第九話 犯罪組織インフェルノ
少し時間が経ち野志穂警視が第二の殺人現場に到着した。
「ほんとね、花火と思ったら車だったのね。よく撮っていたわね」
サイコメトリーコンピューターのピンポイントアップ映像を見て野志穂警視はいった。
「でも、涼、犯人がその場にいるようには見えないわ」
腕組し黙考しながら、野志穂警視はいった。
「表札に当たったのね。バンパーがクシャクシャね。その反動で炎上したのかしら」
燃えた車の辺りをクルクル回り、腰に手をつきながら続けて話していく。
「いや、真相は他にあるんだ」
「でも師匠、この炎上しているときの緑色の火は一体なんすかね? 花火が落っこちてきて当たったんですかね?」
翔がサイコメトリーコンピューターを注意深く見遣った。
「ほんとおかしいわね。ガソリンに引火して炎上したとしても緑色にはならないわね」
見遣り野志穂警視は大きな胸を揺らしセクシーなポーズで訝しげな面持ちを見せる。今にも覗き込んだ反動で大きく開いた胸元が見えそうだった。キャバ嬢みたいな警視だ。
「インフェルノだ」
涼が何かを見つけた。車のボンネットを擦った。
すると妙なイタリア語が現われた。
「インフェルノの完全犯罪だ」
続けていい、涼はボンネットに書かれたイタリア語を見た。
「インフェルノは犯罪組織。誰がやったなんてそんなこと隠す必要もない。くそッ、ベリアル! 第二の殺人を許しちまった」
悔しそうに涼は舌打ちする。その時だった。
ピピピ
「いけないわ、涼、警報サイレンよ! 逆探知されてるわ」
野志穂警視が間髪をいれずいった。
「くそ、サイコメトリーコンピューターの電波ステルスを突破しただと?」
急いで涼はサイコメトリーコンピューターのキーを叩き、防御プログラムを修復し直す。
途端に何かの妙な文字が現われ始めた。
「何だ、この文字と画像は? 送ってきやがったな。ベリアルめ、挑戦状か?」
急いでサイコメトリーコンピューターを一瞥し、出てきた画像にこびりついた。
出てきた画像は悪魔ベリアルだった。余りにもグロテスクだった。
「時は命を削る。今日、仲間の名だたる死にもって報いよ。5JH209OZMY4M86W?」
眉間にしわを寄せ、涼は訝しげな面持ちを見せて投げかけられた謎に挑戦していく。
「わかるの、涼?」
胸元が見えそうなくらい野志穂警視は屈みこみ、涼の後ろからサイコメトリーコンピューターに映し出された、画像データに注目した。
「なるほどな。これは恐らく三文字置換法だな。上等じゃねーか! 任しとけ解いてやる」
「5JH? 209? OZM? Y4M? 86W? 何のことだ? 置換するとH9MMW」
黙考し涼はすんなりとキーボードを巧みに操る。顔色が変わった。何か閃いたようだ。
「解読完了! 判ったぞ! 恐らく時間のことを言ってるんだ。これは殺人予告だ!」
あっさりと訳の解らない暗号を涼は解いた。鮮やかな解き具合に一同がびっくりし、唖然となった。
「ベリアルの前文から推測して『H』は時間、『9』は時刻、次に『M』は曜日、『M』は仲間! 最後の『W』は恐らく名前」
暫しの間、沈黙が疾った。
「だとしたら、今は何時だ、翔?」
「ちょうど、8時50分ス!」
翔は腕時計を見ていった。
涼はベリアルの送ってきた挑戦状のウィンドウに答えを入力していく。
すると、サイコメトリーコンピューターの画面にウィンドウが出た!
『よくぞ解いた、蒼キ竜ヨ! 地獄への誘いだ。お前たちの仲間を殺す!』
ベリアルの悪魔みたいな声と文字が一緒に画面に出てきた。明らかに見据えている。
「ふざけやがって! 上等じゃネーか、ベリアル! デリート」
涼は興奮して拳で地面を叩きデリートキーを押した。
『おまえたちの仲間を殺す!』
何やらデリートボタンを押すと画像がまたメッセージとともに出てきた。
「くそッ、デリートするとファイルが開くようにプログラムされていたのか」
ハッと我に返ったように後ろを振り返った。
野志穂警視がセクシーなポーズでズット見ていた。
「月曜日? W? 若菜だ、若菜が危ない!」
目の色を変え、急いで涼は立ち上がった。
「よし、ベリアルのデータは完全に消去した。翔、帰るぞ!」
「了解ッス」
涼がけたたましく旅館の方へ走っていく。翔は続けて涼の後を追っていった。
「……」
野志穂警視は暫くの間、何かに気付いたのか、現場をズット見ていた。
☆☆
第十話につづく。感想お待ちしてます。UP予定。
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連載再開です。
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