第Ⅲ次戦開幕
第16話 第Ⅲ次戦開幕
ゲート発生
有象無象の3級〜2級程度のメレピーを削り取る役割を与えられていたヒュラ達。
ヒュラ達ナーク隊は、戦場に立ち、約10分ほど、順調に戦闘を継続できたかに思えたが………。
導入
戦争開始20分後の現在 ヒュラ達が戦闘して15分後
ヒュラ 「何だこの光景は?!」
ヒュラの視線の先にいたのは雲型のメレピー、クラッドだった。
基地の本部には戦況についての多数のモニターが存在する。
ルークが画面上のクラッドを見る。
「あれは一体なんだ?」
「おっと危ない」
群れを成してC級隊員を襲いに来た7体のティーラ(1級のティラノサウルス型メレピー)。
ナークはこれを、足、顎、尻尾の薄い関節部位を中心に、糸のような硬化した針状フィールドで、串刺しにして動きを封じた。
ナーク
「なんだこのメレピーは。初めて見るぞ。聞いたことすらない」
ナークは臨戦体制で周囲を警戒しつつ、雲型のクラッドを直視してそう言った。
サマンダーが、ティーラにトドメを刺す。山場1
戦争開始15分後〜 ヒュラ達の戦闘開始10分後〜
ヒュラとクラルがスコーピアのコアを剣で切り付けにかかった。
周囲には3級から2級程度のメレピーが多数。
ヒュラの前方には、視界の果てまで敵のメレピーが大地を覆い尽くしている光景が広がっていた。
敵の軍が、どこまで続いているのか一目で見渡せない。
そして、どうやらヒュラ達の方に、敵の戦力が注がれつつあるようだった。
ナーク
「全員、今から徐々に攻めに転じるぞ!」
ヒルが飛び回り、素早くアピソを引きつけてサテライトで次々とアピソを倒す。
ヒル
「メレピーの配置範囲が確認できた。1番遠くにいるやつで、ここから約18km先ってところだろう」
ナーク
「思ったより広く配置されているな。兵力差も大きい。
主力級を前線に駆り出しながら隙を窺っているとすれば、この状況はかなりまずい」
ヒル
「戦場の中心は、4〜5km四方の開けた地になっている。
メレピーは中心から離れているようだ」
戦争開始5分後〜 ヒュラ達の戦闘開始直後
ヒュラが剣でスコーピアと切り合いをし、コアを切って倒す。
ザンやケラがスコーピアやアンテの相手をして引きつけ叩く。
ネラは、ケラやザンを援護し、狙撃している。
上空には、数十体のアピソとクロー、そしてファルコー(2級のハヤブサ型メレピン獣)3体がヒュラ達の部隊の上を旋回していた。
マラルは不満気に小さな爆弾をつくり、攻撃を仕掛けてくるスコーピアとアピソを倒していた。
ナーク
「マラル、その調子だ。
だが、メレピンの消耗はもう少し抑えた方がいい」
マラルが小さく舌打ちした。
サマンダーはステルスでスコーピアに接近し、タイミングを見計らって、針状に硬化したフィールドで串刺しにする。
クラルは、あまり動かなかった。
(比較的分散しているようだ。大勢で消耗戦狙いの攻めなら、しばらくすれば、敵の一斉攻撃のサインが出るかもしれない。)
アレンがクラルを腰抜けだと言わんばかりに、横でスコーピアをプラズマの剣で切り裂いていく。
ヒルはサテライトとパーソナルスキルのステートメント、超予測を使って、空中を飛び跳ねながら隙を窺って上空のメレピーを倒していく。
ナーク
「みんないい調子だ。飲み込みが早い。技の調節精度が高くなっているよ」
ナークはこの間も、2級メレピーのトラ型タイガを顔のコアの真ん中縦半分に素早く切り付けている。×2
タイガを5体切る。
山場2
開始10分後〜15分後
ネラがタイガ(2級のトラ型)の素早さに狙いを定め切れず、コアに致命傷を与えられていなかった。
タイガがネラに向かって走る。
ネラがタイガの爪に切られそうになったところ、クラルが6,7mほどの地点からプラズマの遠距離斬撃をタイガに喰らわした。
ネラはタイガを交わし、至近距離でコアに弾丸を命中させて倒した。
タイガ3体が同時にネラの周辺で飛びかかろうとしている。
クラルが3体同時に殴りかかるのをプラズマの剣で受けて防御する。
ネラは磁気弾を撃ちこんだ。
あまり効かなかったが、タイガの力が少し緩んだ。
クラルはタイガ3体を剣で弾き返したが、立て直したタイガが再度同時攻撃を仕掛け、クラルの剣が少し欠けた。
アピソとクローが5体ずつ同時に空からネラの方へ斬撃を送り込む。
ネラがシールドで防御する。
互いに背後を守るネラとクラルが、追い詰められていった。
10体のスコーピアがビーム状のプラズマ射撃をネラの方へ向けていた。
ネラが巨大雷を作り出そうとしたところ、60m先にいたナークが、針のようなフィールドを放射状に伸ばし、10体のスコーピアを下から上へ貫いた。
タイガの一体は前右足を貫かれ、残り2体は攻撃を交わした。
再び剣を起動したクラルが、N字形にプラズマの遠距離斬撃を与え、動きが鈍ったタイガ3体は切り傷からニューオンを流出させる。
ナーク
「ネラ。今の戦況から、あの大技攻撃に転じるのは得策じゃない。
もう少し粘れ。まだ10分も経っていないぞ!」
ネラ
「ありがとう…。ナーク隊長、以後気をつけます」
ネラが、タイガのコアに射撃し、3体ともにトドメを刺した。
ナークが率いる受験会場のC級9名が、開始10分後までに倒したのは、
2級 タイガ4体、ファルコ2体
準2級 スコーピア150体、アピソ250体、
アンテ 70体
3級 クロー60体、ハト型ドーブ50体
合計586体
である。
ナークが倒したのは、
2級 タイガ11体、ファルコ3体
準2級 スコーピア100体、アピソ50体
アンテ80体
3級 クロー140体、ドーブ10体
合計394体
である。
開始15分後〜19分後
ナークが上層部と連絡を取る。
ナークは、(2級のタコ型メレピー)オクトパを切り裂いた。
ナーク
「上層部、こちらナーク。
北東部のハドラリアー外縁地域を担当し、約1000体のメレピーを撃退。
現在、近接する他のC級部隊で確認できた敗北者は2名ほど。
こちらの部隊は全員無傷ですが、C級部隊は全体的にやや消耗しつつあります」
上層部
「了解。現在敵の兵は、中央の半径3kmの範囲を除く半径12km以内の範囲に、その9割が不均一かつ不規則に分布している。
こちら側で各隊員の記録と兵力はほとんど正確に把握できているはずだが、敵の勢力が未だ把握し切れていない」
ナーク
「情報戦において我々が遅れを取るなんて珍しい。
何か問題でもありましたか?」
上層部
「奴らはゲート生成が可能な、3級のメレピーをおそらく500体程度送り込んでいる。
ハト型のドーブ200体とトカゲ型のリザルド150体、ネズミ型のラッド150体がその候補だ。ゲート発生は2回まで可能で、今も複数箇所で発生している」
ルーク
「敵もなかなか考えて配置しているらしい」
ナーク
「ルークさん。戦場に出ていないのですか?」
ルーク
「やあナーク。僕は開始40分後にこの戦場のどこかに参戦する。
今は様子見ってところかな。
A級隊員は、開始時に16人、中心から2kmの円に均等に配置した。S級は真ん中に3人。
この19人で人型10人と交戦しているんだが、ウラニス1,5,6のトップが見当たらない。
ウラニス1,6のトップは相当ヤバいやつだから、早めに姿を現してもらいたいんだけどな」
ナーク
「その他に人型は出現していないのですか?1級メレピーの配置も教えてください」
引き
戦争開始19分後〜
ナークは、ルークから聞かされた戦況の情報を全員に伝達した。
(ハト型)ドーブが60羽、一斉に空を舞った。フンを落とされたサマンダーのステルスは解除され、肩にドロドロの液体が垂れていた。
サマンダー
「最悪なんだけど。うわ皮膚が溶けてる!」
サマンダーの肩が少し溶け、ニューオンが流出した。
クラル
「あそこに見えるハト型ドーブの大群はゲートを作るんじゃないか?」
クラルは直ちにナークに連絡した。
「おそらく、今から彼らは、我々に一斉攻撃を仕掛けるつもりだ」
ハト型ドーブが、連携して一斉に巨大なゲートを開いた。
ゲートから総勢10000体のメレピーがやって来た。ほとんどが飛行体で、その上に小型のメレピーも大量に乗っていた。
極め付けは、雲型のメレピー、クラッド。
サイズは長さ幅約5,60mほどで、輪郭がふわふわとした柔らかそうな、平たい形状の物体であった。
そして現在
戦争開始20分後
ヒュラ
「何だこの光景は?!」
ヒュラ達C級隊員は戦線にいる有象無象の3級から2級程度のメレピーを集団戦法で削り取る役割を与えられていたのだが………。
ヒュラの視線の先にいたのは、バリリオンズ陣営の誰もが、未だかつて見たことのない、雲型のメレピー、クラッドだった。
「おっと危ない」
ナークは、群れを成してC級隊員を襲いに来た1級のティラノサウルス型メレピー、ティーラを、7体同時に、足、顎、尻尾の薄い関節部位を中心に糸のような硬化した針状フィールドで串刺しにして動きを封じた。
ナーク
「なんだこのメレピーは。初めて見るぞ。聞いたことすらない」
ナークは臨戦体制で周囲を警戒しつつ、雲型のクラッドを直視してそう言った。
彼らはまだ知らない。
奴らの本当の脅威を。
その圧倒的な戦闘力を。




