第二十話・別行動中編
今回は視点変更がかなり多いのでややこしいかもしれません
〜〜〜side無亜〜〜〜
私たちは今日の目的である掘り出し物の服を探すため2Fの洋服売り場を目指してエレベーターに乗る。
此処の商品は安い事が有名で時には他の町からもやって来る人もいる。
その為欲しい物が売り切れる事がよくある。
だから人数を増やしたり、最初から目的を決めてそれだけを買う、いつもは前者を選んでいるのだが、今日は渡辺も居なくて臨時に手伝ってくれる高町もバイクの整理をすると言って手伝いに来ないそうだ。
そうしているうちにエレベーターは2Fに着いてドアが開いた。
わぁー!
今の状況を説明すると此処等一帯はセールと言う名の戦場と化している。
辺りはお客さん達の声で満ちていて、何故か子どもの泣き声まで聞こえている
しかし、私たちにも目的が有るので、戦場の場所に向かう。
無亜
「悠子ちゃん、秋那ちゃん私たちも行こう」
二人共頷き、服のセール場所に走る。
こうして私たちは戦場に入っていった。
戦場に入ってから直ぐに私は妨害にあった。
オバサン
「邪魔よ!」
ドンッ!!
私は買い物に来ていたオバサンに押された。
無亜
「くっ、やったわね」
ドンッ!
私は押してきたオバサンに体当たりをして少し吹き飛ばす。
オバサン
「きゃあー」
まさか仕返しされるとは思って無かったのだろう、オバサンは私に押されて転倒をした。
私はそれを放っておいて目的の水玉模様の寝巻きに手を伸ばし、手に入れた。
私は戦利品を手にして戦場から帰還した。
〜〜〜side無亜end〜〜〜
〜〜〜side秋那〜〜〜
私は得意のフットワークを生かして、買い物客の波を無理やり抜ける。
秋那
「これなら楽に買えそうだな」
今の状況から考えてそう判断する。
しかし、そう簡単にはいかないようだ。
私の前に一人の女が現れるどうやらこの人も私と同じやり方のようだ。
向こうは即座に私の前に行き、前方をブロックする
秋那
「ちっ、邪魔だ!!」
私はなんとかして抜かそうとするが、向こうはことごとく私の向かうコースをブロックする。
何を思ったのか向こうの女はこちらを向いてきた。
女
「ふっ、」
向こうはなんと私を見て、鼻で笑ったのだその明らかな挑発行為にさすがに少しキレた。
秋那
「ふぅぅー、行くぞ」
私は足に気を溜めて一気に行く。
ダンッ ダンッ! タンッ
連続で高速の切り返しをして相手を惑わす。
向こうも必死で私の前を防ごうとするが、だんだん私のスピードに着いてこれなくなって、最終的に向こうは他の人に突っ込んだ。
私はその隙に一気に加速して目当ての青い半袖のシャツを取った。
秋那
「よし! さてと他の二人は終わっているかな?」
私はこうして帰還した。
〜〜〜side秋那end〜〜〜
〜〜〜side悠子〜〜〜
今、私は目を瞑って集中をする。
私には無亜ちゃんの様に、やられたらやりかえす事なんか出来ないし、秋那さんみたいにフットワークで駆け抜けたりすることも出来ない、だから私は考える、何処をどういったら確実に目当ての物を手に入れられるか、そしてイメージする自分の速さと、人の集まり具合を、そして私は結論を出した。
悠子
「うん、このルートなら私だって!」
そうして決めたルートを駆け抜ける。
運良く予想が当たり、何の障害も無く、私は目当ての薄手の灰色のズボンを手に入れることが出来た。
悠子
「やった!」
思わずガッツポーズをしてしまい、その辺の人に見られたので、そそくさとその場から立ち去り、集合場所のエレベーター前に帰還した。
〜〜〜side悠子end〜〜〜
〜〜〜side無亜〜〜〜
私は集合場所のエレベーター前に着いた時は誰も居なかった、どうやら私が一番乗りのようだ。
少し待つと秋那ちゃんが来た。
秋那
「無亜が一番乗りか、今回は私の敗けだな」
そう、私たちは別行動するときはいつも誰が一番早く自分の買い物を終わらせられるか勝負しているのだ
その後秋那ちゃんと話していると、悠子ちゃんもやって来た。
悠子
「今回は私がビリですね、でも次は負けません」
私はふと疑問に思ったことを言ってみる。
無亜
「ねぇ、そういえば私たちの買い物が終わったのはいいんだけど、どうやって高町に知らせるの?」
これは結構大切な事だ何故なら荷物は結構あるし、下に下りても居るかどうかわからない。
嫌な空気が漂うが悠子ちゃんがそれを直す。
悠子
「えっと、大丈夫ですよ、私、高町さんの電話番号知っているんで」
その言葉に私と秋那ちゃんは腰を抜かした。
無亜
「なんで? いつの間にアイツの電話番号聞いたの? そういえばさっき来るのが遅かったけど、だからか高町に聞いてたのね?」
私は何故か悠子ちゃんを追及していた。
悠子
「え? 高町さんが何か用が有ったら呼ぶようにって言ってたからアドレスと電話番号を教えてもらっんですよ」
秋那
「成る程、二人の仲はかなり進展しているみたいだな、それでどっちから告白したんだ?」
秋那ちゃんの中ではいつの間にか高町と悠子ちゃんが付き合っていることになっているようだ。
悠子
「ちっ、違いますよ、誤解ですよ私と高町さんはそんな関係じゃ無いですよだからそんなこと有るわけ無いじゃないですか」
必死で否定する悠子ちゃんを秋那ちゃんが面白がって更に追及する、私も一緒にからかっていた。
暫くして悠子ちゃんが
「もう、いいですよ、二人共絶交です」と言った時は本当に焦った。
そして二人で必死に謝ってようやく許してもらった
無亜
「まあ、気を取り直して悠子ちゃん高町に連絡とってくれる?」
悠子
「はい、ちょっと待っててください」
そう言うと悠子ちゃんは携帯を取りだし、慣れた手つきで高町に連絡を取る。
悠子
「二人共待ち合わせ場所は何処にしますか?」
無亜
「屋上でいいんじゃない?」
と私は提案してみる、その提案に二人は乗ってくれて待ち合わせ場所はこのデパートの屋上になった。
無亜
「じゃあさっさと行きますか」
その言葉に私を含めた三人は屋上に行くためにエレベーターを待った。
〜〜〜side無亜end〜〜〜
〜第二十話・別行動中編〜
完
次回はようやく合流したいと思います。