45話 白虎
私は【白雪】に所属している魔法使いであり、普段は学生をしている。
ハビアには大きな魔法学院がありハビアを拠点に活動する【白雪】には学生をしながらギルドに所属する者も多くいる。
ギルドマスターがハビア魔法学院の元校長だということも【白雪】に所属する学生が多い要因の一つでしょう。
そんな私は今森から引き返しハビアの東門まで来ていた。
森を中心に吹雪が吹き荒れたのだ。
その吹雪は今やハビアの街全域を飲み込んでいる。
明らかに季節外れで異常である。
その異常を感じ取った冒険者達の一部がこのハビアの東門まで引き返して来ていたのだ。
東門前の広場には【白雪】、【青龍】両ギルドの冒険者がかなりの人数いる。
「いったい何が起こってるんだ?」
「森中心に吹雪が…」
「さっき大きな魔物の声が…?」
「なんでこんな時期に…」
「ああ…今目の前で天変地異が起こっている…」
広場の冒険者達はざわざわと騒いでいる。
私はそんな冒険者の人混みの中を歩いていると剣を携えた男性にぶつかる。
「あっ、ごめんなさい。」
私は謝る。
「気を付けたまえよ。」
そしてその男は言う。
「私はこの街、ハビアの騎士団長だ。これからわが騎士団がこの異常気象の原因の調査に向かう。冒険者の諸君は道を開けてくれ!」
その声を聞き冒険者は静まり返り東門までの道を開ける。
するとその男は騎士達を引き連れ東門を出て森へと入っていった。
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「【氷槍】」
ブルクスがそう唱えると氷の槍が虎型の魔物へと向かっていく。
「グガァァァッ…」
その魔物は腕で豪快にその槍を打ち落とすも腕に傷を負った。
「やっ!」
その後間もなくユリがレイピアでその魔物の足を攻撃するとその魔物は少しふらつく。
「【黒雷】」
マリアンが唱える。
「【破壊光】」
僕もその直後に魔法を放つ。
虎型の魔獣はその巨体に見合わぬ素早い動きでマリアンの魔法をよけるが、僕が放った【破壊光】は避けきれずかなり大きな傷を負う。
「グガァァァッ!」
再び魔物は咆哮する。
するとその大きな口から鋭い氷の欠片を無数に発射した。
「うわぁっ…【防御】!」
僕はあわてて防御魔法を展開する。
すこし防御魔法の発動が遅れ傷を負ってしまったものの、それほど深い傷にはならず助かった。
ブルクス、マリアンもそれぞれ防御魔法を発動している。
ユリは魔物の足元におり攻撃範囲外にいたようだ。
次に僕は魔法を唱える。
「【巨大化】」
するとレオンが巨大化する。
「にゃー!」
そして僕はレオンに乗り唱える。
「【加速】」
レオンは加速し始める。
これなら素早く動き相手を撹乱することができる…という作戦だ。
【究極身体能力】の方が圧倒的に速いがあれは後から動けなくなるリスクが大きいからね。
その間にも戦いは繰り広げられていく。
次に魔物は足元のユリに狙いを定め口からの氷の欠片の攻撃と足を振り下ろす攻撃を間髪なく繰り返す。
「はっ…はあっ!」
ユリはその攻撃を避けながらもレイピアを使い確実にダメージを与える。
しかしとうとう魔物の振り下ろした足がユリに直撃した。
ユリはそのまま後方へ吹き飛ばされる。
「大丈夫か?」
ブルクスはユリに駆け寄る。
「【回復】!…っ回復魔法は専門じゃないからな…気休めにしかならんが…」
そのままブルクスはユリに肩を貸し木の下へと連れていく。
「あとはここで休んでおれ。儂が魔物を片付ける。」
「はい…すみません…ギルマス…」
「気にする必要はない。相手はかなりの強者のようだからな。」
ブルクスはそう言うと再び魔物の前へと戻る。
「【破壊光】!」
「【光触手】」
「【氷槍】!」
僕とマリアン、ブルクスの唱える声が重なった。
襲い来る光の流動に無数の光の触手、多くの氷の槍をさすがに同時に避けきることもできずかなり弱っているようだ。
「ガウウッ」
虎型の魔物は苦しそうな声をあげる。
そして魔物はその足を振り下ろして来る。
しかし僕はレオンに乗っていたおかげでどうにか避けることができた。
その時かなり足にもダメージが重なっていたのか虎型の魔物はバランスを崩してよろけた。
「いまじゃ!【氷大流】!」
ブルクスが魔法を放つ。
「私たちもいくよ!【重力】!」
マリアンの魔法によって魔物は斜め下方向に引き寄せられバランスを崩した。
またその影響でブルクスの魔法が外れた。
「【雷】!!」
僕はおもいっきりの魔力を込めて放った。
そうすると虎型の魔物は消え、そこには魔石が残った。
「ふふ…倒したのは私たち【青龍】のアオイ…これは【青龍】のものだ。」
マリアンが笑みを浮かべて言う。
「儂の攻撃を…いや、勝負にこだわり諦めない気持ちも大切じゃな。これは【白雪】にとっては痛いわい。相当大きな魔石じゃしな。さて、儂はユリをギルドの治療師のところに連れていかんと。猫耳の少年も素晴らしい魔法だった。…また会おう。」
そう言うとブルクスはユリを連れてハビアの方に戻っていった。
その時吹雪も止み視界が開けてきた。
「吹雪が…」
「きっと魔物が倒されたからだろう。」
マリアンが言う。
「あっ、アイナを探さないと!」
そういえばアイナとはぐれてしまったんだった。
無事だといいが…
「そうだったね。こんな魔物がいたんだ。早く探した方がいいかもしれない。」
マリアンが言う。
そうして僕とマリアンは魔石を回収した後、アイナを探し始めた。




