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名前持ち バグズ②

戦いが始まり、矢の打ち合いになるかと思われたが、ゴブリン側は矢を打ってこず、一方的に連合軍側が矢を打ちこんだ。


魔王は左翼に展開し、オガに守りを任せてエムルと魔王がブラックホールを撃った。


右翼には前衛にルナとベリーが聖剣を持って立ち回り、後ろからチョコとバンピーが魔法と矢を放った。


中央のセイラ、アカ、ウォール、メアも、魔法やスキルを使い、次々と敵を倒していく。


3万のゴブリン軍団は一気に数千まで数を減らす。


兵士はこちらの圧倒的な攻勢に興奮していた。

「いけるぞ!俺たちの圧勝だ!」



「気を抜くな!相手は名前持ちだ!何をしてくるかわからん!」


ウインはアーサー王の隣で、ゴブリンキングのステータスを見ていた。


____________________


名前持ち バグズ オス

ゴブリンキング レベル280


スキル

同族支配


固有スキル

剛力

疾風

キングタイム

____________________


俺はゴブリンキングのステータスを読み上げた。


「正確なスキルの詳細はルナに聞かないとわからないな。」


「うむ、気になるのがキングタイムだな。周りを強化する特性なのか、それとも、何か特殊なものなのか?」


「ルナに聞いてこようか?」


「頼む。」




俺はルナを後ろに下がらせた。

「ルナ、ゴブリンキングのスキルの詳細を知りたい。特に固有スキルだ。」


「見、見えません。」

ルナは少しだけ背が小さく、ゴブリンキングを視認することが出来なかった。


ウインはルナを抱えてジャンプし風魔法を使った。

ウインとルナは宙に浮いていた。


「見えるか?」


「はい。剛力は筋力50%アップ、疾風は敏捷50%アップ、キングタイムは自身の戦闘力を3分間2倍にします。通常スキルの同族支配は自身より格下のゴブリンを支配します。完全支配できるのはレベル100未満です。」

キングタイム強いな。ブレイブのスキルの上位互換じゃないか。

ただ、幸いなのは仲間のゴブリンさえいなければ、物理特化で癖のないスキルだ。

名前持ちの固有スキルは、特殊なことが多い。

俺はひとまず安心した。



俺はルナを抱えたままアーサー王の元に戻る。


「ルナ、アーサー王に報告を頼む。俺はそろそろゴブリンキングを倒しに行きたい。」


「まだ待ってほしい。」


「あいつ後ろに下がりそうな気がするんだよな。」


「なにかはわかりませんが、何かを企んでいるように見えました。」


「あいつ、港の方に逃げていくぞ!追いかける!」


「待ってくれ!」

アーサー王はウインを制した。ルナの話が引っかかったのと、前にいるゴブリンを放置することが出来なかったのだ。

下手をすればウインが敵に挟み撃ちにあう。

さらにその状態でバグズの攻撃を受けさせるわけにはいかなかった。




ゴブリン軍団を無事に全滅させると、1時間ほどの休憩をはさんだ。


矢などの物資の供給に時間がかかったためだ。


「バグズを追うよな?」


「追うしかあるまい。ただ、ルナの言っていた『何かを企んでいる』というのが気になるな。」

魔王も何か引っかかるところがあるようだ。


「バグズのスキルは特殊なものではなかった。わからんな。何を企んでいるのか・・・」

アーサー王も考え込む。


「首都の中に人や魔物の気配もない。ルナはどう思う?」


「分かりません。何を考えているのかまではわかりませんでした。」


「俺が港を斥候してこようか?」


「うむ、その方が良いな。」


「深追いは無しにしてすぐに引き返してほしい。」


「分かった。行ってくる。」







「・・・・・これは、」

ウインはすぐに引き返した。







「ウイン、早かったな。」


「ああ、港の近くにゴブリン軍団がいる!数は約3万だ。さっきより強い奴が多い。それと気になったのが、バグズほどではないけど、一体強い反応を感じた。」


「陣形を組んでいたか?それとも船に乗ろうとしていたか?」

陣形を組んでいればこちらを迎え撃つ可能性が高く、船に乗ろうとしていれば、他の港が危険にさらされる可能性が高くなるのだ。


「陣を組んでいるように見えた。」


「まずいな。数はこちらと変わらんが、こちらは疲弊している。バグズの他にも強い個体がいるか。」


「ウイン殿、他に気になった点はないか?何でもよい。」


「うーん。罠の反応もなかったし、バグズの武器が強そうだったくらいかな。」


「そうか。進軍するしかないと思うが、他に意見はあるか?」



「うん。それ以外に思いつかないな。」

「私も進軍に賛成だ。」

アーサー王の意見に俺と魔王は同意した。


こうして連合軍はゴブリン軍団へと迫った。




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