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ロマリア悲恋物語  作者: 泪(るい)
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「ー来たぞ!コーシュ将軍だ‼」

 その言葉を合図に、詰めかけた民衆から一斉に大歓声が沸き起こった。

「コーシュ将軍、お帰りなさい!」

「コーシュ将軍はわしらの誇りだ!!」

「コーシュさま、コーシュさまぁ!」

 熱狂的な歓声が首都サルディアに響き渡る。

 王宮へと真っ直ぐ伸びた大通りの沿道は、少しでも近くで自国の英雄を見ようと前へ前へと身を乗り出し、その目に()まろうと懸命に手を振る人々で埋め尽くされ、その異様な熱気が立ち込めるなかを、コーシュ将軍を先頭に1万もの騎兵たちがゆっくりと行進していく。

 彼らは、ロマリア全土より選出された精鋭の兵士たちだ。コーシュが将軍となり指揮官に就任して以降、その機動力を最大限に()かした戦略でまさに連戦連勝、不敗を誇っていた。

「相変わらず、大変な人気ですな」

 周囲の大歓声に満足気に頷きながら隣を進むのは、コーシュの副官を務めるメージェ准将だ。彼はコーシュが生まれる前から戦場に立っている歴戦の勇士であり、コーシュが将軍職に就任した時から副官を務めている。

 コーシュは引き締めていた口元をふっと(ゆる)めると、生粋のロマリア人ではないことを示すやや茶色がかった黒い瞳を、恰幅(かっぷく)のよい大柄な副官に向けた。

「有り難いことだ。彼らはいつもこのように温かい言葉をかけてくれる。私は純粋なロマリア人ではないのにな」

 その言葉に、メージェは不満そうに眉をひそめた。

「また、そのような。確かに将軍の母上は隣国ティーラスの王族の姫、それも現王の妹君でいらっしゃいます。しかし、そのようなことを気にする者など、このロマリアには一人もおりませんぞ。この群衆をごらんなさい。この者たちは皆、将軍を見たいがためにこのように集まっておるのですぞ」

 コーシュの父、シン・シセイとティーラスの美姫サミールとの恋物語は、ロマリアに住む人間なら誰もが知っている。

 ロマリアが国境を接している国は4つ。その中でも、コーシュの母サミール姫が現在(いま)も住むティーラスは、国境線を(めぐ)ってたびたび(いくさ)を繰り返してきた積年の敵国であった。

 ところが、25年前、両国の間で休戦協定が結ばれることになり、その協定締結を取りまとめる特使としてロマリアより派遣されたのがコーシュの父、若き日のシン・シセイだった。

 当時、彼は28歳。シセイ家は代々文官を輩出(はいしゅつ)してきた家柄で、シン・シセイも冷徹かつ的確な政治手腕で若年(じゃくねん)ながら宰相補佐という重職に就いていた。

 ロマリアの全権を委任され、両国の和平の橋渡しという重責を(にな)いティーラスに乗り込んできた、はずであった。

 それが。

 こともあろうに国王の妹姫と通じ、あまつさえ妊娠させたというのだ。

 ティーラスは、レオーネ大陸でも有数の美女の産地として知られる。そのティーラスにあって国一番の美女と名高い妹姫を、兄である国王は溺愛していた。その執着ぶりは、サミール姫が王族の女性の適齢期といわれる14~18歳を過ぎ20歳になっても結婚を許さず、己の側から離そうとしなかったほどだ。

 その妹姫を妊娠させられた。

 サミール姫の身を案ずる側近の侍女によりこの事実を知らされたティーラスの兄王は、当然のことながら烈火のごとく怒り狂った。

 愛する妹姫を(けが)し、ティーラス王家に重大なる侮辱(ぶじょく)を与えたシン・シセイを即刻逮捕、収監(しゅうかん)のうえ死刑に処し、報復のためロマリアへ出兵の命令を下そうとした、まさにその時だ。

 狼狽(ろうばい)し後ずさりする侍女と衛兵の間をかき分けるように、サミール姫が現れた。

 その姿を見るなり、兄王は驚愕(きょうがく)に目を見張った。

 どこから手に入れたのか、サミールの両手に短剣が握られていたのだ。 

 サミールは、()うように兄王の前に身を投げ出すと、黒曜石のようなと(たと)えられる、(つや)やかな漆黒の両の瞳に涙を浮かべ、怒れる兄王に向かって大声で叫んだ。

 

 もしシン・シセイを罪に問うというなら、この短剣で己の喉を突いて死ぬ!と。


 愛する妹姫の(いのち)を懸けたこの言葉に、不本意ながらも兄王は頷かざるを得なかった。単なる脅しと言うには、あまりに激しい、狂気にも似た燃え盛る感情の炎をサミールの中に感じ取ったからだ。

 自分が“(いな)”という言葉を発した瞬間に、妹姫は躊躇(ちゅうちょ)なく短剣の切っ先を己の喉に突き刺すだろう。

愛する妹姫の、その心と命を失うことは、ティーラスの王にはどうしても出来なかった。

 結局兄王は、シン・シセイの罪を問わず、休戦協定も破棄せずに両国の平和を維持することを約束した。

 しかし、その代わりに、堕胎(だたい)させるには既に母体に危険が及ぶまでに胎児が育っているため、無事に子を出産した(のち)、その父親がロマリアへ連れ帰ること、またシン・シセイとその子供には、生ある限りティーラスへの入国を認めず、破った場合は理由の如何(いかん)を問わず、即刻死を与えることをサミール姫に約束させた。

 サミール姫は、生涯初めて恋をした男と、生まれたばかりの幼い我が子との永遠の別れを受け入れざるを得なかった……。

 

 こうして無事に生まれた幼い乳飲み子を抱いて、シン・シセイはロマリアに戻ってきた。

 当然、協定締結の特使としてあるまじき行為に及び、ロマリアとティーラスが再び戦火を(まじ)えるかもしれない原因を作った責任を負わねばならず、宰相補佐の役職を解かれたうえ3年間の謹慎を余儀なくされた。

 シン・シセイへの厳しい処分は当然のことと納得したロマリアの民も、身を投げうって戦を回避させたサミール姫に対してはおおむね好意的だった。

 元々、美しいものには目がない気質(きしつ)のロマリアの国民である。

 長じるに従ってティーラス一と(うたわれ)た母親の美貌をそのまま(かたど)っていくコーシュに対して、当初こそ異国の世界を体現する存在として好奇の目を向けていたものが、やがて憧憬(どうけい)を含んだ称賛へと変わっていった。

 コーシュは、黒い髪にやや茶色がかった黒い瞳をしている。母親のサミール姫も同様の(つや)やかな黒い髪と瞳をしているが、瞳の色のみ父親の血がやや入り込んだようだ。

 金髪、青い瞳が当然のロマリアの中にあって、コーシュのその髪と瞳の色は確かに異様の光を放つ。

が、その際立つ容貌は、異性のみならず同性の好意を勝ち得るのにも大いなる役割を果たした。

コーシュを初めて見た人がまず最初に目を奪われるのが、野性味に(あふ)れるその目だ。その鋭さを備えた眼差しは、完璧に配置された彫刻のような端正な面立ちに男性的で精悍(せいかん)な印象を与え、美しく伸びた鼻梁(びりょう)は、”名工が技術の全てを注ぎ込み造形した彫刻の如き”と(たと)えられる母親の美貌をそのまま想像させるが、決して女性的な優しげなそれではない。

 幼い頃より武芸の技を磨き、鍛錬(たんれん)を重ね、ずば抜けて大きな身体ではないものの、しなやかで(たくま)しい筋肉が着衣ごしにもはっきりと感じることができ、全体的にどこかエキゾチックで悩まし気な印象を相対(あいたい)する人間に与えるのだ。

 そんなコーシュに恋心を抱く女性が年齢・身分を問わず後を絶たないのは、しごく当然のことだった。

 もちろん、現在のコーシュの人気ぶりは、その容貌だけが理由ではない。

 15歳の初陣(ういじん)で有力な敵将の首を上げ、以降も数々の武勲を積み重ねてその名をロマリア全土に知らしめ、史上最年少の若さで将軍となり、その後も戦に出れば負けを知らず、ロマリアに勝利と繁栄をもたらしてきた、文字通りの自国の若き英雄と呼ばれるのに相応(ふさわ)しい存在となっていた。

 ところが、そんな国民の熱い思いを、コーシュは素直に受け入れることが出来なかった。自身の出生(しゅっせい)経緯(いきさつ)を考えれば、どうしても劣等感にも似た感情を抱いてしまうからだ。

 自分に好意を抱く女性に対してもそうだ。所詮(しょせん)、自分のこの髪と瞳が珍しくて近寄ってくるだけ、そう思っていた。

 メージェは、そんな屈折した考えの上官が歯がゆくてならなかった。もっと傲岸(ごうがん)であってもよいのではないかとさえ思うほどだ。

 だからコーシュから己を卑下するような言葉を聞くと、つい非難めいた口調になってしまい、

「まったく、いい加減にもっと素直におなりになさい。そのような事を口にされると、集まった民衆が皆がっかりしてしまうではありませんか」

 コーシュはやわらかく微笑みを返すと、

「-すまない。どうしても面映(おもは)ゆくてな。このように無条件の愛情を注いでもらう資格が自分にあるのかと、いつも考えてしまうのだ」

「本当に将軍は生真面目(きまじめ)がすぎます。戦場ではあれだけ奇抜で無謀な戦術を立てる方が。ご自分の武勲のほどを考えたら、民衆が騒ぎ立てるのも当然のこととわきまえて頂きたい」

 メージェは、コーシュが立案した作戦を、戦場において実際に実行に移せるよう各隊長をまとめる重要な役割を(にな)っている。コーシュにとっては単なる副官というだけでなく良き相談役であり、後見人でもあり、もう一人の父親ともいうべき存在だった。

 そんなメージェの、厳しさの中にも優しさを感じさせる言葉に対して反論のできようはずもない。

「ー承知だ、メージェ。今は彼らの言葉を素直に受けよう」

 そう言うとコーシュは、ひきもきらず叫び声を上げる人々の顔を確かめるようにゆっくり周囲を見渡し、その声に応えるかのように左手を突き上げた。間髪を入れず、耳をつんざくような歓声が辺り一面に巻き起こる。

 その声援の中、一人の少女が、静かにコーシュたちが歩を進める路上の先に進み出た。

「……?」

 少女の姿に気づいたコーシュが、右手を挙げ、後ろに続く兵士たちに進軍停止の合図を送る。訓練の行き届いた軍勢は波を打つように規則正しくその歩みを止め、それに合わせて大通りを取り囲む人々も一様に口を閉ざした。彼らの目が一斉にその少女に注がれる。

「-君は?」

 馬に(またが)ったまま、コーシュが少女にそう声をかけた。

 年齢は10歳頃だろうか。耳元できっちり切り揃えられた髪と、白地に太陽の意匠(いしょう)が縫い取られた長衣(ちょうい)から、この少女がオルシス神殿に使える童女(どうじょ)だということが分かる。いわゆる巫女見習いとして、幼い頃から神殿に入り巫女としての研鑽(けんさん)を積んでいる少女の一人だ。

 少女は、片膝をつき深々と頭を下げると、馬上から自分を見降ろすコーシュの側に歩み寄り、両手に持っていた小さな(かご)をコーシュに向かって差し出した。

 (かご)の中には、美しく咲き誇る花が顔を覗かせている。

「我が(あるじ)、オルシス神の巫女姫シルファーラ様よりのご伝言を申し上げます。『隣国サスキアとの戦での大勝利、おめでとうございます。ご無事のご帰還を心よりお喜び申し上げます』とのお言葉と共に、このお花を差し上げたいと」

 コーシュは少女から(かご)を受け取ると、引き締めていた表情を(やわ)らげ、優し気な微笑みを少女に向けた。

「このような可愛らしい花を頂けるとは。戦で疲弊(ひへい)した心が(いや)されるというもの……この花は巫女姫みずからお育てに?」

「はい。朝な夕なにお手入れを欠かさず。おつとめの合間(あいま)を見つけては、大切に育てていらっしゃいます」

「そうか。巫女姫はお(すこ)やかにお過ごしか?」

「つつがなく、おつとめでいらっしゃいます。国の繁栄と国民の幸せのため、日々我らが太陽神オルシス神に(まい)(おさ)め、祈っていらっしゃいます」

「……………そうか」

 コーシュは、無言で左上の高台に建つオルシス神殿を見上げた。なんとも言えない、やるせない、切ない風がコーシュの頬を撫でる。

 その一瞬の感情を振り切るように目を閉じると、コーシュは再び少女に視線を戻した。

「巫女姫のお心遣いに感謝する。巫女姫が心安らかに過ごされることを、この魂の奥底より願っていると、そうお伝えしてくれ」

(かしこ)まりました。我が(あるじ)に、確かにお伝えいたします」

 少女は深く頭を下げると、沿道の人々の群れの中に姿を消した。

その後ろ姿を見送り、コーシュは再び馬の歩を進め始める。

「進軍、開始ー!」

 メージェの号令が朗々と大通りに響き渡る。

 目指すはロマリアを支配・統治するマムルワ王家の夏の宮殿である青星宮(せいせいきゅう)だ。彼らの王であるファビラスに戦勝の報告をすることになっている。

 コーシュの顔に既に迷いの色はない。その瞳はゆるぎなく、真っ直ぐ前だけを見つめていた。

「コーシュ将軍!こっちを向いてー!」

「コーシュ様ぁ!愛してます、将軍ー!」

 再び巻き起こる歓声の中、粛々と軍勢は歩を進めていった。

 その叫び声は、最後の一兵が青星宮(せいせいきゅう)に姿を消すまで途絶えることはなかった。


「やだ、ローザったら。泣いてるの?」

 ニキヤの言葉にローザは慌てて頬の涙を(ぬぐ)った。

「違うわ、泣いてなんかないから」

「泣いてるでしょ。コーシュ将軍の姿見ただけで、泣いちゃったの?信じられない」

「だから違うんだったら」

 ローザが懸命に否定したところで、ニキヤが納得するはずがない。呆れ半分、説教半分の口調で、前のめり気味にローザに詰め寄ると、

「いい?ローザ。確かにコーシュ将軍はロマリアの英雄で、しかも各段にいい男よ。それは私も認める。でもね、それって単に見た目が良くて、戦争に強いってことだけでしょ?なのに、どうしてそんなにあの人がいいの?なんで?」

「なんでって……」

 頭一つ背の高いニキヤを見上げながら、ローザは必死でニキヤを納得させられる言葉を探した。

 しかし、なんと説明していいのか分からない。好きだから好きなのだとしか言いようがないからだ。

 ロマリア人とは異なるあの容姿も、武術・戦略に()け、将軍としてロマリアを守るその強さも、その全てがどうしようもなく好きなのだ。

 初めてコーシュ将軍を見たあの日から、月に数度、戦場に向かうその姿を、遠くからであれ、近くからであれ見られればそれだけでいい。ローザはそう思っていた。

「……ねえ、ニキヤ。見た?さっき……」

 ローザは、先ほどコーシュ将軍率いる兵団が通り過ぎた大通りを見下ろした。

 さっき、ローザ達がいるオルシス神殿の前に差し掛かったあの時。コーシュ将軍が一瞬、ローザのいる方に向かって顔を上げたのだ。

 その瞬間、顔中の血液が逆流し、心臓がどくんと音を立て、全身にその鼓動が広がっていく、あの感覚。それをニキヤに分かってもらえたら。

 もちろん、あれは自分を見ていた訳ではない。当然だ、そんなのは分かってる。

 なのに、コーシュ将軍が自分のいる方に顔を向けた、ただそれだけで、自分の胸はこんなにも高鳴る。自然に涙まで流れてしまうのだ。

 ニキヤはローザにとって何より大切な存在だ。でも、この切なく、やるせない。甘い想いだけは、ニキヤに否定されようと捨てられない、何があってもだ。

そんなローザの心を読み取ったかのように、

「もう止めましょ、こんな話は。私にはコーシュ将軍よりローザの方がずっといいわ」

「いやだ、なに言ってるの」

 ニキヤの言葉に、ローザはくすくすっと笑い声を立てた。

「遠くにいるコーシュ将軍より、近くにいるローザの方がずっと大切だってことよ。さあ、そんなことより、早く帰りましょ。今日はうちの一座も休みだし、夜まで一緒にいられるわ。マーリアおばさんが夕食、用意してくれてるんでしょ?」

マーリアは、ローザの母親の妹だ。ローザの母はローザが幼い頃に亡くなっており、以来マーリアは何かにつけてローザの世話を焼いてくれている。今日も、コーシュ将軍の凱旋を見終わったら、マーリアの家を訪れる約束をしているのだ。

「マーリアおばさんは、ニキヤに会うの本当に楽しみにしてるのよ。ニキヤの踊り、大好きなの。あんな素晴らしい踊り手はロマリア中どこを探してもいない!って、いつも言ってるわ。なかなか見に行く機会がないのが本当に悔しいって」

 ニキヤの父が座長を務めるラウール一座は貴族・平民を問わず大変な人気で、数多くの顧客を持っている。特に贔屓筋(ひいきすじ)である貴族や裕福な商人などが席を買い占めてしまうので、なかなか一般の平民にまで席が回ってこないのだ。

「おばさんにそう言ってもらえて嬉しいわ。ローザも見に来てくれればいいのに。親友なのに、一度も見に来ないんだから」

「いいの。踊りを見なくたって、十分すぎるくらい私はニキヤのこと好きなんだから」

「なに、それ。全然、理由になってないわよ。ローザが来てくれたら、私、今までで一番素敵に踊れるわよ?」

「私が行かなくたって、ニキヤは素晴らしい踊り手よ。ロマリアで一番、ううん、レオーネ大陸で一番!」

「だーから!見てないのに、どうしてそんな事言えるのよ!」

 ニキヤは(にぎ)やかな笑い声を立てながら、側面からローザに抱きついた。ニキヤは、小柄で華奢(きゃしゃ)なローザの体に触れるのが好きで、しょっちゅう今のように抱きついてくる。

「そんなことより、早く行かないと。暗くならないうちに行くってマーリアおばさんと約束してるのに、ぐずぐずしてたら遅刻しちゃう」

「なに言ってるの!そもそもローザがコーシュ将軍を見たぐらいで泣いたりするからでしょ!」

「もう、分かったから」

 ローザは笑いながらニキヤの腕を引っ張り、歩き始めた。

 名残惜(なごりお)()に、コーシュのいた方向に目を向ける。

(……コーシュ将軍……)

 その名を(つぶや)くだけで、頬が熱くなる。

 ローザは昨日よりも更に強くなったコーシュへの思いを胸に、オルシス神殿を後にした。





 






 

 

 


 

 


 


 

  

 



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