宇宙8
銃口と目があった時、死んだなとしか思わなかった。それ以外なにも考えられず、体は動いていなかった。動かそうとも思わなかった。ただただ銃口と目を合わせ続けるしかなかった。これまでにも死にそうな時はかなりあった、だから死ぬ覚悟はできていた。出来ればベッドの上で死にたかったが兵士なんだから仕方がない、ただ心残りは味方には殺されたくなかったなと言うことだけだ。その時を待つ、一瞬なのかわからないが時間が長く感じた。だが急にコックピットの前面ハッチが開き、直接銃口と目があう。そして背中が押される。
「えっ」
『生きてください』
後ろに乗っていたトワに宇宙へと押し出されたのだ。体が前に出る。動かない体が宇宙へと投げ出されようとしている。後ろを見るとトワは笑っていた。笑顔だった、自分が死ぬって言うのに、次の瞬間にはパイルに押し潰されてしまうって言うのに。そう思った瞬間助けなければならないと思った、思ってしまった自分も死にかけてるって言うのに。体は動く、もし動かなくても動かす。幸いにも死にかけている為か周りがゆっくりに見える、実際は一瞬なんだろうがそんなことは今どうでもいい。ただ助けるんだ彼女を、俺を助けようとした彼女を。幸いにも彼女は左腕しかなく体は左に回ろうとしながら進んでいる、だから体を捻り右手で彼女の腕をつかみなにかを踏みつけ上へと上がる。そしてその腕を引き寄せる。
「ウオオオォォォォォ」
だがダメだ、彼女が機体にぶつかる、そしたら止まり撃ち抜かれる。押し潰される。それでも構わないと思ってしまった。そしてパイルが機体に突き刺さる、コックピットの右上にそれて。
「えっ」
『無事か』
青い機体だ、多分キクチが助けようとして助けた彼女だ。そして彼女とキクチが戦闘を始めた。もうすでに俺達は茅の外であった。
『ナカイ特務少尉どうして私を助けようとしたんですか、私はただの兵器ですよ、人間じゃないんですよ』
「いや何となく助けないと思って、何度も助けられたんだし。後俺はお前を兵器って思ったことはない、ただの1人の人間だ」
『そう……ですか』
「それにしても何だよあの化け物は、撃ち出されたパイルに当てるってすごすぎんだろ」
それしか考えられなかった、あいつは殺そうとしていたんだあの場面で外すわけがない。今さらなが冷や汗が出てくる。そのレベルの敵を相手にしながら普通に生き残れたんだ大戦果と言っても過言ではないだろう。そして宇宙を2人で漂っていった。




