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花束と笑顔を皇子達に。  作者: はつい
第Ⅲ章:黒の皇子は世界を見る。
112/207

Xeno! 皇子のたからもの。(シルビア視点)

さて、とうとうアルファベットタイトル【X】です。

残すは数話ですね。

皆さんのお陰です。

 朦朧とした意識の中で、私に命令する言葉以外にはっきりと聞こえてくる声。

"運命の神器の皇子"

操られている私を信じ、約束を果たしに・・・。

『でも、まぁ、そんなのどうでもいいか。』

 何も聞かず、こんな私をもう一度受け入れてくれた。

「これ・・・。」

 彼が部屋から去った後、ふと私の横にいた少女が"それ"を差し出す。

銀製の指輪。

「アナタの・・・でしょ?」 

 私の、私だけのモノ。

少女はオリエと呼ばれていたかしら。

「ありがとう・・・。」

 震える手で指輪を取ると涙が溢れてくる。

「大丈夫。アルム、許してくれる。」

 私の手を握る少女、オリエ。

「アルム、アタシに何も聞かない。娘か妹にしてくれる言った。」

 左腕に嵌められた銀の腕輪を私に見せつける。

「アナタとお揃い。」

 私に再び身につける資格があるのだろうか?

こんな私に・・・。

「何も聞かないのなら、そういう事なのよ、貴女も。」

 私を遠い親戚のようなものだと言った彼女。

「言わなくても、彼はわかっている。そういう人なのでしょう?」

 手にある指輪をゆっくりと左手の薬指に・・・。

以前、アルム様がそうしてくれたように。

「アルムの心。ずっとごめんなさい言ってる。でも、ずっと大好き言ってくれてる。」

 私の未だ震える手を握るオリエという少女。

彼女"も"術使い。

「・・・わかってる・・・わかっているの。」

 私が出会った時もそうだった。

生きている事への辛さ、罪悪感。

それに負けない前向きさと愛情。

太陽と月が同居したような精神性。

だから、あの剣は彼を選んだ。

「でも・・・私・・・。」

 それを、深い親愛を私は裏切った。

「ダメ。誰がいなくなっても、アルム悲しむ。」

 握る手に力が籠もる。

真っ直ぐに私を見る瞳。

「貴女に進む力をアルム様はくれたのね?」

 私がいた頃には彼女はいなかったから、きっと私と入れ違いに出会ったのだろう。

彼女もきっと彼に照らされた人間の一人。

「アルム、アタシを大事にしてくれる。アタシも、アルム大事。」

「そうね。」

 言われなくても私には。

"私達"にはそれがわかる。

そういう存在に生まれついてしまった私達なら。

「なら、笑顔で二人共、戻りましょうね。貴女にかけられた術は、私達で処理しないと。」

 にっこりと私達の様子を見て笑う女性。

「それにしても。つくづく"私達"は彼に魅かれてしまうのね。」

 リディアと呼ばれた女性は私とオリエ、二人の肩に手を置く。

「それも、これも、魂と血のなせる業かしらね?」

「違う。力無くてもアルムは見つけてくれた。」

「そうね。」

 全く違う生まれと立場にいても、同じ力を持ってしまった三人。

本人達だけが、そうだと感じる事が出来る。

そして、出会ってしまったのだ"私達だけの皇子"に。

ようやく、シルビア視点が書けました。

ずっと謎持ちキャラだったので、なかなか出せなかったので、ちょっぴり嬉しいです。

あはは。

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