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休憩

ウイン一行はアーサー王国の宿屋で休息を取っていた。


本来であれば、ウイン一行は全員王城で休むこともできたが、ウインが堅苦しい王城生活を嫌ったため、ルナも含めた4人は宿屋で休息を取るのがいつものパターンだった。


「救援要請が届きました。」

ルナが事情を説明する。

まさか、ゴブリンキングがヤマトで勢いをつけているのか?今ヤマトから救援要請を受けたら他の名前持ちを放置することになる。


「ヤマトからか?」


「いえ、デイブックからです。」


「デイブックか、意外な所から来たな。」


「国の方針としては、デイブックの救援要請を無視して名前持ちの討伐を行いたい所ですが、ウインとベリーの意見を聞きたいです。」

なるほど、俺とベリーの故郷の話だ。意見を聞いておきたいというのは分かる。だが、アーサー王国としては俺たちに情報を与えずに名前持ちの討伐に向かわせることもできたが、そうせず意見を求めてきてくれた。

デイブックでは考えられない紳士的な行動だな。

大体デイブックの国民はアーサー王国に移民してきてるって聞いている。

デイブックに残ってるやつは犯罪者予備軍達が多い。

俺は犯罪者予備軍より誠実なこっちを助けたい。


「俺も無視に賛成だ。」


「私もあの国は残った人は信頼できないわ。」


「安心しました。」

ルナはほっとしていた。


ルナは落ち着きを取り戻してケーキを食べていた。


ケーキを食べ終わると、

ルナはエムルとベリーをじっと見つめていた。


「どうしたんだい?」


「うらやましいです。」


「ん?なにがだ?」


「二人の男を虜にする体がうらやましいです。」


ルナはベリーとエムルの胸を交互に見た。

そして自分の胸を見てため息をついた。

「私は頑張ってレベルを上げてきましたが、胸がCカップから成長しません。」


「ルナ、俺を魔眼で見てくれ。ルナの事をかわいいと思っているぞ。」

ルナは十分可愛い。Cカップは小さいわけじゃないし、くびれがあって体の魅力も十分あると思う。


「ですがエムルやベリーの事もかわいいと思っていますよね?」


「そうだな。」


ベリーは俺の視線を感じたのか胸を腕で隠していた。


「うらやましいです。兄様にも言われました。子供っぽいと。」

多分それはスイーツ姫の件だと思うぞ。


「そういえばルナに兄がいたよな。何してるんだ?あまり見かけないけど?」


「兄様は、内政漬けの日々を送っています。兄様はこの国の次の王として、父やホープ大臣の教育を受けています。」


「なんか大変そうだな。」


「大変みたいです。朝の7時から夜の11時までスケジュールが埋まっていて、ずっと政務と稽古とお勉強です。」

この国は教育に力を入れている所がある。次の王ともなれば、勉強してませんは通用しないんだろうな。


「そういえば、ダブルビタープリンはどうなったんだろ?」

前に作ったコーヒーと多めのカラメルの苦さを合わせたプリンだ。大人向けのスイーツの販路を開拓すると言っていたな。


「順調ですよ。次のスイーツコロシアムのテーマにもねじ込みましたし、じわじわと大人スイーツの認知度は上がっています。次はビターチョコレートを広めてさらに市場を開拓する予定です。」


「ふむふむ、ディアブロ王国のお菓子はどうだったんだ?」


「ディアブロ王国は、少し前まで飢餓問題があった影響で、スイーツ店の数は少なめでしたが、これから市場は増えていくでしょう。すでにアーサー王国のスイーツ店の進出も決まっています。」


「そっかー。ルナは今スイーツの件で色々やることがあったりするのか?」


「そうです!三大スイーツ店との会合を開こうと動いていました。早速行ってきます。」


「そ、そうか、ほどほどにな。」


ルナは嬉しそうに出かけて行った。


「ウイン、君は策士だね。うまく胸の話をお菓子に逸らしていたよ。」


「私も途中から気づいたわ。」

なるほど、だから二人とも途中から黙っていたのか。


「フォローしてくれても良かったんだぞ?」


「君の戦略に割り込んで計画をぶち壊す恐れがあったんだよ。」


「私も下手にしゃべらない方が良いと思ったわ。」


「細かいことは気にせず、今日はゆっくり休むぞ。明日からまた遠征だ。」


「そうだね。今は食事を楽しもうじゃないか。夜もベッドで楽しもうじゃないか。」


俺とベリーは無視して食事を楽しむ。


俺たちの宿泊に合わせて、精鋭の騎士たちに宿屋を貸し切り、バイキング形式の食事が行われていた。


魔王とウォール、セイラだけは次の討伐準備に追われていたが、俺たちはのんびりしていた。


バンピーとメアはお菓子ばかり取っていたし、

オガは痩せた分を取り戻すように常に口に物を入れていた。

草を食む牛を連想させる食べ方だ。


良く食べるせいか、シェフ達は常に料理を作っていたし、慣れない様子で働く者も居た。

きっとたくさん食べる俺たちの為に臨時で人を雇っているんだろう。


錬金術師たちもフル稼働で武具のメンテナンスを行われていた。


俺たちの聖剣は魔力をチャージしてため込むタイプだ。

使用者じゃなくてもチャージ可能なので、この国の精鋭以外を総動員して魔力をチャージしていた。


みんなで協力しているこの感じ、デイブックにいた頃は体験できなかっただろうな。

国民の多くが寛容で協力的だ。


ここまでしてもらえると、やる気が出るよな。


風呂も改装されており、デイブック式のサウナ&風呂になっていた。


デイブック人の移住によってアーサー王国とディアブロ王国では、風呂革命と風呂ブームが起きていた。


移民してきたデイブック人の表情も前俺が居た時より明るく、活動的になっている気がした。

見た目はアーサー王国とデイブックの人間の見分けがつかないが、デイブック人は礼をする文化があるので動作で元デイブック人だと分かるのだ。


明日から討伐だな。


頑張ってみよう。



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