第二十四話 落ちた先は洞窟
「どうしてこうなった」
「ふむ、それは不思議だな」
二連続ともいえる。不幸だな。
「ふむ、しかし不運だな。洞窟に閉じ込められるとは……」
現状報告、中宮会長と洞窟で出口なしで閉じ込められて迷子以上。とりあえずなぜこうなったかもう一度思い起こしてみよう。
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森に入った後しばらく何かないか探していたときのことだ。
「何もないね~」
莉子が言う。そう何かあっても困るな。曰くつきの島だったらヤバイだろうが栗原に限って…………ありそうだ。
「まあ、ただの森だからな」
「つまんない~。巨大怪獣の子供を期待してたのに~」
「そう言うな莉子。本当に出て来たらどうする気だ」
「保健所に任せる」
「妙な所で現実的!!」
まあ、本当に出て来たら保健所じゃ無理と思う。たぶん自衛隊とか米軍の管轄だと思う。
「私の期待したものも出て来ないですね」
「木山お前は何を期待してるんだよ」
「金髪碧眼野生ロリっ娘!!」
ああ、そう言えば昨日そんなこと言ってたような。てかあれ冗談じゃなく本気だったのかよ。
「私は何時も本気です」
「その無駄な本気度を別な所で使ってくれ」
もっといいところでその本気を使ってくれここで使うものじゃない。絶対に。
「期待はずれだぜ」
三上はどうせろくでもないだろうな。だから聞かないでおこい。
「いやいや! 聞けよ!!」
「どうせ美人だろ」
「違う!」
じゃあ、何なんだよ。
「アマゾネスだ!!」
「違わねえよ!!」
変わんないよそんなに。どっちも女だし。
「野生と文明の違いもわからんか!!」
「……」
三上が熱く語っている。正直どうでもいい。
「そもそもコスプレエロとはコスプレしているのが前提であって全部脱がしたらそれは違うのだ!!」
話が変わってるぞ。てか、そんなこと誰も聞きたくないよ。と言うよりどこかで聞いたことがあるぞ。
「さて変態は放って置いて」
「放っとかないで!!」
無視だ、無視。
「このあたりだったはず」
「なにがあるんだ栗原」
「ん? いや、なんでもないよ。そろそろだと思っただけさ」
「なにがだよ」
何か企んでるのか? 栗原のことだからありえる。
「お楽しみお楽しみ」
そのお楽しみが物凄く怖いんだが。また、昨日みたいなことになっても困るし。あれは完全な事故だけど。
「ふむ……」
「どうしたんですか中宮会長」
中宮会長がなにやら地面を調べていた。
「いやな、この島の地下に何かありそうだ」
「え? というか地下なんてあったんですか?」
「そうみたいだな」
栗原に聞いてみよう。
「さあ、僕は知らないね。別荘建てただけだしそれからずっとほっぽってたし。管理はしてたけど」
それはどうなんだよ。もったいなくないか。こういうのが経済の不況につながるのかね。わかんないけど。
「師匠師匠!!」
「どうした沢村!」
「こんなの見つけました!!」
沢村が持っていたのは巨大なニシキヘビ。ってこんなところになんでいるんだよ!
「って、危ない!!」
「大丈夫ですよ~、こいつ人懐っこいんで」
いや、そうじゃない。そういう問題じゃない。問題なのは女の子がそんな蛇を持ってよろこんでいるといことだ。普通の反応は嫌がるだろ。なのに抱きかかえてるよ。
「よし、沢村、それはわかっただがとりあえずは野生に返してあげよう。そっちの方は幸せだ」
「そうですね。師匠が言うのなら」
沢村がニシキヘビを離す。すぐにニシキヘビは茂みの中に入っていった。
「また、遊ぼうな~!!」
「…………さて、沢村」
「はい、何でしょう師匠!!」
「僕はお前に強制するわけではないがそういうことは人前ではやめておけ」
「そういうこと?」
「蛇とかを素手で捕まえるとか抱きかかえるとか」
「なんでです?」
なんでって……そういわれてもな。答えようがなくないか? さて、なんて答えよう。
「あまり女の子らしくないから」
「そ、そうですか?」
「うん、普通蛇とか怖がる」
「え、じゃああれは?」
沢村が指した方を見ると莉子が蛇と戯れていた。
「あれは気にするな」
「? 師匠が言うなら」
幼馴染が蛇と戯れている姿なんか見たくなかったよ。やはり莉子は普通じゃないな。
「本当に普通じゃないわね」
「お前が普通の感覚で助かったよ佐藤」
「アンタも十分普通じゃないと思うけどね」
まあ、気合いで強化ガラス砕いたりするからな。少し普通から外れてる程度だと僕は自覚している。
「あと、鈍感さね」
「僕が鈍感?」
そんなわけないと思うけど。
「ええ、十分鈍感と思うわよ」
「そうか?」
「ええそうよ」
佐藤が言うからには僕は鈍感らしい。そういえば莉子にも言われた気がするな。いつだったか忘れたけど。そんなに僕は鈍感かな?
「気づけない時点で相当な鈍感よ」
「そういうわないでくれ以外にぐさってくる」
結構心に響くんだよ。うん。
「それなら何とかしなさい」
「なんとかなればいいだけどな」
切実にそう願う。
「ん? これは…………」
中宮会長が何かを見つけたようだ。
「何か見つけたんですか?」
「…………いや、見間違いだったようだ」
「そうですか」
「ああ、すまない」
そこから離れようとした瞬間地面が崩れた。
「な!?」
中宮会長が落ちる!! そう思った瞬間僕は飛び込んでいた。そして中宮会長に抱きつき衝撃を与えないように背中から僕は落ちた。そこで意識を失った。失う前に思ったことはこれで二度目だなということだった。
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「…………きろ」
「うぅ」
「……おきろ」
声が聞こえる。そして徐々に体に感覚が戻ってきた。何かが僕の上に乗っている。
「起きろ狩野」
「うぅ」
目をあける。…………ちょっと待とうか。どうしてこんなことになっている。
「ん? どうした?」
「い、いえ」
どうしてあなたは僕のマウントを取っているんでしょうか。そう聞いてみると。
「ふむ、何もしなくても着地はできたのだがな、その前に君に抱きとめられてここまで落ちてきた」
ああ、つまり僕は余計なことをしたということですね~。
「誰かに助けられるとははじめてのことでな。少しこの感覚を味わってみたかったからこの状態でいた。
「さいですか」
まあ、とりあえずはっきりしているというのは洞窟の中ということだけである。




