act.43魔王軍最終兵器破壊ミッション
対魔王軍2、もうすぐ決着行けそうですね。
act.43魔王軍最終兵器破壊ミッション
「で、破壊するったって……どうやってさ」
「ン? そんなもん、中の魔力抜いた後俺が雷を高圧にして溶かすだけ」
単純明快な作戦である。何せ、今回は敵兵をほとんどなぎ倒している。最短距離を進んできたので敵兵はそれなりに残っているだろうが、それなら分担して作業すれば良い。
「第一、五、七隊は兵器の魔力を回収、あるいは放出して。他は敵兵の排除。ここに入れるな!」
そう言って石の壁に空いた穴を抜け、早速見えてきた敵集団を睨む。咥えていて短くなった葉巻を吐き捨て、蒼鬼の柄に右手をかける。
「さあて、と。準備は良いな、お前ら!」
「いつでも良いぜ!」
「勿論です」
返事を聞いて俺は重心を低く構える。と同時に他も構え、遠距離武器を持つものが魔力射撃をお互いに開始する。
地を強く蹴り、敵集団に躊躇なく突っ込む。眼前に広がる敵集団に、暴風と轟雷を纏った居合をくれてやる。
「さあ、お前達。覚悟はできてるか?」
紫電が駆け抜け、豪風が荒れ狂う。蒼鬼の斬撃と共に戦場を荒らすそれは、まさに嵐の様である。
いつの間にかゼルキスやセシア達も到着し、敵をなぎ倒していく。その様はまさに一騎当千、みるみる気絶した兵士の山が築かれていく。
しばらく戦っていると、敵の中に巨大な魔物が召喚された。あー、めんどくさ……街を襲ったアイツよりは小さいが、それでもだいぶタフそうだ。
「すまん、ちょっとあれ片付けてくる」
「りょ―かい! 頼んだぜ……邪魔だオラァ!」
「彼らの作業も順調なようですね。もう少しでしょう」
風を纏いその場から一気に召喚魔へと突撃する。しかし、前回は忘れていたがこの蒼鬼は神の力つきのチート刀。
縦に一刀両断され、色々とグロテスクな物を撒き散らしながら倒れる召喚魔さん。うぇ、今日晩飯パスしよ。吐くわ、こんなもん見た後のメシなんぞ。
「ただいま……うぷ、吐きそ……」
「早ッ!? って大丈夫か?」
「……召喚魔も内臓とか持っているんですねぇ」
ふらふらと帰還すれば隊長二人その他が気を使ってくれた……らしい。
「うーむ、ちょっとタンマ……つー訳で一旦消すぞアイツら」
その言葉に……敵の集団の動きが一瞬だけ止まる。いや、俺どんだけ恐ろしいと思われてんのさ?
「隙ありィ!」
ただ、その隙を見逃す程に甘い訳でもないんだな、これが。情け容赦なく雷をそこらじゅうに落とす。広範囲に落ちた大量の落雷は、その軍隊を壊滅させるのに十分だった。
「さ、ひこうかな。次来たら教えてね……」
とりあえず巨大兵器のある部屋へ戻り、様子を見ることにする。
「で、どう? 壊せそう?」
「それが……魔力を放出する手段が発射しかない。中はかなり高密度に魔力が詰まっているから、下手に壊すと大爆発するぞ」
「うへぇ……じゃあ、ちょーっと下がってて」
元扉だったところから出て、壁を背にするよう指示する。行動を終えたのを確認して、俺は鞘に戻していた蒼鬼の柄に手をかける。
「……うぉらッ!」
渾身の居合は砲身部分を狙い通りに一刀のもとに切り裂いた。短くしただけに思えるが、実はコイツの砲身が短いといろいろ不便になる。
一つは壁を作れること。これで余計な手間を増やせる。材料? そこの壁の残骸だけど?
二つ目。どっちかといえば本命はこちら。壁でこちらが手段を封じたと『思わせて』中に魔力爆弾でも仕込んでおける。魔力が蓄積されているところに近いので、大変な被害が出るだろう。人間に限らず、生きているものというのは、何か一つ関門を突破、それも簡単な物だともう一つの関門を見落としてしまいがちなのだ。
「これでよし。いくぞーお前ら……ってまた増えてねえか……」
作業を終えて後ろをふり向くと……そこには先程の敵兵軍団と同じかそれ以上の規模を持つ敵兵軍団。めんどくさ……
と、まあいつまでもめんどくさがってても何も終わらないってか状況は酷くなる一方なわけで。
「えいくそ、もーいい加減六階に上がりたいんだけどなぁ……」
六階にさえ上がれば、後は前回と同じく(ただし国王と一部のみ部屋に入れるが)魔王と俺が戦い、その間狭い通路を上がってくる敵兵をうちたおしていくだけっていう予定なのに!
「はぁ……久々にやりますかぁ、牙○」
蒼鬼を左手に持ち替え、右手の親指と人差し指の間に刃先が来るように構える。右手をサイティングに使うこの突進刺突技はあり得ない程の高威力を誇る。だって人吹き飛んで壁貫通するんだぜ!? 流石伝説の人斬りと互角に戦えたという伝説を持つだけある。流石だ、斉○!
サイティングを済ませ、前に踏み出す事のみを考えたそれは、とんでもない速度と飛距離をもって敵集団に突っ込んでいく。敵集団に後少しのところで、俺は左腕をつきだす。腰ごと捻られた、今までの移動速度も加速されたその突きは数人を一度に吹き飛ばし、蒼鬼で貫かれなかった敵兵もダメージを負った。
「さーて、お前ら。生きて帰れると思うなよ―?」
いや、無論気絶で終わりですけどね。とっとと広範囲こうげきで終わらせよっと。
「コーープ・サンダァァァァッ!!」
ついついノリで叫んだと同時に、天井があるはずにもかかわらず幾筋もの落雷が発生する。一気に敵兵を感電させたそれは、あろうことか数百といた敵兵を全て沈めた。
「え……弱ッ!? あ、あれか。芋づる式に電撃が伝わったのか?」
一番現実的な考えを巡らせ、すぐに思考を変える。
「おーい、お前らー六階行くぞぉ! 階段上がるとこでお前らは敵兵倒しててくれ! 狭いとこだからお前ら有利だぞ」
さて、いよいよ最終決戦かな。全く、やっと終わるわ。待ってろよ魔王!
さて……ようやっと魔王と対決ですよ。予想以上に長くなってしまいました……