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第四話 可能力

「さぁ、かかってこいよ」

 バミはどこからともなく現れた大きい鎌を持ってジャキンと俺に構える。

友希ゆきくん、私がアシストしてあげよう。」

 そう言っていつの間にか俺の隣に居る水菜さん。

 なんだなんだ、チュートリアル始まったんだが。

「キミがボクの力を使う資格があるか調べてやるんだよっ!」

「は、はぁっ!?」

 一言吐き捨ててバミは俺に切りかかってきた。

「バミの力って、どうやって使うんだよ!」

「友希くん、バミの力は『武器の生成』。武器を思い浮かべるんだよ、どんな武器だい?」

「に、日本刀…とか?」

「名前はどうする?」

「え?と、友少幸友ともしょうゆきとも

「お前の名前ではない!刀に名前をつけろ!」

 あ、そっちね

「じゃ、じゃあ…『雪融刀ゆきどけとう』!」

 そう叫ぶと、俺の腰にスルリと刀が現れた。

「おぉっ!かっこいい!」

「さあ、その刀と能力を使って応戦するんだ!」

 俺は刀を鞘から抜き、能力を使おうとするが、

「…」

「どうした?友希くん」

「…能力って、どう使うの…?」

「そこからかい!?」

「ぐっ、あっぶね」

 バミの攻撃を避けるだけで精一杯だ。身体能力は自身があるが、これは流石にキツイな。

 するとバミがなにかとなえ始めた。

「黒より黒くやみより暗き漆黒しっこくの、地獄の業火よ、燃えろ、燃えろ、我に力を貸したまえ!ソメイヨシノ、バージョンせかんど!」

 するとバミの鎌から炎が飛び出て、俺を襲う。

「あちち、なんだそれ!」

「友希くんよ、キミもやってみたまえ。あいつを模倣もほうしてみろ。」

 よーし、いっちょ見様見真似みようみまねでやってみるか!

「時空を超え、空間を超え、その彼方に位置するは幸福!祝福今こそ我に力を!雪融刀、バージョンせかんど!おりゃあ!」

 俺が呪文とともに目をつぶって刀を振るうと、黒く光る斬撃が。

 それに合わせてズビュン、といった鈍い音。

 何かに当たった…?俺がそう思い目を開けると…そこには血を流したバミが立っていた。

「ふぁ…ふぇ?」

 人が多量の血を流すのは初めて見る。そしてその犯人となるのも初めてだ。

 腰の抜けた俺をクッククとバミが笑う。

「安心しろ、そう簡単に初心者に殺されてたまるか」

 その瞬間、バミの傷跡は塞がった。

「ふ、まぁいいんじゃないか?」

 水菜さんはそう言って俺の頭をポンポンしてくれた。


 ――よし、幸友の可能力かのうりょくが解放された。

 可能力は能力の上位互換のようなものだ。能力は誰にでも潜在せんざいしている。しかし可能力は全員使えるわけじゃない。これであの事件への対処も多少楽になったろ。

「幸友、もう外の世界では六時半だぞ。」

「そうか。もうそろそろ起きなきゃな。」

「幸友、起きたらキミの可能力を見るといい。次あった時使い方を教えてあげよう。」

「ありがとな。」

 そう言った幸友をボクは目覚めさせる。

「またね。幸友。」

「…なぁバミ。あいつのステータス高くないか?」

「あぁ、ありゃ神にも匹敵するぞ」

 能力を使用する際に必要な霊力は平均の二七倍。

 魔法を使う際に必要な魔力は平均の一九倍。

 フィジカルは平均の五倍。

 体力は平均の三倍。

 挙句の果てには、可能力は…

 『何でも可能にする可能力』。

 まぁ、可能力の解放条件が『神を傷つける』なんてとんでもない条件だから…


「私の能力に似ているが…なにか違うのだろうか。」

 水菜の能力は『どんなことでもできる能力』。

「何でも可能にする、のとどんなことでもできる、のじゃあ全く違うさ。」

「そうか…まぁ明日聞けばよいか。」


「うーん…むにゃむにゃ」

「うぉらっしゃあぁい!」

 シグ姉は俺のベッドに飛び乗ってくる

「いっでぇ!何すんだこのバカ姉貴!」

「アホ友よ、もう七時だぞ。」

 次その呼び名で呼んだら殺す

 ま、いっか。飯食べよ。


「うまい!もう一杯!」

 シグ姉、カフェやってるから無駄に飯うまいんだよな。

 ピンポーン…

 俺の優雅な朝飯を邪魔するインターホンが鳴る。それにサメが出る。

「はーい、友少です…って、おさなさん!え?お兄ちゃんを?」

 やっべー、完全に忘れてた。

「あはは…」

「はやく行けー」

「いってきまぁす!」

 俺は急いで家を出た。

「もう、幸友、おーそーいー!」

 そこで待っていたのはほっぺを膨らませ口をとがらせる幼が待っていた。

「ごめんごめん」

 そうして俺達は学校へと歩いていくのであった。


 とんで昼休み。

 俺は屋上で夢の中で言われたことをしてみる

 そう。ステータスを見てみるのだ。

「可能力可能力っとー…

 『何でも可能にする可能力』…?おい、なんか強そうじゃん!」

 その時、屋上と校舎内をへだてる扉から、見知らぬ三人が出てきた。

「いや、やめて!」「うるせぇ!黙ってろ!」「おい、兄貴、なんかいますよ」

 まさか、これはいじめか?

「そこの人、助けて!」「やめろっ!おい、あいつも抑えろ!」「分かりました!」

 そう言って俺に飛びかかって来る下っ端らしき者。

「何でも可能って、何でもできるってことか?」

 なら、簡単に助けることもできる。いつもなら殴ってやるけど、幼に怒られたくないからなぁ…

「覚悟ぉー!」

「…可能力よ、発動しろ。時よ、止まれっ!」

「何言っt」

 周りの音が止まる。色も消えている。飛んでる鳥は宙で停止し、下で走っている車も止まって、あたりは真っ暗だ。

「なんだこれ?時は止まったみたいだけど…ぼんやりとしか周りが見えないな…」

 ほんとに止まったってか!?おいまじかよ…

「可能力、発動。周りが見えるように!」

 反響しない俺の声が消えるとともに、には白黒の世界が明るくはっきりと映る。

「今なら、俺がやったってバレないな。」

 俺はこっちに向かってくるやつを殴り…はせずに、主犯の所持しているひもをひったくり、襲いかかってきたやつと主犯をしばってやった。

 しかし、紐って言ってもタコヒモだ。千切られるのも時間の問題だろう。そのため、いじめられっ子を連れて屋上から出て、カギをかける。今ここには誰もいないから、バレる心配もない。

 俺は颯爽さっそうとその場から立ち去った。

「時よ、動け!」

 俺がそうとなえた途端、世界に色が戻り、音も聞こえだす。

「本当に能力使えるようになってる…!」


 しかしまだ、懸念点はある。

 そう、あの事件についてだ。

「どうしたものか…」

「幸友、どうしたの?」

 夢が本当なのだとしたら、次の三連休でここ静岡から出ていくしか無い。どうしたら良い…あ、そうだ!

「この三連休東京行こう!」

 俺は幼の方を見て唐突に言う。

 そんな俺を見て幼は素頓狂すっとんきょうな顔をしている。しかし三秒ほど経って、

「え!?何、急に!」

「幼も一緒に!東京旅行行こ!」

「と、東京?明日?親がいいって言ったら良いけど…」

「聞いておいて!なんなら親も連れてこい!」

「あ、わ、分かった」

 俺はそれを言ってバン!と椅子から立つ。

 そしてカバンを掴んで教室から勢いよく出ていく。

「友希ちゃーん!どこ行くの!」

「調子悪いから帰る!」

 そう言って俺は家へと直行する。


 俺は今、自室で考え込んでいる。

 東京に行くのは良いが、行った後どうするんだってのがある。

「火山大噴火…それと能力はなんの関係があるんだよ。」

 俺がそんな事を考えていると、後ろから物音が。それに気づき振り向くと、

「ん〜、痛ぁい〜、まったく、乱暴なんだから」

「は。お前誰」

 そこに座っていたのは、桃色の髪をたなびかせた、中学生ほどの女が立っていた。

 それくらいじゃあまり驚かない。サメの友達かもしれないから。だがこの女が放った言葉に俺はひどく驚愕きょうがくした。

「あ!お父さん!良かった〜、知ってる人がいて。」

「オトウサン?」

 昨日から性転換するし、神とやらに出会うし、能力とやらに目覚めてしまうし、挙句の果てには俺を父親と呼ぶ女が部屋に突然現れるなんて。勘弁してくれ。まったく。

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