、またどこに生息するのかも知らないほどの伝説的な存在であった。しかし、テンリの目の前にいるオオカミは誰がどう見ても白狼。いわゆる5核の神獣のうちの1核である。


「あ、あれが白狼なのか!?」


 俺はレオンに神獣のことはだいたい教わった。レオン自体神獣には1度も会ったことがないらしい。でも、神獣の強さは自分とほぼ同格だとレオンは言っていた。レオンには勝ったとは言えないと俺は思う。でも、今回は絶対に勝たなきゃいけない。そうしないと多くの犠牲者が出る。腕が完全に使えない。なら足だ!


 白狼は雄たけびとともにテンリのもとに走ってきた。他の人の目には瞬間移動。しかし、テンリは別格だ。それでも、攻撃をギリギリで避けれるくらいだ。


 白狼は素早さに特化しているタイプだな。俺の視覚を使っても早くて避けるのもギリギリだ...。攻撃をしたくてもできないぞ。テンリが反撃の一手を考えているそのとき、


「た、、、、すけ、、、、、、て、、、」


 確かにテンリの聴覚はその言葉をキャッチした。紛れもない白狼の声だ。どういうことだ? 疑問に思うことはなぜ神獣はここを襲ってきたのかっていうことだ。神獣は伝説的な存在であり、そんな存在のものがこんな場所に易々と出てくるものなのか? ま。まさか!!


 俺は推測だがその旨をコク・ハクに伝えた。すると、コク・ハクも同じことを考えていたらしい。俺は城壁から遠ざけるように、魔波が起こった場所へと急行した。もちろん白狼は俺の後をついてきている。コク・ハクには引き続き残った魔物を城壁に寄せ付けないように守ってもらった。


 やがて、魔波が発生したであろう森の中につくと、1人の男が居た。


「やはり、あんたが魔物を操っていたんだな」


「ご名答だね! 少年」


「なぜこんなことした?」


 スーツを着た男は二コって笑い、


「邪神様の復活のための生贄ってところかな?」


「邪神様?」


「あぁ、少年はわからない人間か...。君、異世界から来た人間だね?」


 なぜ、俺が異世界から来たってことがわかったんだ? ま、まさか!!


「お、お、お前もなのか?」


「大正解! まさかこの世界にもう1人呼ばれていたとはね...。創造神は手が早いこと」


 もう、訳がわからない。創造神ってまず誰だよ!? 


「いやぁー、しかーし少年がいることは、計算外でしたわー」


「悪かったな、好き勝手にはさせるつもりはないぞ?」


 俺はスーツの男との距離を詰め、【剛点】を放つつもりでいた。でも、一瞬の出来事に俺はなにが起きたのかわからなかった。そう、俺は両腕をなくしていたのだ。視覚も聴覚も最大限に活用した。でも、何が起きたのかが理解できない。スーツの男は薄っすらと笑っていた。


「て、てめぇ、、は.. .。なに、、ものだ?」


「僕かい? 僕の名前はシン。8柱のトップであり、邪神様復活のために動く人物だよ」


「8柱?」


 俺は痛覚を遮断することによってまともに会話が出来るようになった。


「8柱。それは、君らで言う勇者みたいなものだよ。でもね、勇者と比べ物にならないくらいこっちのほうが強いよ?」


 嘘ではないだろう。現時点で俺はこいつに手も足も出ないと確信できる。こいつと肩を並べるやつがあと7人もいるってことだ。確実に負ける。この世界が終ってしまう。


「僕は今回少年を殺さないでおくよ。少年みたいな強者がいなくなるのはつまらないし」


「おい、待て! 白狼の呪いを解け」


「まさか、少年は分かったのかい!?」


 シンは驚いていた。当然、テンリの能力など知らない。しかし、この呪いに気づけた奴は8柱の中でも、たった1人だったのだ。それを気づいていたことはシンには予想が出来ていなかった。


「し、少年の能力はなんなんだい...?」


「教えるわけないだろう」


「はははははは、それはそうか。呪いは解かないよ」


「おい、てめぇ!!!」


「でも、呪いの解き方なら教えてあげるよ」


「解き方?」


「それはねーーーーーー」


 シンは白狼にかかった呪いの解き方を説明した。シンプルに倒せばいいんだけど、体全体に衝撃が加わらないとダメらしい。例えば、地面にたたきつけるなどをすれば、呪いは衝撃によって行き場をなくし消滅するようになっているらしい。それを伝えると、シンは帰った。


 帰ると同時にお座りしていた、白狼が急に動き出し始めた。俺は再び両腕のない体で城壁に向かって白狼の攻撃をかわしながら走った。


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