第八話 第二の殺人 高性能解析ピンポイントズーム
翌朝、AM6時半頃、涼は昨日の事が気になり旅館の玄関口まで一人きていた。
「(やっぱり、あの花火、気になる。見に行ってみよう!)」
涼は旅館の外に走り出した。
「確か、緑色のでっかい花火はこっちの方角だったよな」
緑色の花火が上がった方角に走ってきていた。
涼はここの地理を知らないものの走って工事現場のあるところまで来ていた。
その時だった。誰かが来た。
「師匠、置いてけぼりなんてズルイっス」
何と翔が息を切らしビデオ片手に走ってきた。
「翔か、起こしちまったな」
「気になってきたッス」
翔は息を切らしているにも関わらず、ずっとビデオを回していた。
涼が注意深く工事現場を見ていると、とんでもない光景が目に入ってきた。
「な、車が全焼してる」
「中に、人が!」
翔と涼が慌てふためき黒焦げの車に急いで駆け出した。
「し、死んでる!」
翔は腰を抜かし、うろたえその場に座り込んだ。人は黒焦げでピクリとも動かない。
「焼死か」
涼は眼光を光らし、注意深く見遣った。死体の人は誰だか、判らないくらい焦げていた。
「ん、鏡?」
車の近くで鏡の破片が置ち、涼は訝しげな面持ちで破片を拾う。
何か懸念しているようだ。
「どうしたッスか? 鏡の破片がどうかしたッスか?」
「ん、いや、何でもない」
そういい、涼は鏡を懐にしまった。
そして、全焼した車の周りを捜査するように歩き出した。
「バンパーがへこんでるな」
へこんだバンパーを一瞥し涼は訝しげな顔でいった。
「前方不注意でその立ち入り禁止の表札にキット当たったんすよ」
翔は前にこけた状態であったクシャクシャの表札の方を指差した。一瞬、涼もみやった。
「ナンバー4256のステップワゴン?」
焦げたナンバープレートを手で擦り焦げを取って後ろのエンブレムで車の車種を涼は確認した!
「な、まさか? この車は見覚えがある。確か昨日、桝居さんが乗って逃げ出した、あの車と同じだ」
涼がハッと目の色を変え直感を冴えぐらせながら言葉を乗せる。
「この人は、顔が火傷で爛れているが恐らく桝居さんだろう」
焼死体をのぞきみて涼は怪訝な面持ちで口を開く。
「!」
「おい、翔、昨日緑色の大きな花火ビデオで撮ってたよな」
「花火ッスか? 終わるまで撮ったッスよ。緑色の花火も」
「ちょっと、見せてくれ」
「良いッスよ」
翔はビデオカメラをカバンから取り出し電源パワーをオンにして涼に見せた。
「(方角が一致している!)」
ビデオの映像を垣間みて涼は目の色を変えた。
「これ以上拡大は出来ないのか?」
「何かに繋がないとこれ以上は無理ッス」
「俺のサイコメトリーコンピューターに繋いでくれ」
「判ったッス!」
翔がコードをポケットから取り出して、サイコメトリーコンピューターにデジタルビデオカメラを繋いだ。画像がコンピューターに再生された。
「このコンピューターは解析用の機能がついてるんだ。ピンポイントで解析用のズーム機能を使えばこの通り」
サイコメトリーコンピューターに映し出された映像がピンポイントで大きく映し出された。
花火が大きく映し出された。だが、これは一体?
「こ、これは車!」
「そんな? 車が燃えてる。緑色の花火じゃなかったッスか?」
「これは、殺人だ。事故じゃない!」
懸念し二人とも見境のない殺人にしばらくの間、口を閉ざした。
表情には悔しさがにじみ出ていた。
「しゃあねぇ、警視のスマホに繋げるか」
涼はアプリをクリックした。それは顔を見て話しができる、TV電話のようなものだった。回線が繋がった。
「あら、どうしたの涼? わたし、今朝風呂でたところよ。ほら、こんな感じ」
野志穂警視は部屋の鏡の前でバスローブを身にまとっていた。豊満な胸がプルンとわざと涼に見えるようにスマホを移動させアップに映した。
涼は思いっきりみえたので顔を赤らめた。どうやら警視は年下好みのようだ。
「野志穂警視、頼むからセクシーなかっこで朝から誘惑はやめてくれ。朝っぱらから済まないが、第二の殺人だ! ちょっと来てくれ」
「あらそう、つれない子ね。判ったわ、すぐいくわ」
野志穂警視が下着を着ながらいった。
涼は野志穂警視の部下だが、事件がなければ、いつか襲われるだろう。間違いなく。
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