表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある兵士の戦争  作者: iLL
ある兵士の戦争
102/115

首都

 基地の検門を抜ける。

「問題なかったっすね」

「だな」

 検門では特に中を点検されたり、特に注目されることなくあっさりと通り抜けられた。

「通り抜けられたならよかったのでは」

「そうっすね、あっ首都中央部まで20分ほどかかるっすからこれ渡しとくっす」

 サトウが助手席からA4サイズの封筒を取りだし、渡してくる。受けとると少し重い。

「これは」

「地図と金っす」

「地図はいいが金は」

「ナカイさんたちの電子マネーカード止められてるみたいっすから別の手段用意したみたいっすよ」

「止められてたのか」

「止められてたみたいっすね、まだ使ってないのでわかんないっすけど」

「仕方がないのではないですか、私達はもう死んだものと思われてますし」

「おねえちゃん死んでたの」

「書類上では」

「なんだそれだけかよかった」

「まあ別の手段がなにか分からないが開けてみるか」

 封筒を開ける。中にはかなり薄い紙に書かれた地図に札束が。

「現金か」

「現ナマっすか珍しいっすね」

「ほとんど電子マネーだからな」

「後は地図ですが、サトウさん水ありますか」

「あるっすよ」

 今度は水入りのペットボトルが渡される。それをトワが受けとると地図に水をかける。

「トワなにやってんだ」

 それを止めようとするのだが、地図は少しの水で溶けてしまった。

「極秘資料を持ち出すときなどに使われる用紙だったので、破棄したのですが」

「内容は」

「覚えたので問題ありません」

「すごい、おねえちゃんあんな一瞬で覚えたの」

「ええ、同じものをまた書くことも可能です」

「へぇ、そうなんだ、やっぱりおねえちゃんはすごいのね」

「これくらいは当たり前です」

「私もできるようになるかな」

「それは、分かりません」

「そっか、でもおねえちゃんみたいになりたいから私頑張るよ」

「そうですか」

 そんな会話を聞きながら現金を数える。かなりの贅沢ができる額が入っている。

「サトウ他になにかないか」

「シノダさんからっすが、下見のために街中を少しぶらついて欲しいって言ってたっすよ」

「それでこの額か」

「ここら辺っすね、降りてくださいっす」

「ああ」

 ハンビーから降りる。

「サトウ助かった」

「別にいいっすよ、ナカイ隊長頑張ってくださいっす」

「ああ」

 サトウとガッチリと握手をし別れた。

「それでナカイ何するの」

「ああ、それが」

「ナカイ、久しぶりだな」

 何かを言いかけたとき誰かに声をかけられる。

「誰」

 振り返るとそこには。

「ライラ」

「や、まあそこまで久しぶりじゃないかもしれないけどね、時間があるならお茶にしないか」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ