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「私はむしろ見て欲しいわ、国民の為の私なの!」
そうだよな、お前はそういう女だよな、八島。
阿佐ヶ八島い。その言葉が彼女を傷つけたろう。頑張っても頑張っても、比較的アイツはでも部活に委員会にと頑張ってた。押し付けられた体育祭委員だってもな、ただ相方の男が阿佐ヶ谷アネとなんてって馬鹿にして嫌がって逃げても。
それが今や頑張れば頑張るだけ評価されているよ。異世界で一発逆転だ、それは何よりも責任感があっての話。
「ゆ、勇者部、さっさと片付けて行くよーー!」「了解了解ぃい、さっさと消えろってぇ!」「我らダンジョンをこけにしよってぇ、人間めがよぉ!」「行かねばならん、ダンジョンを舐めるなよ人間ごときがァ――!」
大激突。
ダンジョンVS勇者。一つの悪意の凝縮と人類の希望のカタマリとが戦い合っている。
他のヤギ共は勇者部の5人で倒す気らしい、大島が先手を打つべく肉を脈打たせ、相手はそこへ集中砲火を「俺達もやろう。クラスメイトが戦ってる、雑魚をやるぞ、減ったとはいえ大変だからな!」
「おぃ本気かよぉ!? お、俺さ……でもさ、アッチ――もしかしたらお手できるかなってさ、5本もウデがあるアレにさぁ……?」
おたけオマエさぁ……、可愛い声なのに思ったよりジャンキーなのヤメろよな。ぞくぞくしてんじゃないよォ!?
ボス戦はもう回収不可能って? いや、そうだよな。そうだわ、でも安心しろよ、激しい戦闘には近づけないんだわ、カヌヤですらそれを見て戸惑ってるって。
ワンチャン、ギャルの前向きは、でも行く気か。しかし俺へと助けを求めるが如何せん奴が邪魔!
でも実際……、ホントに近づいて良い相手ではないかもしれないなと。その時ふいに肉片が飛び散るんだ!
「おぉおおおオ! お喰らいなさいよ、キメラさん!」「ぎゃびぃいい!?」
ばしゃっ! ぼた……ぼたぼた――。
ぐげげ……? げえぇ? あ、グロいやつだ、ヤバいヤバい、ばきキ――バキィ!と肉だけが、しかもお強いんでしょう? そのニクをうごめかせて動いて来るから、それらが生を持ち始めて兵を襲うぞ、かなりの量で。
「ぎっ、ぎやあああ!?」
食われていく食われてイク。絶望の肉片はそれほど多くを求めずに食える量から、胃に穴を開けて食い破り。耳を食い散らかして文字通り筋肉だけで絞りあげて次は腕ごと引き裂き、血をすすってその中へと入っては内側から棘のような。
「ダメぇ! 待ちなさい!」
するとがんばれるーにゃが肉片へと踊りで魅了をかけた、肉片がちびまる子へと恋をしたんだ!
「ぐげぇえぇ……―――――――――、しゅき――」
それで逆に攻撃を仕掛けていくんだよ、見事なまでの肉片との連携。逆に奴らは仲間に襲われる恐怖で驚きの声を上げた。
「さぁ、私を好きな肉片たち、人間を守るの!」
衝撃的な映像とともにその共食いをもって人間を守る、ちびまる子は笑った。金髪で笑ったんだよ。いや……強いけどさ、少しは考えて欲しいんだわ。
どこどこドコ……っと走る肉たちが一斉に戦い始めている、俺らはそれだけでもうお腹いっぱいだ。でもアレならお手できるぞ?ってジョーダン言ったら走り出すんだわ。
もう勘弁してくれよォ!?
戦うが、強い。どれもこれも一対一で勝てるレベルにない。
「やはり強いかもぉ」「でもまだまだぁ、勇者部もっと声出してけーーェ!」
「でも力だけじゃ限界来るってぇ、こんな……、こんなの、う、うわぁあ!?」
泣き言言ってても。
一番辛いその勇者を助けて真田が豪腕で振り抜く、風ごと切り裂いても、それでも微動だにせずキメラ。蜘蛛の一撃は炎をまといて複合攻撃、激しいウデ5本での突き突き、突き突きツキ、それで一体で複数体のような、大地を焼け焦がす一撃を!
「姫……っ、ヒメぇ!? もはや限界です、王族の方はもちろんですが含めて貴族の方もお逃げ下さいと、そうご命令をっ!」
「いいえ? わたくし達を守るのはアナタ達の仕事でしょう。何をやっているのよ、今は一番楽しい特等席よ、しっかりなさい――」
貴族へも大丈夫ですと、その冷淡な言葉に震える。美しい髪を払う姿、しかしそれは不意の爆発が。
「姫ぇええ!?」
兵がその最大を振り絞っての魔力だけを捻じ曲げた、上へと逸らす――。しかし発火だ、無理をして焼けただれた、燃えた、男が必死に天を向くんだ、震える事しか、白い煙を上げていて。
しかしそれでも動かないんだよ、一瞥すらくべずにもっと焼き付けるように彼女は。
「しっかりお守りなさい……。カノジョたちはこれから旅立つのよ、わたくし達がやれる事をやるわ、これこそが仕事なのよ――」
微動だにせずにその戦いの一挙手一投足を見守る姫は。切り裂くような衝撃波からも引かない、ただただ部下たちが守り続けている。
あれは……そうね。真田さんは恐らくサリナス王家の能力までは育っている、篠崎さまは。ならばもう少しだけ剣の……、ですがソレでは――。
「勇者部、負けんなーーっ!」「行くってば、ねぇこういう時に行かなきゃだ――」
震えている、勇者部も震えている。
勇者は最前線でなんとかコブシを振るうが、一人ではもうにっちもさっちも行かないか。一気に心細い。
「だったら我らが行く――!」
それらが前へと出るんだ、しかし明らかに不足で、あのイケメン軍団の4人だよ。しかし戦闘技術はなかなかとも言えるなと、一線級の騎士としての振る舞いと貴族らしい強さを。もう逸らすだけも良いと、盾になれるならとキメラへ立ちふさがり。
「気骨あるな……」「イッケェエエエ、炎雷・焦撃波ぁ!」「我は放つ、氷という名の誇りを――」
その一番強いはずの化け物へと助けに入って行く気概、勇者部2対1でもギリギリだったキメラへと凡夫・凡作が。5枚揃っても例え。
「腕が多いならさ、俺らが一本ずつで引き受けようぜェ!」「愚かな……、愚かです。ですが賛成しましょうかぁ!」
なかなかどうして、連携は緊密だ。その蜘蛛の足へと確かに確実に全員で牽制に入り動かさない。その間に勇者が剣を渡されて回復するが、この炎が面倒か。
一射で吹き飛ばされてやはり阿佐ヶ谷勇者が弾かざるを得ず。回復したいのだが。
明らかに力不足・現象不足・生きていて不足、だがそれでも意地でも立つんだ、氷の壁を張って、炎の連撃が来たのを考え抜かれた三角で逸らすか。いや、それも無理だと知っている、持って秒かよ。すると赤髪のが先端を割って自らを盾に逸らして炎を受け止め。
晴らし――。
「はぁ……はぁ……、俺が、守りますってェ――!」
ただし発火。親和性で引き受けるがそのイケメンの必死な顔にも、それでも必死な顔同士、分かり合うのが戦場。
万全の勇者の再戦。
ただ少しだけそれは悔し気にも見えたが。
「やはり……、劣るのか」




