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チートスキル【指数関数】でハーレム無双〜ハズレスキルとパーティーを追放された俺だけが、あらゆるモノを倍々にできる〜  作者: ケイ


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1

翌朝。

俺はパンの山に埋もれて目を覚ました。


「夢じゃ、ないのか」


目の前には大量のパン。


昨日の出来事は現実だったらしい。


試しに一つ手に取る。


硬さも匂いも味も同じ。


偽物ではない。

完全な本物。


俺は思わず唾を飲み込んだ。


(もしこれがパン以外にも使えるなら)


脳裏に、一つの考えが浮かぶ。


ありふれた考え。

だが、その先にある可能性は恐ろしい。


俺は腰の革袋を開いた。


中には、追放される直前に残っていた銅貨が一枚。


全財産。

笑えるほど少ない。


「まさか、な」


銅貨を掌に乗せる。


そして念じた。


「増えろ」


光が走る。


次の瞬間。

銅貨が二枚になった。


「っ!?」


鼓動が跳ね上がる。


もう一度。


四枚。


八枚。


十六枚。


三十二枚。


六十四枚。


百二十八枚。


二百五十六枚。


掌から溢れ落ちた銅貨が地面を埋め尽くした。


じゃらじゃらじゃらじゃらじゃら――!!


朝の森に金属音が響く。

俺は言葉を失った。


「嘘だろ」


銅貨一枚。


価値は小さい。


だが。


この能力には関係ない。

価値が小さかろうが大きかろうが。


一枚は二枚になる。

二枚は四枚になる。

四枚は八枚になる。


それだけだ。


世界中の商人が何十年とかけて築く財産を。

このスキルは数分で作り出せる。


そして、その瞬間。

俺は気付いてしまった。


本当に恐ろしいことに。


「待て」


手が震える。


呼吸が浅くなる。


もし。

本当に何でも倍にできるなら。


銅貨だけではない。


鉄も。

金も。

ミスリルも。

伝説の霊薬も。

魔剣も。

聖剣も。


増やせるのではないか?


いや。


もっとだ。


俺はステータス画面を開いた。

そこには誰もが持つ数字が並んでいる。


筋力。


敏捷。


魔力。


体力。


そして。


俺の視線は、自分の魔力値で止まった。


魔力:12


ごく普通。


新人冒険者レベル。


だが。

そこへ指を伸ばした瞬間。


視界に新しい文字が現れた。


【倍化可能】


俺は凍り付いた。


「おい」


喉が乾く。


まさか。

そんなはずがない。


だが心のどこかで確信していた。

このスキルは、物だけを増やす能力ではない。


もっと根本的な。

もっと危険な。


世界のルールそのものに触れる力だと。


恐る恐る、念じる。


「魔力を――倍に」


瞬間。


身体の奥で何かが弾けた。


魔力:24


その時。


俺は確信した。

この力は、本当に世界を揺るがす力だと。

本気で確信したのであった。

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