力をつけるゴブリン軍団
バグズ率いるゴブリン軍団は、、ヤマト本土の西エリアに侵入していた。
「グラブ、いつまでちまちま女を攫うつもりだ?」
「すこしまて。じょうほうがあつまってきた。」
このヤマト本土は、北はキュウビの名前持ちが支配している。
南と中央は人間
西はバグズ率いるゴブリン軍団。
東もゴブリンキング率いるゴブリン軍団が幅を利かせている。
「あと10かまて。」
グラブはここをゴブリンの繁殖地帯として整えてから東のゴブリンキングの勢力を飲み込みたいという考えがあった。
「分かった。10日だな!それ以上は絶対に待たんぞ!」
◇
10日後、バグズ率いるゴブリン軍団は東のゴブリンキングの元へと向かった。
バグズをゴブリンキングが出迎えるが、ゴブリンキングはバグズの傘下に収まる気は無かった。
「ナンノヨウダ?」
ゴブリンキングは、バグズと同じくらいの身長だったが横に太く、大きなこん棒を持っており、威圧感があった。
「お前たち、俺の部下になれ!俺は名前持ちのバグズだ!お前より強い!」
「クチダケ、ナントデモイエル。」
バグズのストレートな物言いにゴブリンキングは不快感をあらわにした。
ゴブリンキングはこん棒を構えた。
「力を見せないと分からないようだな。良いだろう。俺が倒してやる。喜べ!半殺しで勘弁してやる!」
バグズは不気味に笑った。
バグズはわざとゴブリンキングを挑発したのだ。
圧倒的な力でねじ伏せる。
これが一番わかりやすい。
合図も何もなく、ゴブリンキングはこん棒を振り下ろした。
バグズの魔剣とゴブリンキングのこん棒の打ち合いにより、幾重にも火花が散る。
「オマエ、ヨワイ、フセグダケ、セイイッパイ」
バグズはゴブリンキングの攻撃を薙ぎ払い続けた。
二人の戦闘はしばらく続いた。
バグズはこん棒を防ぎ続けていたが、次第に圧倒的な力の差を周りが認識し始める。
ゴブリンキングは息を切らしこん棒を振り続けるが、バグズは余裕でこん棒を払い続ける。
バグズは一切の攻撃を受けず余裕でいなし続けたのだ。
攻めているはずのゴブリンキングは焦り、奇声を上げて攻撃を続ける。
守っているバグズは子供を相手にするように余裕の動きを見せる。
攻めているはずのゴブリンキングは明らかに窮地に追い込まれていた。
バグズは口角を釣り上げた。
「どうした?もっと手を抜かないと耐えられないか?」
「ウルサイ!ウルサイ!」
ゴブリンキングの必死の攻撃をバグズは薙ぎ払い続けた。
まるで獲物を弱らせて遊ぶようにゴブリンキングを追い詰める。
「最後の忠告だ!ここで服従を決めるなら楽に気絶させてやる!」
「ウルサイ!」
ゴブリンキングに余裕はなく、その姿は大人に歯向かう子供のようにさえ見えた。
バグズはゴブリンキングの皮膚を少しずつ切り刻み始めた。
いたぶるように少しずつ弱らせていった。
「早く動け!また切り刻むぞ!」
この拷問はゴブリンキングが倒れて動けなくなるまで続いた。
「・・・シタガウ。」
「もっと大きな声で言え!」
「シタガウ!」
「もう一回だ!」
「シタガウ!オウトミトメル!」
「俺に服従すると誓え!」
「バグズニシタガウ。」
「バグズ様だ!」
バグズが殴り飛ばす。」
「バグズサマ」
バグズは最後にゴブリンキングを蹴り飛ばした。
周りのゴブリンは理解した。
新しい王の存在を。
逆らったら殺されると!
ゴブリンキングを倒したことで、バグズは本土すべてのゴブリンを傘下に収めた。
◇
グラブは斥候を総動員して人間の兵の分布を調べた。さらにさらった女からも徹底的に情報を引き出した。
この情報を元にバグズは、効果的に女を攫い、繁殖し、勢力を拡大していった。
さらに魔物を狩り、精鋭部隊の強化も行う。
この国は北に名前持ち『キュウビ』の脅威を抱えていた。
キュウビが暴れるタイミングで裏からゴブリン部隊を進軍させることでさらに勢いを増していく。
決してキュウビやヤマトの本隊とは戦わず3つ目の勢力として力を増していた。
バグズの残忍さと統率能力
グラブの軍師顔負けの戦略
この2つが作用し、ゴブリン軍団の勢力は急拡大していた。
バグズが不満を漏らす。
「グラブ!ヤマトの本隊を叩くぞ!雑魚の相手は飽きた!」
「ほんたいはまて。まだそのときではない!」
グラブは説得を試みる。
まだ時期ではない。
まだ今は勢力を整える時期だ。
だが、バグズの不満は予想以上にたまっていた。
「もうお前の言うことはきかん!俺の好きなようにやらせてもらう!」
「わかった。しろぜめはどうだ?」
グラブはバグズを抑えられないと判断すると、別の案を用意した。
城攻めだ。
ヤマトの本土には複数の城がある。
城は防衛の砦としての役割が大きく、バグズが攻めるのにうってつけだと判断したのだ。
ヤマトの本隊との戦闘を避け、周りの城を攻めてもらう事で、城下の女をさらい、勢力を拡大しつつ、バグズの鬱憤を晴らす狙いがあった。
「城攻めか!面白い。お前の案に乗ってやる。」
「せめおとしたあとはおんなをさらっててったいしたい。」
城を占拠してしまうと、ヤマトの人間の本隊に取り囲まれるリスクがあった。
撤退することで、人間どもにゴブリンが逃げ帰ったと錯覚させ、ゴブリンの脅威を認識させにくくする狙いもあった。
「攻めた後は任せる。好きにしろ!」
グラブは安堵する。
グラブには目標があった。
100万のゴブリン軍団を作る。
レベル100の壁を突破するゴブリンを100体以上育て、超精鋭部隊を編成する。
さらに最強の武装を精鋭部隊すべてに装備させる。
これにより本土をゴブリンの国にするのだ。
ここまで進めれば、世界をゴブリンで支配できる。
◇
ヤマト東部の城
「他愛もない!」
バグズは、城の防壁に陣取る兵に対して先陣を切って突撃した。
後ろからはゴブリンキング率いる軍団が続き、あっという間に城は占領された。
同時進行でグラブが城下の女を確保し、連れ去った。
バグズは表門から城へと侵入し、最上階に上りつつ人間を殺して回った。
わずか7日の間に、城は落ち、女をさらい、バグズ達は撤退した。
ヤマトの本隊が到着するころには、城にゴブリンは居らず、城主も兵もすべて殺されていた。
ヤマトの人間は本来ならばすぐにゴブリンの討伐に動くべきだが、様々な問題を抱え、行動に起こせずにいた。
もちろんそれは、徹底的に情報を集めたグラブによって計算されつくした結果であった。
最後までお読み頂きありがとうございます!ここまで少しでも、ほんの少しでも面白いと思っていただけた方はブクマ、そして下の☆☆☆☆☆から評価をお願いします!




