12.何でもいいから勝てば楽しい
俺は一晩勉強してこのゲームを極めた。
俺は自信に満ち溢れていた。
今の俺は何者にも負けない。
早速アースレジェンドにログインする。
ランクマッチを選択する。
敵が愚かにもファーストピックでロボットを選択した。
馬鹿めが。
俺は返しでバーサーカーをピックする。
俺を引っ張ってみろポンコツロボ。
即座にスクラップにしてやる。
味方は手裏剣を投げるアサシンと、でかい盾を構えた筋肉男であるガーディアンをピックした。
このガーディアンもロボットのカウンターに違いない。
タンクだからな。
試合が始まった。
俺はガーディアンと一緒にずんずん進軍する。
おらどこだよロボ。
姿を見せろ。
あちこち歩いて敵を探すと・・・いた!
味方のアサシンが人智を超越した動きで敵3人を順番にミンチにしていた。
どう見ても俺たちより3ランクくらい上の動きだ。
既視感があった。前も見たぞこんな動き。
こいつスマーフかよ。
せっかく勉強の成果を見せようと思ったのに俺はうんざりした。
スマーフは敵に来ても味方に来ても萎える。
いい加減にしろと思いながら俺はアサシンと一緒になって敵をぶち殺した。楽しい。
俺は勝てば何でもいいということを学習した。
俺は勝利ポイントが増えたことに気を良くして次の試合に臨んだ。
敵がアサシンをピックした。
嫌な予感がする。
案の定さっきのスマーフであり、俺たちはボコボコにされて負けた。
クソスマーフはBANしろよ。
使えねえ運営だな。
俺は『こいつは卑劣なスマーフ野郎ですBANしてください』と記載して運営にレポートしたが、次の日もいたのでスマーフは対処されないということを身をもって学んだ。




