第二十二話・屋上にて前編
まず初めに投稿が遅れまして本当に申し訳ありませんでした。
一週間に一度を目安にしていましたが、間に合わなくて申し訳ありませんでしたこんな作者ですが何卒よろしくお願いします。
〜〜〜side高町〜〜〜
俺はバイトが終わった渡辺を引きずりながらエレベーターに乗り、連れていく
渡辺
「なぁ、やっぱり俺も行かなきゃ駄目か?」
渡辺は明らかに行きたくなさそうな顔をしながら言ってきた。
高町
「当たり前だ、お前が『バイトさえ終われば行っても良かったんだけどな』とか言ったからだろう」
渡辺
「はぁ、本当は今頃家でゆっくり寝てられたっていうのにな」
ため息をついて、うだうだ言っている渡辺を無視していたら到着の音が鳴る。
ポーン
その音と共にエレベーターのドアが開き、
高町
「行くぞ」
その言葉と共に屋上のドアを開け放つ。
ギィッ
古い鉄のドアを開けて俺たちは屋上に入った。
ドアを開けてまず初めに見たのは玩具で遊んでいる子供や、それを見守る親たちだった。
高町
「はあっ!?」
(何で屋上に子供用の玩具が置いてあるんだよ!? 安全性とかしっかり考えてんのか?)
屋上には小さな滑り台やブロックなどが幾つか置いてあった。
俺は思わず変な声をあげてしまったが、渡辺の顔をみると、さも当然そうな顔をしていた。
渡辺
「どうしたんだよ、いきなりそんな大声だしてよ? 別に大したことじゃないだろう?」
とりあえず安全性の事は置いておき、普通に聞いてきた渡辺がムカついたので殴っておき、隣でうめき声を上げている渡辺を無視して辺りを見回すと三沢たちを見つけた。
向こうもこちらに気づいたのか手を振ってくる。
俺はそれに対して片手を挙げて対応した。
それを見て三沢たちがこちらにやって来るが、渡辺に気づいたのだろう、表情が強張っている。
渡辺
「俺逃げちゃ…駄目だよな、はぁ」
高町
「無論駄目だ」
面白そうなので渡辺の逃走を許さないように服の襟の部分を掴み逃げられないようにする。
渡辺
「なぁ、逃走しないって誓うから襟掴むの止めてくれないか?」
高町
「駄目だ」
渡辺
「ですよね…」
諦めている渡辺だったが完全に渡辺を発見した時の三人(とは言っても三沢と麻布)の殺気が込められていた顔を見て暴れだす。
渡辺
「頼む!後生だ、一回で良いから見逃してくれ、まだ死にたくないんだ!」
俺に必死に懇願してくるが、俺は谷底に落とすように言い放つ。
高町
「頑張れ、応援はしている…応援だけだがな」
そう言って渡辺を三沢たちの方へ押した。
ゲシッ!
その瞬間渡辺は三沢からの飛び蹴りをくらい、「み、水色」と言い残し倒れたが最後の言葉を聞いた三沢が顔を赤くしながら、顔を殴っていた。
(御愁傷様)
心の中でしっかり合掌して渡辺たちの方を近くにいた子供たちに見せないように奥の方へ追いやり、相沢たちの方へ向き合った。
高町
「さて、買い物は終わったのか?」
相沢は若干顔をひきつらせながら、
悠子
「は、はい、なんとか終わりました」
高町
「あー、一つ聞きたいんだがアレは何時もあんな感じなのか?」
後ろで起こっている悲惨な出来事を視界に入れないように指を指して言う。
秋那
「いや、普段はあそこまではしないな…」
(だろうな、普段からあそこまでやってたらどれだけ最強なんだよ?)
高町
「で、アレは止めたほうが良いのか?」
秋那
「止められるなら止めてくれ、少なくとも私には無理だ、本当は私も殺ろうと思ったのだが…」
(今何か聞こえちゃいけないことが聞こえた気がするが、いや俺は聞いてない、うん何も聞こえなかった、よしオッケー)
高町
「じゃあ、俺が止めてくるとするか」
悠子
「で、でも今行ったら危ないですよ?」
高町
「大丈夫だ、ああいうバカ共の対処法は心得ているからな」
そう言って、いつまでもバカやってる二人の方へ振り向き歩いて行く、振り向く前に何故か相沢が鬼でも見たような顔をしていたが気のせいだろう。
高町
「いつまでやってんだ、バカ共が!!」
ゴンッ!!
無亜・渡辺
「いたっ、(ぎゃっ)」
二人の脳天目掛けて降り下ろした拳骨は、見事にバカ二人の頭に直撃して変な声を上げて頭を押さえて涙目でこちらを睨んでくる。
無亜
「い、いきなり、何すんのよ?」
不満そうな顔で言ってくる三沢だったが、よほど痛かったのだろう渡辺は何も言わない。
高町
「いつまでも、殴るな、子供の教育に良くないだろうやるんだったら一目に付かない場所にしろ」
渡辺
「俺への心配は無いのかよ!!」
高町
「何だ? まだ殴られ足りないって?」
渡辺
「ごめんなさい」
復活するのは早いが、やはり本質的なバカとヘタレは変わらないようだ。
秋那
「まさか、殴るとはな…予想外の止め方だな」
悠子
「さすがに女の子を殴るのは、ちょっと良いとは言えない気がします」
それぞれの評価をしてくれるが、やはり三沢を殴るのは不味かったようだ。
高町
「すまん、渡辺を殴って止めるべきだったな」
秋那
「それなら問題ないんじゃないか」
悠子
「確かに女の子は殴ってませんけど、渡辺くんがかわいそうじゃ…」
渡辺
「良かったー、俺にも助けてくれる人がちゃんと居たー!」
渡辺は泣きながら抱きつこうとするが、
相沢
「わ、渡辺くん、止めてください」
ドゴッ!!
渡辺
「かはっ!」
相沢が放った一撃は鳩尾を捉え、渡辺は気を失っていた。
高町・秋那・無亜
「………」
悠子
「え? あわわわわ、渡辺くんしっかりしてください、ど、どうしよう」
言葉が出ない、いや出せないと言った方が良いのだろう、今この場にいる相沢以外の奴等は皆静まり還っていた。
(ある意味、相沢がこの中で最強かもしれない)
本当に有りそうな事実に恐怖しながら、相沢はなるべく怒らせないようにしようと誓い、やられた渡辺にしっかりと合掌しておいた俺だった。
悠子
「渡辺くん起きてくださーい!!」
〜〜〜side高町end〜〜〜
第二十二話・屋上にて
前編 完
いかがでしたか?
楽しんでいただけたら、良かったのですが、つまらなかったら申し訳ありません次回こそは一週間以内に投稿したいと思います。