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アラノイアス オンライン④

ナナの手紙について4人で語った

ナナ「ゴが私のことを好きだったの? そうだったの、それはゴメンねぇ」


ゴ「う、うん。 ま、まぁねぇ」


サン「いやいや、それはなんだか切ない話だねぇ」


イチ「ナナがゴ兄ぃを好きだってことを、まさか隣りの席に座っているゴが知らなかったとはねぇ」


ナナ「でもねイチ、正確にはゴのお兄さんの音楽が好きだったの。 ゴのお兄さんの歌はなんか色気があって、超カッコいいんだよねぇ」


イチ「いやいや、ルックスでもゴ兄ぃはカッコいいよ。 このあたいも子供の時は好きだったなぁ」


サン「あぁあ、兄弟なのに何でこうも違うのかね」


ゴ「サン、それ以上言わないで。 恥ずかしいながら兄貴には昔から敵わないのは自分でも分かっている」


イチ「ちょっとあんたぁ。 ちゃんとゴ兄ぃにナナの手紙を渡したんでしょうね?」


ゴ「渡したよ。 ちゃんとその日に」


ナナ「で? お兄さんは何て言ってた?」


ゴ「うん、やっぱり兄貴も寂しがってたよ。 そういえば先月、兄貴はナナの歌を作っていたなぁ」


ナナ「私の歌? 本当に?」


サン「ナナの歌って、ゴのお兄さんってスゲェな」


イチ「さすがぁ、ゴ兄ぃ!」


ゴ「兄貴は岡山でもバンドやってるから、今度のライブの時にそのナナの歌を歌うらしいよ」


ナナ「キャーうれしい! ナナの歌だって!」


サン「ゴの兄さん、そりゃモテるわな」


イチ「まったく誰かさんとは大違い」


ゴ「誰かさんって誰だよ!」


サン「しかしナナは普段大人そうに見えて、意外とハードロックが好きなんだよなぁ」


イチ「そうそう。 いつも教室で1人でロックを聞いてたから、誰もナナに近寄れなかったのよ」


ナナ「フフフ、実はハードロックを聞いていつもテンションを上げていたの。 私の1番好きなバンドは『レッド・ツェッペリン』なんだぁ」


サン「そのバンドって70年代のバンドだろ? ナナ、それはシブいよ」


ナナ「へへへ、特に『天国への階段』っていう歌が凄くカッコいいんだよねぇ」


イチ「おいおい、今ここでそれを言うかね?」


ナナ「で? お兄さんは私の何て曲を作ったの?」


ゴ「確か曲の題名は、たぶん・・・」


ナナ「メイビー?」


ゴ「たぶん、『いつか会うナナへ』だった思う」

   

ナナ「『いつか会うナナへ』だってぇ! 死ぬぅ」


サン「ダメだ、ナナが完全に死んだ」


イチ「ゴ兄ぃ、やっぱり恐るべし」


ゴ「やっぱり兄貴は兄貴で、ファンであるナナと離れてとても悲しかったんだと思うよ」


ナナ「ええ、マジで?」


サン「その歌は絶対泣かせるバラードだな」


ゴ「兄貴が練習している時に聞こえたけど、すごくいい歌だったよ。 俺もちょっと泣いた」


イチ「ゴォ、あんまりナナに期待させるようなこと言うんじゃないよ」


ナナ「ねぇねぇ。 ひょっとして私はゴのお兄さんと付き合えるのかなぁ? そのまま結婚したりして?」


3人「メイビー、それはないっ!」


例え遠くに離れても、僕は今でもナナのことが好きだ。


兄貴はナナがよくライブに来てくれたことを覚えていた。あの大人しそうなナナがハードロックのライブハウスにいるのは、ファンの中でも凄く目立っていたらしい。でも兄貴にはずっと前から付き合っている彼女がいたし、それはナナも知っているみたいだった。


だからナナは兄貴のことが好きなのではなく、本当に音楽が好きなのだと僕は信じたい。

今度兄貴に習ってギターでも初めてみようかな?


という訳で、ナナへの片想いはまだまだ継続中なのである。

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