豪雨3
停車している装甲車に戻ってくる。中にはいる前に安全装置をかけ、少しでもいいから水をぬぐい扉を開くと殴られた。ぬかるんでいる地面に体を叩きつけられる。顔までどろどろだ。誰かに首元を捕まれ無理矢理起こされる。
「貴様、シルビア王女に何を言ったんだ」
「…………兵士の気持ちを代弁しただけだが」
「ふざけるな、それだけで平和を望んでいるシルビア王女が自ら反乱と言う戦乱を起こされるわけないだろう」
また殴られ、地面に戻る。そしてまた首元を捕まれ無理矢理起こされる。
「貴様が妙なことを言ったから」
「ならお前が、お前がちゃんと王女の話し聞いてやれよ、それですんだ話だろう。今じゃなくても、前から話してればよかったことだろ」
「だからって王女の騎士である我々が怖いなんて言えるか、上からこうした方がいいなんて言えるか」
「言えばいいだろ、王女だってそういう言葉を望んでたんじゃないのかよ」
「望んでたからって」
「そうやって王女って枠組みの中で考えてるから、彼女がこんな時誰に相談していいかわかんなくなってんじゃないのかよ」
「そんな時を起こさないためにも我々が」
「今起きてんじゃねぇかよ、起こさないって言ってるが何時起こさないんだよ」
首元を掴んでいる腕をつかむ、少し震えている。
「それにお前らが王女の騎士なら、彼女が決めたことに従うべきだろよ」
「クリスナカイはまだなのじゃ」
「それが嫌だったら自分の意思で、自分の言葉で伝えろよこんちくしょく」
「クリス何をやってるのじゃ」
そこには首元を捕まれている男と男の首を掴みながら泣いている女がいた。
「いえ何もですが少々頭を冷やさせていただきます」
「そうか、ならナカイはなかじゃな」
王女に案内されてやっと中にはいれた。中に入ると周辺警備のトワと今さっき出ていったクリス以外揃っており装甲車が狭くなっていた。
「みんなに聞いて欲しいのじゃが、妾はこれより自分の手でこの国の王座を手にいれるのじゃ」
「シルビア王女それは」
「そうっすか」
「そうなの」
「その為にも王都に向かう必要があるのじゃが可能か」
「第2第3第4騎士団を取り込んだ第1騎士が守っていなければ可能ですが」
「突破は厳しいそうなのじゃ」
「あのいいっすか」
「いいのじゃ」
「なら提案っすが王族だけの脱出経路ってあるんじゃないっすか」
「そうなのじゃそれを使えば市内を通らずに城にはいれるのじゃ」
「それにさっきラジオで言っていたんですが大きな戦闘で第1騎士団を王が率いて行くみたいですよ。つまり王都には兵が少なくなるんじゃ」
「父上が、じゃが妾は戦争を止めなくてはならないのじゃ」
「つまり正面からでも行けるか」
「ナカイさんそうかもしれないですけど装備がないから戦闘するのは」
「ここは王女に決めてもらうか」
「妾か」
決断は王女に委ねられた。




