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サバゲー番長異星転生  作者: 龍に本
第二章 渋いR空間
11/16

バーチャル・リア旅館

ゲームが終わり、

ソーコムの長いサイレンサー辺りを、

軽く肩に担ぐ様に、

感心しながら甲ちゃんが歩み寄った。


さっきまでの反発と違い、

俺を認めたら様な明るい表情だ。



「お前凄いな…

地球でもあんなに速かったのか?」



「いや無我夢中だったし、

壁にはさっき初めて…

宇宙のVRなら丈夫だなあと…」



『番くん確かに凄かったから、

リプレイするよ~』



クティーラ博士が言うと半透明の、

俺と甲ちゃんの立体映像が現れた。


リプレイの俺は我ながら、

馬鹿みたいに叫び突っ込むが、

俺のグラフィックは崩れ、

空間が歪みバグった様だ。


ダゴン専務やクトゥルフ社長は、

元が異形にしては、

はっきりしたグラフィックゆえ、

俺のが邪神ぽくも有った。



「異世界に転生チートとは言うが、

俺は本来のゲーム反則的な意味の、

チートぽいなあ…」



「VRサバゲーのルールには、

地球人を使うとは書いてないから、

多分大丈夫だ」



甲ちゃんはAIにしては、

抽象的な事を言った。



そしてクトゥルフ社長とダゴン専務も、

俺らの会話に合流した。



「いやぁお見事!

さすがは戦闘民族地球人!

我々はゴーグルで見てからコントローラー操作でも、

番くんはデータで直接だから、

速くて迫力有るのかな?」



「うーん…」



クトゥルフ社長は両手だけでなく、

触手でも拍手し、

ダゴン専務は俺が有用で、

不満の様だ。


汗の様に鱗を落としている。



「速いのは良いですが、

あんなバグほっといたら、

全体的にバグるんじゃ…」



「その点は、

俺自身も不安かな」



批判対象の俺に同調されて、

ダゴン専務は戸惑っていた。



『まあ技術的な事は、

博士のあたしが何とかするし、

次はアウトドアサバゲーの試合組むから、

それまで番くん上で休んどいて』



上とは何だ?

このインドアサバゲーフィールドは、

地下だったのか?


窓は無いが階段有るな…

上がってみると一階には、

なんと!風情有る広大な旅館!



「木の柱とか土壁とか、

VRとは思えん風情だな…

創業100年以上は有りそうな…


ホテルみたく土足で上がれるが…


てか見覚え有るぞここ!?

伯父様のか?」



伯父様はお袋亡くなって、

いつの間にか俺から、

家督や財産奪ったのは許せん。


だが所有している旅館センスは、

良かったんだよなあ~

ただの格天井でなく、

折上格天井だし!


夏休みや年末年始とか、

よく親戚一同集まったな~


暴走AIに勝った宇宙飛行士が、

宇宙人の凄い謎空間越えたら、

意外と平凡な一室だったりした映画有ったが、

俺にはこうか!?


AIと共にだったり、

宇宙人はっきり出たり、

予想より和風だったりな違い有るが…


黒くて固いから、

銃がモノリス枠?


大きく四角い板て定義なら、

さっき飛び越えたインドアフィールドの壁か?



「おいチェックインするぞ。

お前の名前は番長一だよな?」



俺がVR旅館と洋画当て嵌めで、

頭いっぱいになっていると、

俺のAIは反抗的な割に安定して、

カウンターで宿帳にサインし始めた。



よく見ると女将みたく、

和服になったクティーラ博士と、

大旦那ぽい法被来たクトゥルフ社長が、

カウンター向かいに居る。


やはりダゴン専務は、

この旅館ノリには乗らないか…



「しかしこのVR旅館、

俺一人用にしては大き過ぎるが、

他にも地球人の魂ダウンロードしたのか?」



「それはまだ予定に無いけど、

広いのはこうするためだよ♪」



女将クティーラがレジスターを打つと、

清算でなく複数の人影が発生した。



「うわっ!?こいつらは!?

地球人ぽいが!?」



「これは魂でなく蓄積データ元に生成した、

AIのNPCだよ。


甲ちゃんほど高度ではないけど、

番くんが好きそうな偉人達を配置したよ♪」



見るとソファーに座った孫子とクラウゼヴィッツが、

囲碁で対局している!


窓を見ると外では、

三島由紀夫と山本常朝が真剣勝負!


能舞台ではルイ・アームストロングがトランペット演奏し、

ジャネット・ジャクソンが歌って、

MCハマーが踊っている!


そして中央の壁画では、

岡本太郎が「未来を見た」を描いている!


しかも旅館だからか、

全員浴衣着用でスリッパだ!


うん…確かに未来見ているぞ…

思ってたより和風に爆発していたが。



全員夢中で話しかけ辛いが、

取り敢えず一人なNPC岡本太郎に、

話しかけてみる事にした。



「岡本先生、

それ未来を見たですか?」



「おぉきみ、若いのに知っているか!?

自己模倣は嫌だから新作を描きたかったが、

そこの神々がどうしてもと聞かなくてな」



「自己模倣て岡本先生、

AIの時点で模倣じゃないですか」



「ははは!確かにそうだな。

いずれ神々の隙を見て、

べらぼうな新作をやるから、

楽しみにしたまえ」



「おい!オッサンとくっちゃべってないで、

部屋に行くぞ」



チェックイン完了した甲ちゃんに手を引かれ、

俺はエレベーターに乗る事にしたが…


なんと!甲ちゃんがハンドルで開ける、

蛇腹式の格子状内扉だった!

階数も針で指し示すレトロな、

蛇腹式の格子状内扉!


伯父様の旅館は、

エレベーターは普通だったが…


俺が古いもの好きとは言え、

渋さが徹底しているなあ…



「お前が好きな偉人、

オッサンばかりだな…」



「ジャネットはオバサンだろ!」



「お前自身マイケル並みに色白だが、

色黒な女好きみたいだな、

ふふーん♪」



甲ちゃんは鼻歌混じりで、

少し得意気にターンしてみせた。



「あぁもう到着したな、

えーと302号室だ」



甲ちゃんは再び、

ハンドルでドアを開け、

ようやく部屋の階に到着した。

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