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戦う臆病者①

西の町  防衛戦1日目


今までゴブリンを引き連れてくるだけだった人形の動きが変わった。


西の町を取り囲むように並びだした。


「気味が悪いな!100体近い人形か。」


人形の胸の黒い光が激しくなり人形たちは自爆し、黒い光が拡散した。


「な!まさか、自爆して一気に魔物を呼び寄せる気か!」


「魔物が集まってきます。合計で20万以上はいます!ゴブリン以外の魔物も迫ってきます!」


「空にガーゴイルか!」

約5000のガーゴイルが空から町に迫っていた。


「ガーゴイルを優先的に倒せ!」

空の魔物は防壁を無視して町の中に攻め入ってくる。

優先的に倒す必要があった。


四方八方からバラバラに迫るガーゴイルによって、集団せん滅系の魔法を使えないまま、魔王たちは疲弊していった。


「く!まとまってくれれば、ブラックホールで一気につぶせるが、これは!」

魔王は初級魔法を連発し、MPを枯渇させながらガーゴイルをなんとか全滅させた。

だが、



「みんな大丈夫か!」

魔王を始め、セイラ、バンピー、チョコは疲弊していた。


魔王達だけではない。遠距離攻撃をできる者すべてが疲弊していた。


「今日はなんとか乗り切ったか!みんな!よく頑張った!」


オガは建物の中に隠れて震えていた。









防衛戦2日目


遠距離攻撃をできるものが疲弊した影響で、町の東門はあっさり破られた。


魔王は防壁の上からアースウォールを使った。


東門の扉が土魔法でふさがれる、が



どごーん!

「爆炎の矢か!」

魔王の作った壁に穴が開いた。

爆炎の矢は何かに命中した瞬間に爆発する魔道具機能を搭載した矢だ。作成費用が高く、作るのに手間もかかるため、簡単に使えるものではない。

ゴブリンがそんな高価な物を持っていることに驚いたのだ。

実際にはデイブックで略奪してたまたま持っていただけなのだ。


矢を打ったゴブリンは後ろに下がった。


「アースウォール!」

魔王が門をふさぐたびにゴブリンが前に出て門を破壊した。


「く、またか!アースウォール!」


どごーんどごーんどごーんどごーん!


「魔王様、消耗戦はいけません!」


「ああ、そうだな、おそらく何度魔法でふさいでも、壁はすぐに壊される。」

爆炎の矢を使い切っても違う方法で門はあっという間に破壊されるだろう。


アカを中心として、魔物を討伐した。

幸い、東門に一気に魔物がなだれ込んでくることは無かったが、魔王たちは、じわじわと首を絞められるような消耗戦状態に持ち込まれていた。


最初こそ魔王側が善戦したものの、皆の疲労により、苦戦を強いられた。


オガは東門が気になり、建物の中から外を覗いた。




アカが傷を負いながら戦っていた。


他の者も必死で戦い、どんどん追い詰められているのがわかる。


子供の泣く声が聞こえる。


戦場には倒れて動かなくなった人・・・


こわいこわいこわい


「おらこわいだよお!」


その時アカの叫び声が聞こえた。


「がああああ!」

みんなを守るために前に出て、ゴブリンに囲まれ、ゴブリンから傷を負ったのだ。




「おらが出ねーと!おらがやらねーとあか姉が死んじまうだ!おらが!おらがおらが!!うおおおおお!」

オガは自然と体が走り出していた。


オガはこん棒と大盾で魔物を吹き飛ばしながら孤立しそうになったアカの周りにいる魔物を倒した。



「助かったんだぞ!」


オガは叫びながら東門へと向かい、中に入ってくる魔物をなぎ倒していった。


オガが東門に立った事で、町の中に入ってくる魔物が激減した。


「今のうちに内部の魔物を倒すんだぞ!」


うおおおおおお!


オガのおかげで流れが変わった。










防衛線3日目


オガは東門の下で戦い続けた。


オガはいつもポーションを多く持っているため、定期的にポーションを飲みながら、長く戦うことが出来た。

それに加えてオガの固有スキルは暗黒重騎士。

大盾と重装備による防御力の強さと、自然回復力に優れる特性を持ち、

【防御】の一点においては他の四天王を凌駕していた。


「うおおお!ふー!ふー!」



「HPリジェネ!」

オガの固有スキルで、10分間HPを徐々に回復するオガの切り札だった。

強力な反面12時間のクールタイムが発生する。


「うおおおおおお!!」


どごん!ばきん!どかん!


オガのおかげで前線は持ち直しつつあったが、オガの限界も近かった。


「ふー!ふー!ふー!」


「オガ、よく頑張ったぞ!交代だ!」


「うおおおお!」

オガは聞こえておらず、必至で戦い続けた。


「もういいんだ!!オガのおかげでみんな助かったんだぞ!!!」


「おらが守った?」


「そうだぞ!だから交代だ!ゆっくり休むんだぞ!」


「ふー!ふー!休んでも大丈夫だか?」


「ああ!大丈夫だ!休んでくるんだぞ!」


オガはがくんと膝をついた。


「オガをみんなで運ぶんだぞ!!」


オガは4人の男に引きずられて奥へと下がった。










オガはしばらく眠り続け、目を覚ますと、大量の食事を取り、ポーションを大量にセットして東門へと戻った。


オガが東門で戦っていると、異変が起きた。


「大変だ!ゴブリンがはしごを作って戻ってきたぞ!」


「東だ!東の防壁を登ってくるつもりだぞ!」


「東の門にもゴブリンが押し寄せてくるぞ!数は約100!」


「うおおおお!!おらが守るだああ!」

オガは必至でゴブリンの群れと闘った。





『オガのレベルが上がりました』


『オガのレベルが100になりました』


「レベル100!新しいスキル!」






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