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花束と笑顔を皇子達に。  作者: はつい
第Ⅳ章:黒の皇子は革新する。
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ヲキタら劇的に変わっている時もあるってコト。

 ムクリと起き上がった。

ただそれだけ。

昨夜あんな事があったから寝つきも悪かったし、色々とヤバかった。

オレだって、健全な男なんだしな。

「ん?ラミア?」

 姿が見えない、呼んでも反応がない。

と、なると、この部屋から出て何処かに行った事になる。

まぁ・・・流石に恥ずかしいよな、うん。

された側のオレがこうなのだから、する側のラミアはもっと恥ずかしいというコトで。

いや、そう思っていて欲しいと、オレが願っているだけなんだが。

そうじゃないと、もう彼女の何処に突っ込めばいいのかわからなくなる。

「・・・あぁ、運動の時間が減ったな。」

 なかなか寝付けなかった事が起床時間の遅れを招いた。

お陰で身体を動かす時間が減る。

ただでさえ、最近は議論に次ぐ議論の連続。

署名に次ぐ署名の嵐。

身体を動かせる時間は減少の一途を辿っているというのに。

ともかく身体を完全に起こすべく、寝台から降りる。

「あだっ、あだだだだっ!」

 身体の骨、特に鎖骨から肩骨の辺りがボキベキと鳴って痛い。

そういえば、ラミアが横?上?にいたままで寝たんだった。

意外に負担がかかってたんだ。

「しかし・・・それもこれもだ。」

 オレと長官のせいだ。

女性を責める気にはなれないが、普段と全く異なった雰囲気になったことは確かだ。

憤りのブツけ所がないのがね、目下の問題。

少しぼんやりとする頭のまま着替える。

「アルム様!」

 ・・・だから、部屋にいきなり入ってくるなってのをだな・・・。

「レイア、今日は何?」

 息を切らせて入って来るレイア。

そういえば、レイアは騎士団の団長になるんだよな。

オレが、一方的に決めたワケだが。

するとだ、団章が必要か?

兄上の近衛師団の双剣を掲げし獅子みたいな、アレ。

騎士団の形を取っているだけで、余り姿・形に拘っていないんだけれど、最低限、所属や身分を証明出来る物を作っておかななければ。

という事は、やっぱり団章は必要になるな。

今更ながら、面倒な事を宣言したものだ。

「大変なんです!」

「大変な時、緊急時は前置きはいらない。すぐに内容を言うコト。」

 情報は早さが命。

特に重要度の高いモノなら、尚更だ。

今と違って、騎士団が出来たら命令系統を使って末端にまで回る時間も考えなければならない。

オレが単身でひょいひょい動くのとはワケが違う。

こういうのは、今のうちに徹底しなければ。

「申し訳ありません。」

「いいよ。用件は?」

 これ以上やると、本題になかなか入れなくなってしまう。

別にレイアを虐めたいわけでもないし。

「はい。そ、その、アイシャ姫とラミアさんが、その、お手合わせをすると・・・。」

「手合わせ?手合わせって・・・。」

「ですから、戦闘と言いますか・・・決闘と言いますか・・・。」

 気まずそうなレイア。

「決闘?アイシャ姫とラミアが?また何で?」

「そこまでは私には。」

「当事者じゃないもんな。しかし、アイシャ姫とラミアがねぇ・・・。」

 ラミアはあれでも剣と弓というエルフの戦士の基礎は習得しているしな。

アイシャ姫だって、重装歩兵としての修練を積んでいた。

・・・・・・。

「って、ラミアとアイシャが?!」

 完全に目が覚めた。

よりによってアイシャとだと?!

皆は知らないだろ、アイシャが武器を握るとどうなるか。

いかん!いかんぞ!

多少なりともラミアが鍛えてるからって。

いや、鍛えているからこそ、アイシャも手加減がしにくい。

もし、あの馬鹿力が炸裂したら・・・。

「何故止めなかった!」

 オレの強い口調に思わずレイアは目を閉じる。

「その、正当なる決闘と言われ・・・申し訳・・・ありません。」

 何が正当だ!

あのアホども!

「いや、大声を出してすまん。」

 今のは人の上に立つ者としてよろしくない。

だったら、自分で何とかしろってオレでも思う。

「場所は?何処でやっている?」

「中庭です。」

 なんでそんな目立つ所で始めようとすんだよ。

あぁっ、もう!

喋っている間にもさっさと着替えを済ませる。

レイアに見られるのは、この際仕方ない諦める。

後ろは向くけど。

「クソッ!」

 オレは傍にあった銀剣一本を握り締める。

腰に下げている暇すら勿体無い。

「止めに行くぞ。ついて来い!」 「はい!アルム様!」

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