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113/122

#113 戦の残香

 








 バルタ旧市街。


 ここでは先の魔将軍ココットの侵攻に際した戦いの後処理がなされていた。


 戦場に倒れる兵士や難民の救助。けが人や死人の回収や身元改めの為、兵士たちがせわしなく動き回っていた。


 警戒態勢は未だ解かれず、緊張した空気が炎の残り香に交じって鼻腔を突いた。



 そんな渦中を隠れ進む者がいた。


 服は煤で汚れ、所々破けた使用人服。腰に下げられていた細剣を抜き放ち息を潜めながら物陰から物陰へ進むキエルであった。



 先の戦いの撤退の折にココットの制止を無視して難民の子供を救いに動き、結果分断されてしまい取り残された。


 キエルはこれを自業自得と捉え、ふまえて何が何でも捕まるわけにはいかないとして動いていたのだ。


 魔将軍とともに居た姿は多くのバルタ兵に目撃されている。言い訳は立たず、今更人の中には戻れない。


 ただでさえ人間であるココットの襲撃を受けたバルタであるから、捕まれば魔族の手先として拷問、処刑の結末を辿る。


 何より自分の我儘ではぐれてしまったココットの下へ一刻も早く戻らねばならない。



 此度の戦は敗走。


 ならばココットの精神が心配なのだ。彼女はこの戦いに全てを賭けていた。おそらく己の命さえも。


 ミオの仇をとるためとして鬼気迫る覚悟を見せた彼女であるからそれが失敗したとなればどういう状況にあるかもわからない。


 そもそもうまく逃げおおせたのかさえ不明。


 キエルの頭の中はココットの安否で一杯だった。


 無事逃げられたのだろうか。



「そこのお前、止まれ!」


「っ!」



 物陰に潜んでいたキエルの思考は唐突な怒声によって中断された。


 声の方を見れば2,3人の騎士がキエルを見ながら表情を険しくしていた。



「逃げ遅れた難民……の服ではないが、人間か?」


「私は……」


「おい、待て。こいつは見たぞ。あの魔将軍ココットと一緒に居た奴だ!」



 キエルは反射的に駆け出した。


 それを見た騎士達が声色を変えて慌てた様子で後を追う。



「逃がすな! 捕らえろ! いや、殺せ!」



 すぐさま周囲に居た騎士たちがその声を聞きつけてキエルの前に立ちはだかった。


 前に二人、後ろに三人。


 全員目が血走っている。


 恐れているのだとすぐに分かった。ココットの襲撃はバルタに恐ろしい打撃を与えた。物理的にも、精神的にも。


 バルタ内部に内通者が居なくてはここまでの惨劇は起こせなかった筈だと人間達も分かっていたのだ。


 実際は内通はなかったのだが、その疑念は人間たちに伝播し、疑心暗鬼に陥らせている。


 人間であるキエル相手に、たとえココットと共にいたからとてこのような様子で武器を構える騎士達を見れば合点も行く。



 彼らの目的がキエルを捕らえる事ではなく殺害であることもまた、すぐに分かった。


 キエルはゆっくり剣を構えて息を吐く。


 胸の前で縦一文字に構えた剣をゆっくりと引き、頭の横で前に剣先を突き出すように構える。



 キエルが構えたのを合図に騎士達が突貫してきた。










 それからしばらく、キエルは向かってくる騎士達の武器をはたき落とし、柄で昏倒させながら逃げていた。


 だが次第に疲労や爆発時に負ってしまった傷の痛みでそれもままならなくなってくる。


 結局再び大勢の騎士に囲まれるに至った。



 この数相手ではにわか仕込みの剣術では打開できない。まして殺さずになど。


 覚悟を決める必要があるとしてキエルはゆっくりと息を吐いて構えた。


 そして額に脂汗が滲んだころ。


 騎士達の背後にデオニオが現れた。


 キエルは息をのむ。あれには自分は絶対に勝てない。万事休すか、と。



「ココットと共に居た娘……魔族ではないな」



 キエルは答えずに構えたままデオニオを睨んでいた。


 そんなキエルの剣と構えを見たデオニオは訝しげな表情をする。



「その剣に覚えがある。ファルトマーレの聖鎧騎士団が使う剣術だ。どこで身に着けた」



 少しだけキエルは眉根を寄せる。会話の余地あり? いや、違う。デオニオから放たれた殺気に揺らぎはない。


 ただ本当に気になったから問いを投げた、それだけだろう。


 無言のままのキエルにデオニオは再び言う。



「答えろ」



 キエルは、答えなかった。


 憔悴した様子はあるもののデオニオの表情は険しく、瞳は鋭くキエルを見ていた。


 そんなデオニオも無言を貫いたキエルに剣を抜き、じりじりと距離を詰める。


 最早問答は不要としたか、キエルはその身に殺気を感じた。



「なにをしているんだ。剣を収めてくれ」



 そこへ制止の声。


 その場にいた全員が声の方を向けば黒髪の毛先に朱を帯びた青年が立っていた。


 その姿を見た騎士たちは剣の切っ先を下げる。


 キエルは彼の顔を見て思わず呟いた。



「聖剣の勇者……フォルトナ……!?」







 ♢







「怯えさせて済みません」



 フォルトナはキエルに対してそう言いながら先導をした。


 結局デオニオと掛け合ったフォルトナは自らが捕囚としたキエルの見張りをすると買って出たので、デオニオも勇者の言葉を無下にはできずに了承。キエルとフォルトナはバルタ新市街へ向かって歩いていた。


 キエルは剣を取り上げられ丸腰、それでも自分の見張りがこの聖剣のみと言う状況に違和感を感じつつ警戒していた。


 そこでフォルトナはキエルを見ながら、やっぱりだと言った風に表情を少し緩ませた。



「やっぱりそうだ。キエルさん、僕を覚えていますか? セグン殿と一緒に居られたのを昔イファールでお見掛けしているのですが」



 突然名を呼ばれたことでキエルは目を丸くする。



「ええと……」


「覚えていなくても無理はありませんね。お互い子供でしたから」



 困惑するキエルとほほ笑むフォルトナ。


 聞けばフォルトナは幼少のころ聖鎧騎士団時代のセグンと稽古のため手合わせをした事もあり、セグンの人格も相まって覚えがよかった。


 それでよくイファールの王城でセグンと共にいたキエルにも自然と目が向いていたらしい。だがゼンビアーノの一件でセグンはキエルと共にイファールから姿を消した。


 そんなキエルとこんな場所で再会するとはとフォルトナは苦笑する。


 その後、フォルトナは少しだけ眉根を寄せた。



「兵士たちから聞いたのです。君が魔将軍の従者だと」



 フォルトナの問いに、少し驚いた風にしながらキエルは即答をする。



「はい」


「否定しないのですね」



 キエルは一切の否定をしなかった。


 自分はもう人の側に居る存在ではないと自覚していた。度重なる経験において、今更自らを人の枠の範疇に収めるのは都合がよすぎる事だと分かっていた。そうでなくとも自分はココットの傍に居たいと思っている。


 だからキエルは自らの身の置き場をあの小さな悪魔の側だと定めていた。


 そんなキエルにフォルトナは別段敵意を見せずに、少しだけ寂しそうに笑った。



「そうか。僕たちに敵意は無いようだけれど、何か事情があるのですか。魔族は人間を捕らえて隷属させるとも聞いたから君もそうなのかと思ったんですが」



 キエルはうつむく。


 確かに、自分がココットの隣にいたいきさつとしては概ねその通りだ。


 父を殺され、街を焼かれて囚われてココットに買われた。そして従者となったのはその通りなのだ。


「私はフリクテラで恐ろしい思いをしました。何もかもを、一瞬で奪われた」



 フォルトナの言葉に返すように出てきたその言葉に、フォルトナは笑みを消して哀悼の表情でキエルを見た。



「セグン殿の事は残念です」



 キエルの父たるセグンの死はフォルトナも知る処であったらしい。


 だが伝えたいのはそのことではない。



「バルタに攻め入った魔将軍ココット。捕虜になった私を買い付けた彼女はまさしくフリクテラを襲った存在です。私は、父の仇と供に居たのです」


「それは……なんと。……ですが君はこうして自由になった。今は疑いの目があってもいずれは潔白が証明されます」



 フォルトナの言葉にキエルは首を横に振った。



「今私が置かれているこの状況は、フォルトナさんから見れば自由を手にしたように映るかもしれません。ですが違う。私の居場所はここじゃない。私は彼女の傍に居たいのです」



 キエルはあのココットの掌の小ささを知っている。自らを抱くように小さく丸まり震えて眠る姿を知っている。


 あの悪魔と呼ばれ自らも悪魔たろうとしたココットの心は今や擦り切れかけている。自分に何かができるとは思っていないが、せめて自分だけは傍に居たいのだ。


 だから早く戻りたい。戻って安心させてあげたい。自分は約束したのだから。絶対に居なくならないと。


 その約束を反故にはしたくない。例え父の仇という事実があっても。恨みよりも慈愛をキエルは選んでいた。


 そう真っ直ぐなまなざしをしてフォルトナを見たキエルに、フォルトナは少しだけ驚いたらしかった。


 そしてすぐに話題を変える。キエルにも事情があるのだと察したように映った。



「僕はこれからクー……ああ、聖女クーシャルナを訪ねます。キエルさんのことも良くしてくれるでしょう」



 聖女の名を出したフォルトナ。


 キエルははっとしたように息をのんだ。そうか、フォルトナは知らないのだと。


 聖女クーシャルナがどうなったかを。


 バルタ新市街の門を抜けて中へ。ココットの作戦によるものか、街中も慌ただしいままだった。


 目をぎらつかせて疲弊しながらも後始末に奔走する兵士たちは、聖剣の勇者たるフォルトナに目を向けるとようやく安堵したように礼をした。


 キエルはそんな様を眺めながらこれも自分が見届けると決意した結果の一つとして心に刻み込む。



「ひどいものだ」



 そう呟いたフォルトナ。キエルは無言でその後に続いた。


 聖女の事、ココットの事。伝えるべきことは多くある筈。


 本当に伝えるべきことを伝えられないままずっとここまで来てしまった。父セグンに対してももっと話をしたかった。


 ココットに聖女の事を伝えるべきだったかもしれなかった。


 ルクさん達をちゃんと説得で来ていたらあの村の惨劇も起きなかったかもしれなかった。


 キエルは密かに決意をする。フォルトナ相手には、間違えてはいけない。それでココットが救われる可能性もある。


 聖女の事はおそらくフォルトナもすぐに知る。だが、人間側の解釈で伝えられた情報によってフォルトナがココットを憎んでしまえば、お互いを憎み合うだけの戦いは避けられないのだから。




 と、フォルトナが足を止める。キエルもはっとして立ち止まり、前を向けば一人の女騎士が立っていた。


 確か聖女とともに居た聖歌隊の騎士。名前は確か……。



「レーヴェ、そんなに警戒しないでくれ。彼女が怖がる」



 フォルトナの言葉にレーヴェは眉根を寄せた。


 そしてキエルを睨みつけたまま、ふんと鼻を鳴らした。



「私はデオニオ隊長から彼女の見張りを仰せつかっているのです」


「見張りは僕だけでは不十分という事か?」


「私の立場も分かってください。それに……あの魔将軍ココットの従者ともなれば……生暖かな扱いなどは状況が、バルタのすべての民が許さない」


「どういう意味だ?」



 訝しむフォルトナにキエルも胸の痛みを感じた。レーヴェが言っていることはキエルは理解していたのだ。


 未だに首をかしげるフォルトナに、レーヴェは伏し目がちに言葉を紡ぐ。



「フォルトナ殿……申し上げにくいとはいえ貴方はもうこの場に来てしまった。ならば聖歌隊としてお伝えするのが責務。守り切れなかった私をどうかお許しください」


「何を言って」


「聖女クーシャルナ様は、戦死なされました……!」



 その言葉を聞いてフォルトナは目を大きく見開いた。そして再三「本当なのか?」とレーヴェに問い、レーヴェは無言の肯定を返した。


 その後ろでキエルが顔を伏せたのを見て、レーヴェは小さく舌打ちをした。


 項垂れたフォルトナにレーヴェは現状の説明をした。


 今バルタでは聖女の葬式を行ったばかりだったと。だというのにその葬式の最中に侵攻をかけてきたココットをようやく追い払ったばかりだということ。



「クーシャルナ様は魔将軍ココットのバルタ進行に際し、先んじて出陣なされた。だが戦いを避けるために和平を申し入れたのです。魔将軍ココットも最初は受け入れた様子でした。しかしそれが罠だった。ココットはクーシャルナ様の善意を無下にし、騙し討ちをして殺害したのです」


「違うっ……!」



 唐突な否定の声。レーヴェとフォルトナは揃って声を上げたキエルを見た。


 キエルは震える拳を握りしめながら、悲しみと怒りの入り混じった表情でレーヴェを睨んでいた。



「それは……違いますっ……!」


「どう違う、ココットの飼い犬め。お前も聖女様を殺した女の仲間だろうが!」



 レーヴェはキエルを怒鳴りつけた。


 そしてひどく後悔をするように拳を胸に当てて、吐き捨てた。



「聖女様はココットを友達だとまで言ったんだぞ! あんなにお優しい声色で……! だがそれは間違いだったんだ。和平交渉などしなければ聖女様は死なずに済んだ!」



 レーヴェの言葉にキエルは胸のむかつきを覚え、レーヴェに詰め寄る。レーヴェも負けじと歩を進め、女子二人は街のど真ん中で激しく言い争う。



「ココットは聖女様との和平を受けるつもりでした! 聖女様を四天王のエルクーロ様に会わせて、二人が和平をするなら自分も従うとまで言ったんですよ! それを……!」


「それをなんだ! 信じられるかそんな話! あの幼女は和平とは真逆の事をした! 罪なき人々を殺し、戦いを望む狂人だ!」


「違う! あの子は本当に変わろうとしていたんです! なのに暗殺者が来てココットを殺そうとして、代わりにミオさんが殺された! だからあの子は……ッ!」



 負けじと言い返すキエルの言葉。その中に在った暗殺者と言う言葉にレーヴェは眉を顰める。



「暗殺者……? ……あのツォーネもそんな事を戦いの中で言っていた。意味が解らない。暗殺者など放っていない!」


「事実ミオさんは殺されたんです! ココットが和平を受けてくれる気になったのも、普通の女の子みたいに笑ってくれるようになったのも、全部ミオさんのおかげだったのに!」


「二人とも……一旦落ち着いてくれ……」



 フォルトナの仲裁でキエルとレーヴェは荒く息を吐きながらも引き下がる。


 フォルトナは顔に手を当て、深く深呼吸をしていた。そしてゆっくりレーヴェに向き直り、「クーの所へ案内してくれ」と言った。


 レーヴェはキエルを睨みながらも、フォルトナの様子を見て自らも後悔に胸を痛めながら先導を始めた。


 キエルも、ゆっくりとその後に続いた。








 ♢










 バルタ大門前ではようやく落ち着いてきた状況確認の報告飛び交っていた。




「新市街に現れたリビングデッドの掃討は完了しました。しかし予備兵力や住民の被害は甚大です」


「騎士団もそうだ。先の戦いで大きく損耗した。大門も破壊され迎撃設備も叩かれた。ドラゴニュートどもが自爆覚悟で突貫してきてからに……」


「魔将軍は取り逃がしたのか?」


「聖剣の勇者殿が魔将軍ココットの乗ったドラゴニュートを撃墜してくれたまではよかったが、四天王エルクーロめ……! あ奴が現れたせいでこちらの士気は駄々下がりだ! 皆怯えている。もしもう一度奴らが来たら終わりだ」


「こちらには聖剣殿がいるだろう!」


「だが相手はエルクーロだぞ! 貴様は後方にいたからわからんのだ! 追撃部隊の指揮を執っていた私はあれと相対したのだ! いかな勇者とはいえ一人ではあれには絶対に勝てん……あれは他の四天王とは別格だ! 生き物としての次元が違う!」


「弱腰ばかりを!」



 隊長クラスの騎士たちの口論をしり目に、デオニオは溜息をついていた。


 自分に寄せられる報告の数々。勝ち戦であったとはいえ、手ひどくやられたものだ。大門は破壊され街中の住民にさえ被害が出るという体たらく。女神ユナイルの加護在りし聖都の守りが聞いて呆れる。


 ココットめ。よくもまあ我々の裏を掻いてくれた。悔しいが、聖剣の勇者の援軍が間に合わなければ最悪の事態になっていたと言える。聖女の謀殺と引き換えにはなるがココットの暗殺が成功していればこうはならなかっただろうかとまで考えた。


 デオニオは小娘と侮ったあのココットに、僅かばかりの恐れを抱いていたが、本人はそれを頑なに認めようとはしなかった。


 ココットの顔が脳裏にちらつき、苛立たし気に舌打ちをして手近の兵士を呼びつけた。



「……教皇はどうしている」


「それが……」



 兵士がデオニオに耳打ちをする。


 そして報告を聞いたデオニオは苦い顔で吐き捨てた。



「臆病者のジジイめが」


















「悪魔が……ああ、悪魔が聖都を! これではならん、ならんのだァ!」



 教皇庁の教皇の私室では使用人たちの慌てる声と教皇の奇声が響いていた。



「教皇様、落ち着いてください! この薬を早く」


「黙れ黙れぇ! バルタに死人が沸くなど女神へのなんたる冒涜! 聖都を任された私の代にあってこのようなおぞましい出来事……ああ、ああ! 聖女を殺した罰が当たったのだ……デオニオ、デオニオのやつの口車に乗ったせいだ! 私は悪くない! 悪くない!」



 口から泡を吹き暴れる教皇は錯乱していた。


 先の戦の際にリビングデッドが街中に現れた報告を聞いてからずっとこうだった。


 聖なる都バルタに不浄の死人どもが沸いて出て、なおかつそれが己が手ずから処断を下した悪魔の相持つ子らであったとなれば。


 聖女クーシャルナが囲い込んだ悪魔の相。これは自らが謀殺した聖女の呪いなのか。


 やはり聖女は悪魔だったのか。汚れた奴隷より生まれ落ちた聖女は不浄にして悪魔と契約をしていたのか。


 そしてその悪魔とはあのココットなのか。


 教皇の頭は完全に混乱状態にあり、そんな訳の分からない理屈が脳裏を支配していた。自分は悪くない。デオニオのせいだ。聖女が悪い。私は歴代のどの教皇よりも健やかに信徒たちを導ける。


 あの悪魔さえいなければ。


 己の髪を掻き毟りながら教皇は使用人たちに血走った目を向け涎を飛ばしながら叫ぶ。



「ココットは、魔将軍ココットは何処だ!」


「教皇様! 聖剣の勇者殿のおかげでココットめは撤退してございます!」


「それでは意味がないのだ! バルタの不浄を清めなければ……! あ、あの小さな悪魔を殺せ! 殺すのだ! 犯し孕ませ子を産ませ、その子もろとも焼いて灰にしなくては呪いは断ち切れない! ココットを、魔将軍ココットを殺すのだァ!」





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