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ある兵士の戦争  作者: iLL
ある兵士の内乱
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悪意

 輸送機に機体を積み込み、今はもう上空だ。

「隊長顔色が悪いようですが」

「いやまああんなこと言われればねさすがに」

「あの捕虜達の事ですか」

 捕虜達を輸送機に運ぼうとしたときに言われてたのだ、お前らのせいで俺たちの平和は奪われた、戦争なんかせずに国民を助けろよ、助けないお前らに助けられるつもりはない、と。

「まあ兵士の考えることではないけどさ、ああ言われればへこむよ」

 どのように軍隊を動かすと言うのは上層部がやることで、兵士が勝手に考え動くことはしてはいけない。なぜならそうすることで守る必要があるものを守れなくなってしまうことが考えられるためだ。だからそうしないように、軍規をもって規律を守っている。だから考えないようにはしている。してはいるのだが、さすがに悪意を直接ぶつけられればへこみはする。

「彼らは無事に進んでいるんでしょうか」

「さあ、戦地に送られるよりは安全だと思うよ」

 だがボロボロの状態なので多少は危険だろう、せめて食べ物でも置いていこうと思ったのだが、有無も言わさず去っていった。その背中を見送ることしかできなかったのだ。

「さすがに色々と疲れた、ちょっと寝てくる」

「分かりました」

「何かあったら起こしてくれ」

 そう言って自分のベッドへと向かった。

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