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目が覚めた。

大きく伸びをしてダンジョンの中の1日を始める。

(取りあえあず、罠をしっかり仕掛けとかないとな。)

これからやることを頭の中で思い浮かべて立ち上がる。

前の仮拠点(水たまりの拠点)の時にも使っていた様々な罠達をせっせと仕掛けていく。

残念ながら、前の拠点のように細い道などがないためあの罠の道のようなものは作れなかった。


昨日は疲れていてよく観察ができていなかった湖を今日は調べてみようと思う。

この湖は向こう岸が見えないほど奥に続いている。広さは多分とても広いのだろう。

湖の周りをゆっくり歩きながら俺は湖を見つめる。


そしたら、気づいたことがある。

それは、湖の端、仮拠点(2)の壁のところにギリギリ人ひとりが歩けるぐらいの広さの道があった。

俺は最低限の荷物(短剣、スライム液、ゴブリンの血)を持って早速その道を歩き始めた。

ぐるっとその道は湖の三分の一程続いていた。そのあとからは道が湖の水に浸かっていた。

残念ながら向こう岸は見えそうになかった。

思っていたよりもこの湖はでかいのかもしれない。少し湖の向こう岸が見えないことを残念に思った。

回れ右をして俺は通ってきた道を戻り始めた。


俺は仮拠点(2)に帰ってきた。

カバンの中から俺は朝ごはんであるゴブリンの肉を取り出した。

この肉を見てふと最近はあることをよく思う。

あのくそみたいな町にいた時から生肉は結構食べてはいたが流石にこれほどの期間、生肉は食べたことはなかった。

だからか、妙に焼いた肉が食いたい。

火はどうやったらこの石しかない洞窟でつくのだろうか。

せめて木でもあれば…

心の中で残念に思いながらゴブリンの生肉を食していく。


「ウワァっ!」


あからさまに魔物ではない声がした。

他に一階層にいる冒険者か?

だが、ダンジョンの中ではあまり人に合わないようになっているらしいが、珍しいこともあるらしい。

声がした仮拠点(2)の外の道に出てみる。


なんとなく分かってはいたが俺が設置した罠に2人だけのパーティーの1人の冒険者が引っかかったらしい。

あぁ、可哀想に… 罠を見破れなくて。 確認してもう興味を失った。

所詮は他人事だ。そう思って、さっさと仮拠点(2)に戻ろうとした。


「ちょっ、そこの君ちょっと助けて!」


あぁー、見つかってしまった。

罠は見破れないのになんで俺は見つけられるんだよ。

だが恩も借りもない人達だどうでもいいので声には振り向かず仮拠点(2)に帰ろっと。


「えっ! ちょっとそこの君! ねぇ聞こえてるのなら助けてよ。ねーえ!」


うるさいな。


「聞こえてるんでしょ?ねぇそうなんでしょ?なら、助けてよ。いいじゃん減るもんもないんだし。」

「ハァー」


相手にも聞こえるように少し大きめにため息をついた。


「えっ、ひど。僕泣くよ。ギャン泣きするよ?」


うるさい上に迷惑な大人か。

何一ついいところがないではないか。


「ウィペラ。相手が嫌がっているのでは?」


迷惑な大人もといいウィペラの後ろにひっそりと立っているウィペラの相方であろう女の人が口を開いた。


「そんなの分かってるよー。ティシアー。でもこの罠、君も僕も解けないじゃないか。」


涙声でウィペラが答える。


「確かに私では解けませんでしたけど…。」


2人してじっと俺を見つめてくる。

背中が痛い。

確かに罠を設置したのは俺だが……


「はぁーー。」


長めのため息をついて2人の冒険者のもとに向かう。

そして、さっと罠を解いて素早く回れ右をして颯爽と仮拠点(2)に向かう。

これで一応は俺が作って設置した罠に掛かった人への礼儀は尽くした。


「おぉ〜解けた!ありがっ、え? ちょっと待っ!」


どて。

ウィペラは颯爽と仮拠点(2)に向う俺を追いかけてたくさんあるうちのひとつの罠にまた掛かったらしい。

本日二回目のウィペラが引っかかった罠は相手を転けさせてその下にある鋭い石(俺が丹精込めて凶器と言ってもいい程に研いだ石)にぐっさりと体が突き刺さる罠だった。

一応冒険者をやっているだけあるその身体能力でなんとか鋭い石を避けて不恰好に床に転がっていた。


「罠多すぎない?」

「ちなみに、あと右に少しズレていてくれたら頭上から少し小さい剣が降って来るよ。」


振り返らずに一応注意をしておいた。

そして、小さい剣はもちろんあの初めの食糧が持っていたものだ。


「ウィペラ。大丈夫か?」


ティシアーが心配そうな顔で尋ねた。


「あぁ、なんとか? 死にかけているけど…」


なぜかこちらに非があるように聞こえる。

勝手に罠に引っかかって死にかけたのはそっちなのに…

ついでに罠の数を二つも減らしていい迷惑なのに。


「助けて…」


ウィペラがうるうるな目でこちらを見てくる。

胸の辺りがむずむずしてきた。

大の大人が子供に助けを求めるなよ…


「回れ右して別の道を探せば?」


捨て台詞? もといい最後の忠告をして俺は仮拠点(2)に完全に帰っていった。

今日は仮拠点(2)で罠でも作ろう。ついでに、この湖の水で色々な実験もしとこう。


それから黙々と俺は作業した。

作業している間に悲惨な悲鳴が男女どちらともの声から聞こえてくるのを見事にスルーしながら。

罠の補充を少し多めに作っていた。


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