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アルヴィンの鑑定魔法

相変わらず思い付きで書いています

 エセルと他愛もない話をしながら、彼女の魔力の多さに驚くことが多い。洗濯魔法も時短魔法も魔力がかなり必要だと思われるのだが、どれだけ仕事を多くしても彼女は苦も無くあっさりと終わらせる。


 そこで唐突に思い出した言葉、前にエレンは確か魔力が基準値すれすれだったとか言ってなかったかと。本来であれば、膨大な魔力を持っていたはずの少女がいたはず。何かが頭の中でつながった気がした。エレン=エセルの構図が閃いたのだ。まさかと思いながらも彼女の顔を探るように見る。彼の知っている情報のエセルとエレンではまるっきりの別人だ。何かもっと簡単に調べる方法があればと思っていたら、急にアルヴィンの頭の中にぴろろ~~んと音が鳴る。


 うん?と思ったら唐突に、目の前のエレンの情報が見えた。鑑定魔法を取得しましたと頭の中で響く。その言葉にぎょっとしてアルヴィンは身体を強張らせた。伝説の鑑定魔法を自分が覚えるとは夢にも思っていなかった。鑑定魔法は異世界からの渡り人(異世界トリップした人をこの世界ではこう呼ぶ)が持つ魔法とされる。その子孫にも使える者がいると聞いたが、そんなに数多くいるわけではない。


 もともと彼の母である王妃の出身国ディフェイン王国は渡り人が興した国である。渡り人が女性だったためにその血筋を守るために他国と違いずっと女王が治める国としても有名だ。その血筋から言えば、アルヴィンが覚えてもおかしくはないのだが、こんな場面で急に覚えられるとは思っていなかったのだ。


 しかも目の前のエレンの情報がやはりアビントン公爵令嬢エセルであることを示していた。アルヴィンは戸惑っていた。目が泳ぎまくり、頭の中にいろいろなことが浮かんでは消える。こんなに簡単にエレンの素性を知ることができたとはと脱力感満載であるが、また鑑定魔法は恐ろしい情報をも彼にもたらす。





名前 エセル・ヴィヴィアン・アビントン(自称エレン)


年齢 十一歳


体力 20(ただし、魔法を使うと∞)


魔力 100(ただし、本人の希望により改竄中、本来は∞)


攻撃力 30(ただし、魔法を使うと∞)


防護力 50(ただし、魔法を使うと∞)


魔法 生活魔法レベルMAX

   料理魔法レベルMAX

   空間魔法レベルMAX

   探索魔法レベル2

   時短魔法レベル3

   結界魔法レベル2

   防御魔法レベル1

   強化魔法レベル1

   洗濯魔法レベル5

   浄化魔法レベル1

   裁縫魔法レベルMAX

   複写魔法レベル8

   治癒魔法レベル2


魔法属性 全属性(生活魔法を極めたために無属性から全属性持ちに変わる)

   

称号 異世界からの転生者 一応聖女になる予定(ただし、取り扱いを間違うと破壊神になる) 


注意事項 取扱注意

     怒らせると怖い邪神並みの力で世界を破滅に導く可能性あり

     この世界のゆがみを正す者

     創造神と慈愛の女神の加護有り





 サアアッと血が引く思いがした。口をパクパクと金魚みたいにする。胸で浅い呼吸を繰り返す。くらっと眩暈がした。あまりの情報にアルヴィンの脳は思考停止し、心臓は勢いよくドキドキと動き出したために、彼は呼吸困難気味になったのだと突っ込みたい。


 何これ何の情報だと疑いたくなるが、何度も鑑定をしても変わらない。魔法を使うと∞という但し書きがついているのがおかしいし、魔力にいたっては通常が∞で本人の希望により改竄中って一体何でそんなことができるのだ。つまり、魔力検査値の最低基準値すれすれは偽装したということになる。


 さらに興味深いことが全属性持ちということだ。生活魔法を極めると全属性持ちになるとは誰もが知らない事実である。いや、いや、生活魔法をレベルMAXに極めた人間は今までいたのだろうかとそこも疑問になる。そもそも生活魔法をレベルMAXに極めるなどあり得ない。なぜなら生活魔法である。適度に使えたらそれで問題がなく、レベルMAXまで生活魔法を使いこなせる人間などいるのであろうか?レベルMAXにならずとも確かレベル5当たりで生活魔法の上位レベルに当たる料理魔法を覚えると料理人が言っていた。なので、生活魔法をレベルMAXに極めた人間はいないだろう。


 いやそれよりも上位魔法の料理魔法や裁縫魔法までレベルMAXでさらにおかしいレベルの魔法がどんどん追加されている気がする。料理魔法をレベル5まで極めるとさらに上位魔法の空間魔法が使えると冒険者に聞いたことがあるが、それもレベルMAXでさらに探索魔法に時短魔法って、いったい何の冗談かと思う。探索魔法や時短魔法は風属性の最上級レベルで覚える魔法だ。複写魔法などというのは聞いたことがない。


 まあ、ここまではまだいい方だと思おう。


 異世界からの転生者というのもアルヴィンの祖先も異世界からの渡り人なので問題はない。


 一応聖女(取り扱いを間違うと破壊神)などというふざけた称号もとりあえずみなかったことにしたい。


 特に最後にある注意事項というのが怖い。


 怒らせると怖い邪神並みの力で世界を破滅に導く可能性ありって何の冗談だ?


 世界を破滅に導かれたら困る。


 とにかく怒らせないようにしようと心に深く刻み込んだ。




 エレンとは従妹同士のはずだが、父親の愚王とエレンの両親の過去にあれやこれやがあり、アルヴィンはエレンの家族とは疎遠となっている。まあ、政略結婚で嫁いできた母親と愚王の間にもあれやこれやがあり、父親とも疎遠である。もちろん、彼の異母兄弟姉妹とその母親たちからはずっと命を狙われており、もちろん疎遠である。つまり、アルヴィンは孤独だった。


 そもそも生まれる前から母親ともども命を狙われており、母親が故国から連れてきた影たちが唯一信頼できる者という最悪な環境で育ってきた。なので、今、鑑定魔法を覚えたことは僥倖と言えよう。


 できれば、彼女をうまく手のうちに入れることができればと彼は思う。


 もう一度魔法を見ていて気が付いた。彼女は攻撃魔法を覚えていない。覚えているのはたぶん生活に便利な魔法ばかりなのだろうと。まだ、間に合うのだろう。彼女を聖女にするか破壊神にするかはたぶん、アルヴィンにかかっている気がするのだ。そのための鑑定魔法なのだとそう確信した。

文章がおかしいところがあるかもしれません。いつもつたない文章を読んで下さいましてありがとうございます。

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