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ベリーにご褒美デート

俺たちはアーサー王国に来ていた。

理由はディアブロ王国にいた時までさかのぼる。





「ウイン、あのね、えーとね」

ベリーがもじもじする。

近くで見ているルナとエムルはにこにこしていた。

いや、二人はにこにこしていることが多いんだけど、いつも以上ににこにこしていた。


俺はベリーの言葉を待った。


「ご褒美をほしいの。」


「ご褒美?」


「だからね、エムルとルナのレベルが80になった時のご褒美があったでしょ?私もご褒美がほしいのよ。」


あ、あったな、忘れてた。なんか色々あって最近大変だったからな。


「ご褒美の内容は決まってるのか?」


「アーサー王国でウインと色々見て回りたいのよ。」


「デートかい?うらやましいよ。」


「二人で見て回りたいのよ!」


「若い男と女が一緒に街を見て回るのはデートだと思うよ?」


「観光よ!」


「うん、デー、観光にはいつ行きたいんだい?」


「今から向かいたいの。」


「行こうか。と言いたいけど数日は待ってほしい。」


「わかったわ。」







・・・・・ということがあった。


最近アーサー王国とディアブロ王国を行ったり来たりしすぎてるよな。



そんなわけで今から出かけるんだけど、ベリーの準備待ちだ。


俺は宿屋のロビーで待っていた。


「お、おまたせ。」


「早速出かけようか。」


ベリーは白いワンピースを着ておりいつもと雰囲気が違った。


「ベリー、今日は雰囲気が違うな。」


「そう?変かな?」


「いや、新鮮で良い感じだ。」


「そ、そう。」

ベリーが少し赤くなった。


「前に言ったけど俺街は詳しくないんだ。調べる時間も取れなかったんだ。」


「大丈夫よ。ルナに色々聞いてきてるから。」


「助かる。なんかこうやってこの街を歩いた記憶がないから新鮮に見えるな。」


「ウインが忙しかったからよ。」





「どこに向かってるんだ?」


「評判の良いレストランがあるのよ。予約しておいたわ!」


「おー!楽しみだな。」


さっきから視線を感じる。

「ベリーが見られてるな。」


「そう?」


「ベリーは三大天使って言われてるんだろ?目立つんだよ。」


「英雄ウインの方が目立つと思うけど。」


「それはないと思うけど、ここか?」


「そうね、入りましょう、」


店に入るとこっちをちらちらみながらのひそひそ声が聞こえる。やっぱり、ベリーは見られてるんだ。


「ウインは何にする?」


「普通にパスタとサンドイッチにする。」


「私はパスタにする。」


「ケーキもあるぞ。いや、俺も頼むから一緒に頼まないか?ゆっくり話もしたいし。飲み物も頼もう。」


「そ、そうね、ウインが頼むなら私も頼むわ。」

ベリーはルナほどではないがお菓子が好きだ。


俺たちは注文を済ませるとまた話し出した。


「こういう風に話をするのも久しぶりだな。」


「そうね。」


「俺、アーサー王国にベリーが来た時に心配してたんだ。」


「え?」


「ベリーが泣かされてただろ?これはまずいんじゃないかと思ってたんだよ。」


「む、昔はそんなこともあったわね。」

ベリーは赤くなる。


ベリーの頬に手を当てて言った。

「ベリーってさ、前より恥ずかしがるようになったよな?」


「そんなことないわょ・・・」

ベリーはさらに赤くなった。


「ベリーが恥ずかしがってるのって可愛いよな。」


「なによ・・・・」

真っ赤になった。


「もし恥ずかしかったら、向かい合って座るんじゃなくて並んで座ってみないか?」


「うーん、そうね。」


「というか、さっきから視線をすごい感じるんだけど。後見られるとき、にやにやしながらみられてる感が半端ないぞ。」


この発言で周りのみんなが露骨にそっぽを向く。


「私もそれは感じてた。」





・・・・



「ふふふふ」

「ははははは」


「隣り合って座って声を落とそう。すごい聞かれてる。」


「そうね。」


俺はベリーの耳元で小さくささやいた。


「結構旨いな。」


ベリーがビクンと反応した。


「ん?」


「ウインの声でぞわっとするのよ。」

ぞわってなんだ?

まあいいけど。


俺たちはそのあとあまりしゃべらずに店を出た。





ウインとベリーが店を出た後。紳士と淑女は二人の話で盛り上がっていた。


「初々しくて良いですなー。」


「ですわね。特に私は耳元でささやき合っている時のあの感じがたまりません。」


「青春ですな。」


「ああ、もっと見ていたかったですわ!」


「私もです!」


こうして店内はしばらく盛り上がった。





その後服を見に行くのだが、店員やお客さんに見られてる感が半端ないため、早々に店を出た。


「やっぱり天使ベリーの効果は半端ないな。目立ってた。」


「ウインが目立ってるのよ。」



そこにさっそうと黒服の女が現れた。


「どうも。クロノです。今デート中ですか?お話をお聞かせください。」


「どこからかぎつけた?」


「皆さん親切に教えてくれましたよ。特にレストランでは二人の初々しさが評判で今でも

その話で盛り上がっているんじゃないでしょうか?」


「それと二人はとても目立ちますから。」


「ベリーは目立つからな。」


「いえ、両方目立ってますよ。」


「俺は目立たないな。」


「いえ、両方です。」


「俺は」


「両方です。」




・・・・・

「今はマスメディアという立場なので、嘘はつけません。」


「ウインさんもベリーさんも目立ってますよ。」


「ところで取材を」


俺は話の途中でベリーをお姫様抱っこして逃走した。

俺の斥候レベルは100だ!逃げるのは得意なんだよ!







ふ、ふふふふ、全力で逃げ切ってやったぞ!


「ベリー?大丈夫か?」

真っ赤だな。


「もう降りても大丈夫・・・」


「あ、すまんかった。」


「うんう」


「なんか、目立ってしまってうまく観光できなかったな。次は人がいないところにしたい。」


「そうね。」


「ねえ、」

ベリーは苦しそうに首輪に手を当てた。


「私ウインに秘密にしていることがあったの。」


「もし話したいんだったら聞くけど、苦しくなるようだったら今じゃなくても良いぞ。」


「・・・・・・・・・・・うーん、また今度にする。」


「そっか、帰ろう。」


こうして二人のデートは終わった。



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